兵士であること: 動員と従軍の精神史 (朝日選書 768)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.60
  • (1)
  • (1)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 35
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022598684

作品紹介・あらすじ

近代日本は、国家としての体裁をととのえた19世紀末以降、戦争の長い中断期をもつことがなかった。日清戦争、日露戦争、シベリア出兵、1937年の日中戦争の全面化、41年のアジア・太平洋戦争へと続く。動員された兵士は、自分の人生を中断されたという意味で被害者だった。が、武器をとる戦闘者であることにおいては、まぎれもなく加害者だった。兵士によって見きわめられた戦場とはどんなものであったか。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ふむ

  • あとがきの著者の率直な述懐が心にしみる。本書の中では、「戦場の医学」「村の兵士たちの中国戦線」が、特に心に残った。前者については、戦傷者よりも戦病者が多いこと、戦時栄養失調症の実情、その前提となる兵站の軽視、主計・軍医の軽視、兵士を消耗品と見做す愚考(一人前の兵士にするには時間も費用もかかる)がそれである。また、後者については、高橋千太郎氏の書簡(176から178頁)が胸を打つ。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

鹿野政直(かの・まさなお)
1931年大阪府生れ。早稲田大学文学部卒業。日本近現代思想史専攻。早稲田大学名誉教授。『鹿野政直思想史論集』全七巻(岩波書店、2007-08年)など。

「2020年 『八重洋一郎を辿る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

鹿野政直の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×