大政翼賛会に抗した40人―自民党源流の代議士たち (朝日選書)

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著者 : 楠精一郎
  • 朝日新聞社 (2006年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022599018

大政翼賛会に抗した40人―自民党源流の代議士たち (朝日選書)の感想・レビュー・書評

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  • 戦前の日本に勇気ある代議士たちが多く居た!。1936年・粛軍演説、1940年・反軍演説で有名な齋藤隆夫、その齋藤の衆議院除名に反対または棄権した代議士たちが、翼賛会に所属せずに作った会派・同交会。(1941年11月~42年5月)戦後の自民党で重きを成した人たちが、戦前以下に勇気ある行動をしていたのか、励まされます。その中には尾崎行雄、鳩山一郎、芦田均、大野伴睦、河野一郎、三木武吉のような良く知っている名前も多いし、片山哲のような社会党へ行った人も居ます。ヤクザの親分の印象が強かった大野伴睦がリベラルだったことを知ったのもかなり驚きではありましたが。クリスチャンであった田川大吉郎とは初めて知った名前でしたが、共感するところ大でした。そしてダラ幹と呼ばれたという、これまたクリスチャン鈴木文治。またあの北一輝の弟・北昤吉という代議士も初めて知りましたが、こんなリベラルな人が弟にいたのですね。

  • 太平洋戦争前に日本の政党がすべて解散されて一つの集団(大政翼賛会)になったということを歴史の授業で聞いたことがありましたが、その事実以外は何も知らなったのがこの本を読む前の私でした。

    この本では、安易に翼賛会に参加することを拒否した40名について書かれています、本の初めに一覧が載っていますが、翼賛選挙では殆どの人が落選してしまったようですが、その人たちが自民党の源流を作ったとのことです。

    最近では大阪市長の橋下氏が、大阪維新の会を立ち上げて国政に参加するようですが、現在の議員もそれに参加する人が少なからずいると報道されています。これが平成の大政翼賛会になってしまうのでしょうか、今後の政治についても関心を持っておきたいと思いました。

    以下は気になったポイントです。

    ・バスに乗り遅れるな、というスローガンのもとに昭和15.8までには全ての政党が、政党政治家たち自らの手で解消されて、新体制運動は、同年10月には大政翼賛会として結実した(p4)

    ・軍部の支持する翼賛体制に反対意思を明らかにした政治家たちは、世論からの厳しい批判と選挙での落選の不安にさらされて、時にはテロなど生命の危険さえも覚悟しなければならなかった(p6)

    ・政府は、昭和16年に公布された言論出版集会結社等臨時取締法で、翼政会以外認めない方針であったので、多くの政治同盟は解散に追い込まれた(p22)

    ・大正11年には、コミンテルンの日本支部として、日本共産党が非合法のうちに結成された、これに対して合法的な社会主義政党としては、昭和元年に労働農民党が組織されたが、やがて労働農民党・日本労農党・社会民衆党に分列した(p34)

    ・大正14年に普通選挙法が成立して、有権者は一挙に4倍になった、それにより選挙におカネがかかるようになった(p34)

    ・加藤内閣は、普通選挙法実現のいっぽうで治安維持法を成立させて、国体の変革や私有財産の否認を目的とする結社等を処罰することを決めた(p35)

    ・1946.1に発せられた公職追放令は、翼賛選挙(21回総選挙)における推薦議員は全て追放対象に該当することになった、敗戦直後に翼賛会推進派が中心となった日本進歩党は、現職274名中、260人が追放された。(p149)

    ・昭和22年の5月に、新憲法下における最初の首班指名選挙で、満場一致で社会党委員長の片山哲を首相に選出した、2年前まで国賊と同義の社会主義者が政権をとった(p160)

    ・片山内閣は、新憲法にもとづき内務省を解体、警察制度を民主化の方向で改革、労働法を設置、公務員は天皇の官吏から全体の奉仕者と位置付けた国家公務員法の制定、首相や3度大臣を務めたものに対する前官礼遇(在任中と同じ待遇)、閣下の敬称をやめる等、民主化を進めた(p163)

    ・同交会は昭和16年11月に結成された、その会員の37名のうち22名が戦後に国会議員として復帰、8名はそれまでに亡くなっているのでかなり多くの人間が国政復帰したことになる(p239)

    2012年9月16日作成

  • [ 内容 ]
    戦時下にあっても、議会政治を命がけで守ろうとした政治家たちがいた。
    尾崎行雄、鳩山一郎、芦田均、片山哲、大野伴睦…。
    それまであった政党を政治家みずからが解散し、翼賛会になだれ込んでいく状況の中で、院内交渉団体「同交会」を中心とした彼らは、厳しい世論の批判や落選の不安、さらにはテロによる生命の危機にすら晒されながら、大政翼賛会や軍部に立ち向かい、憲法に基づく議会政治を死守しようとした。
    彼らは戦後、混乱期の政治にも大きな足跡を残す。
    総理大臣と衆議院議長を3人ずつ輩出、鳩山が中心になって結成した日本自由党は自民党の前身でもある。
    今、当たり前のように受け入れている議院内閣制と政党政治は、彼らが築きあげたといえよう。
    昭和を見つめ直し、政治家とは何かを考える。

    [ 目次 ]
    序章 同交会の活動と思想
    第1章 「大正デモクラシー」の時代
    第2章 軍部の政治的台頭
    第3章 翼賛体制への抵抗
    第4章 占領政治の諸相
    第5章 鳩山内閣と保守合同
    終章 昭和二十六年の再会

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    [ 参考となる書評 ]

  • 2010年1月28日

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