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- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022599087
作品紹介・あらすじ
いま世界各地に広がり続ける深刻な内戦の戦場と難民たちの運命に想いをはせるとき、日本の戦国時代もまた、「内戦の時代」であったという厳しい史実を忘れてはなるまい。各地に残る史料と実地調査によってダイナミックに描いた、飢餓と戦争に苦悶する戦国の町と村の実像と、そんな世をしたたかに生きる人々の姿-。さらに内戦の時代に領主から村や町までが地元の山の上に築いた無数の山城はどうなったのか。「山城停止伝承」を発掘することによって、「戦争から平和へ」という大きな歴史の転換の過程を明らかにする。『雑兵たちの戦場』で思いがけない戦国像を展開した著者の『戦国の村を行く』『飢餓と戦争の戦国を行く』に続く「戦国を行く」シリーズ第3弾。
感想・レビュー・書評
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戦国時代というと戦国大名や国衆にのみ目が行きがちであるが、著者は「戦国時代における一般民衆」の生き様を一貫して追い続けている研究者である。本書でも戦国時代の一般人の想像を絶する生活を、古文書の記述を通じて描き出している。戦争に巻き込まれた民衆は、家屋を焼かれ、家財や作物を奪われ、自身は戦争奴隷として生け捕りに合うという弱者の側面と、村単位で武装して城を持ち、落ち武者の身ぐるみを剥ぐしたたかな強者の側面が両方描かれていて興味深い。豊臣秀吉が戦争奴隷の無効化(戦争で生け捕った民衆を無条件で住んでいた村に返すこと)を宣言していたことも初めて知った。天下人になってからの秀吉はあまり評判が良くないけど、秀吉の出自である一般民衆寄りの政策が意外と存在していることは、もっと広く知られて良いかもしれない。
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