メディア・ナショナリズムのゆくえ: 「日中摩擦」を検証する (朝日選書 807)
- 朝日新聞出版 (2006年10月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022599070
作品紹介・あらすじ
今やメディアの存在と影響を無視しては語れないナショナリズム。2005年春、中国各地で大規模なデモが発生。「愛国無罪」を叫ぶ学生や市民の姿、日本製品不買の呼びかけ、日本の大使館や領事館への投石などが、「反日」として様々なメディアを通じて伝えられた。社会が共有した「認識」は、従来のマスコミや、インターネットなどの新たなメディアを通じてさらに活性化。「歴史教科書」「釣魚島」「東シナ海ガス田開発」…。両国のナショナリズムは急速に高まった。「日中摩擦」を題材に、新旧のメディアがナショナリズムの生成・変容にどんな影響を与え、役割を演じたかを詳細かつダイナミックに分析する。これまで紹介されたことのない、中国内のネットで飛び交った言説の具体例も収録。
感想・レビュー・書評
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メディア論と社会学のドメインにある領域。
メディアのナショナリズムに対する影響というと、その実証が困難ではあるが、殊中国に関していうと、それが顕著に現れる。内政不満は近年ではインターネットに表出がするが、そもそも大衆の潜在意識がどう凝集し、体制と相対していくかの構成が面白い。この著書は言論統制の流れや、その組織体制に関して細かくはないものの、導入部が整理されている点が参考になった。 -
[ 内容 ]
今やメディアの存在と影響を無視しては語れないナショナリズム。
2005年春、中国各地で大規模なデモが発生。
「愛国無罪」を叫ぶ学生や市民の姿、日本製品不買の呼びかけ、日本の大使館や領事館への投石などが、「反日」として様々なメディアを通じて伝えられた。
社会が共有した「認識」は、従来のマスコミや、インターネットなどの新たなメディアを通じてさらに活性化。
「歴史教科書」「釣魚島」「東シナ海ガス田開発」…。
両国のナショナリズムは急速に高まった。
「日中摩擦」を題材に、新旧のメディアがナショナリズムの生成・変容にどんな影響を与え、役割を演じたかを詳細かつダイナミックに分析する。
これまで紹介されたことのない、中国内のネットで飛び交った言説の具体例も収録。
[ 目次 ]
第1章 メディア・ナショナリズムを考える
第2章 日本の新聞は「反日」デモをどう伝えたか
第3章 中国のインターネット言論と「反日」デモ
第4章 中国の報道統制
第5章 香港の「反日」デモ報道
第6章 中国における国民ナショナリズムの登場
第7章 米英メディアが見た日中摩擦
補章 日中摩擦と中国の民間ポータルサイト
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