- Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022598516
作品紹介・あらすじ
「『日本』という国号が決まる前…には『日本』も『日本人』も日本列島には存在していない。日本国は明らかに東北と南九州を侵略・征服して、100年をかけてようやく本州・四国・九州をほぼ支配下に入れたわけですね。そこから、出発して考えていく必要がある」(網野)。「アイヌと琉球と2つの王朝があって、京都の王朝を入れて3つの王朝が並行して日本列島の中にあった…そこを日本の歴史像の中に組み入れていかないと、『君が代』も『日の丸』もとらえ切れないし…人類の中の日本人という方向には向かない」(鶴見)-歴史家・網野善彦と哲学者・鶴見俊輔が、それぞれのライフヒストリーを織り交ぜながら、戦後-高度成長期-現在をふりかえり、縦横に語り合う。
感想・レビュー・書評
-
★館長の本棚★小林図書館長推薦
★SIST読書感想文大賞2019 推薦図書★ 推薦者コメント
若い頃、何気なく手にとって読み、大変な影響を受けた対談である。日本の「学校秀才」が、明治時代から(きっと、もっと前から)、何の変化もなく「秀才」であることと、その詰まらなさに、気がつかせてもらったのは本書である。
【所在・貸出状況を見る】
https://sistlb.sist.ac.jp/opac/home/result/ja?q=4022598514&target=l詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
一木一草にも天皇制が・・という話が興味深い。
引用
「わたしは老人には敬意を表するんですが、勲一等をえらいとは思わない。だけど、天皇制の序列で上位の人がくると敬意を表するでしょう。序列が全部ついていて、それが「生活」だとおもってしまう。そんなふうに、我々の生活に天皇制の枠が入っていることは確かなんです」 -
どれだけ視野が広くなっても、なにもかもは見尽くせない。
人が信じることの中に、真理はほとんどない。 -
面白い。こんな対話を日常的にしてる人が周りにいたら、それはもう内容に賛成するか否かは関係なく楽しい。
大学生にとって気になる内容多数。
西田幾多郎について少しだけ触れられている。西田幾多郎が気になる。
柳田國男の史料に対する向き合い方に対する批判など、面白い。 -
とある方から頂いた本です。
ありがたい事です…(涙)
お馴染みの網野先生と鶴見先生の対談形式の本。
二人の会話で話が進んでいくので、難しい部分も多いですが、色々な発見があってとても興味深いです。 -
マルクス主義を理解していないし、対談のため全体に話の内容が難しかった。日本という国号を変えるという発想にならないのが不思議と網野氏は言うが、それを変えるという考えになるのがよく分からない。一語一義だと能率は上がるが揺れがなくなる、という鶴見氏の発言を重く感じる。単語レベルの言葉を大事にする姿勢は見習い、自分の言葉を使うようにしたい。