われら以外の人類 猿人からネアンデルタール人まで (朝日選書 (783))

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  • 朝日新聞社
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レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022598837

作品紹介・あらすじ

700万年前のアフリカで、類人猿との共通祖先から分かれて以来、私たちホモ・サピエンスまでのヒトの進化は一本道ではない。何度も「枝分かれ」を経験し、何種類もの人類が同時に地球上を歩く時代がつい最近まで続いていた。たとえば、がっしりした体形のエチオピクス猿人と華奢なガルヒ猿人、頑丈なボイセイ猿人やロブストス猿人と現生人類に続く系統のホモ・ハビリスやホモ・エレクトスが、共存していたらしい。ネアンデルタール人とホモ・サピエンスも、同じ地域に暮らした証拠が残っている。ヒトの仲間とされるのは、ホモ・サピエンス以外に20種近く。そのうちいま生き残っているのは、サピエンスただ1種だけ。「われら以外の人類」たちが世界から姿を消したこの数万年は、長いヒトの歴史から見るとむしろ例外的なのだ。「共存」を軸にたどるヒトの来た道。

感想・レビュー・書評

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  • 人類700万年の歴史を「誰が」、「どのように」紐解いていったかについて、研究者のインタビューを通して言及。この本のよいところは、「誰が」について、詳しく書かれていること。やはり、化石を追い回す人間は、かなりイカれたところがないと勤まらないらしい。

  • 2005年刊。著者は朝日新聞社科学医療部記者。◆豹に食われる猿人、その後の進化の結果、狩猟若しくは屍肉漁りを実行するにまで。さらに埋葬や芸術を生んだネアンデルタール人とホモ・サピエンス・サピエンス。この約700万年の人類進化の過程を検証する。◇中でも約1万8000年前にインドネシアで生存していた小型のホモ、フロレシエンシスの発見が重要かも。識者によると、従前確立しつつあったアフリカ単一起源説に待ったをかける意味があったからだ。◆化石分析に加え、ミトコンドリア・イブ仮説の如き分子遺伝学・進化学の知見を駆使。
    その結果、導かれる人類の形態的・文化的・技術的進化の模様を、明快に素描しうるのは、新聞記者の手になる所以か。

  • 知能の発達についての考察は興味深かった。
    脳の発達に伴う肉食の必要性はよく分かった。他の動物が食べた後の骨髄から栄養を摂る話には驚いた。

  • <脳のルビコン>
     われわれホモ・サピエンスの起源を探るここ数十年来の考古学はアフリカでの発掘調柶を中心にずいぶん進んでいることは、時にニュヸスで伝えらたりする限りにおいて享受してきたものの、およそその手の知識も思考回路も乏しい私などには、それらの断片を手繰り寄せて全体像を把揜することなどできる筈もなく、その努力もついぞしてこなかったが、新聞書評で内村直之著「われら以外の人類」が紹介されているのに触れ、現時点での総拢的な知見を得られるものと思い手にしてみた。
    著者は朝日新聞社の科学医療部記者で「科学朝日」編集部なども経てきており、その職業柄か、猿人たちから多様なホモ属の系譜まで、わかりやすくまとめられており入門書としては良書といえるだろう。

     ここでわれわれが意外と知らないでいる事実をひとつ紹介しよう。ヒトの脳はとんでもなく贅沢な器官で、高カロリヸのブドウ糖しか栄養にせず、体重の2%程度しか占めていないのに、消費するエネルギヸは20%にもなるという。さらに新生児にいたっては、身体をあまり動かせないという事悾もあるが、60%のエネルギヸを脳で消費するというのだ。それほどにわれわれは脳化した動物だという訳だが、その脳の進化のためには、効率的にカロリヸを補給できる「肉食」が不可欠条件だったし、数あるホモ属たちのなかで「脳のルビコン」を越え出るのに成功したのがホモ・サピエンスだった、と本書は教えてくれる。勿論、長いあいだの狩猟生活から、やがて農耕主体の定佊生活へと変わって現在にいたるわれわれには、すでに肉食は絶対条件ではなくなっているが。

  • 非常に面白い本でした。

    結局のところ、ヒトの進化の過程については、ハッキリとわかっていることはあまりないんですが、「何がわからないのか」「どこからわからないのか」といった点を丁寧に説明しつつ、論を進めているため、「わからない部分」が気にならないまま、ヒトの進化の過程の概論を理解できる内容になっています。

    著者は、朝日新聞の科学担当の記者ですが、ものすごい勉強量ですね。
    僕のような素人から見ると、専門家が書いたものと錯覚するぐらい、質・量ともに十分な内容でした。
    参考文献も充実していて、いうことなしです。

  • 序章 ホビットの島
    第1章 最古のヒトを求めて
    第2章 揺籃の地アフリカ
    第3章 ヒトへの道を進む
    第4章 広がるヒトたち
    第5章 われらホモ・サピエンスの時代
    エピローグ 見えた!「共存」の秘密

  • [ 内容 ]
    700万年前のアフリカで、類人猿との共通祖先から分かれて以来、私たちホモ・サピエンスまでのヒトの進化は一本道ではない。
    何度も「枝分かれ」を経験し、何種類もの人類が同時に地球上を歩く時代がつい最近まで続いていた。
    たとえば、がっしりした体形のエチオピクス猿人と華奢なガルヒ猿人、頑丈なボイセイ猿人やロブストス猿人と現生人類に続く系統のホモ・ハビリスやホモ・エレクトスが、共存していたらしい。
    ネアンデルタール人とホモ・サピエンスも、同じ地域に暮らした証拠が残っている。
    ヒトの仲間とされるのは、ホモ・サピエンス以外に20種近く。
    そのうちいま生き残っているのは、サピエンスただ1種だけ。
    「われら以外の人類」たちが世界から姿を消したこの数万年は、長いヒトの歴史から見るとむしろ例外的なのだ。
    「共存」を軸にたどるヒトの来た道。

    [ 目次 ]
    序章 ホビットの島
    第1章 最古のヒトを求めて
    第2章 揺籃の地アフリカ
    第3章 ヒトへの道を進む
    第4章 広がるヒトたち
    第5章 われらホモ・サピエンスの時代
    エピローグ 見えた!「共存」の秘密―のんびりゴリラとこだわりチンパンジー

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  • 2008/2/28 購入

  • 退屈な本だった

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著者プロフィール

科学ジャーナリスト

「2013年 『古都がはぐくむ現代数学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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