戦争責任と追悼―歴史と向き合う〈1〉 (朝日選書)

  • 朝日新聞社
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022599100

作品紹介・あらすじ

東京裁判から60年を経た終戦記念日、首相が靖国に参拝した。いまや「歴史認識」は重大な政治の争点となり、外交のかたちとして表れる。歴史は過ぎ去った昔にすぎないのだろうか?過去に何があったか、なぜそうだったのかをまず知ること。日本に、アジアに、多様な見方や思いがあることを知ること。「歴史」をどうとらえるかは、いまを生きる私たちに突きつけられた最新のテーマとなってきた。本書は、朝日新聞連載企画「歴史と向き合う」から第1部〜第3部を収録。「東京裁判」「パル判事」「戦争責任」「靖国問題」をテーマに、国内外の識者へのインタビュー、歴史意識をめぐる世論調査結果、写真資料などを交えた渾身の取材の成果である。

感想・レビュー・書評

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  • 太平洋戦争に対して、日本に残る問題点を示した本。
    朝日新聞 2006年の「歴史と向き合う」という企画をまとめたものらしい。
    「はじめに」によれば、現代の日本人の歴史認識と国際的な比較、という視座を考えたとのこと。

    本書のテーマは三点。

    「東京裁判」
    「戦争責任」
     -パル判事( 東京裁判で無罪の意見を述べた人)
     -天皇
     -メディア
    「追悼 靖国神社」

    当時や現在の記録、関係者のインタビューなども交え、多角的な状況と視点が示されています。

    新聞記事が元になっていることもあるのか、短文でまとめられていてとても読みやすかった。
    それだけに表面的な理解に留まった感じではありますが、どんな問題があるのかを知るきっかけには最適かと。

    戦時の不完全な政治システムがいまだに尾を引いていることと、それを正面から検証できていないことが歯がゆい感じです。

  •  新聞掲載の「歴史と向き合う」シリーズの単行本化。新聞に載った文章らしく、必要な情報がコンパクトにまとまっていて読みやすい。欲を言えば、もうちょっと文量がほしい(もっと詳しく解説してほしい)とは思ったが、紙面に限りがある新聞記事をベースにしているから、しょうがないのだろう。

     「戦争責任」について、東京裁判の意味やパル意見書の真意、メディアの責任(特に朝日新聞社)などを公平に解説している、という印象。よく議論になる「靖国」や「首相参拝」に関することで知識を頭に入れるためには、必須と言っていい本だと思う。

     心に残ったのは、「メディアの戦争責任」の章だ。朝日新聞をはじめとするメディアが、いかに国民の戦意をあおり、戦線拡大を後押ししたか、ということがかなり詳細に書かれている。

     そしてその理由として①「軍官による報道統制や、そのベースともなる用紙統制」②「青年将校や右翼による暴力テロの脅し」③「新聞経営者や記者一人ひとりの勇気の欠如、保身」④「新聞人の不勉強と世界観の狭さ」⑤「新聞人のなかに積極的な戦争推進論者もいたこと」⑥「新聞が資本主義的な商品であり利潤追求動機が優先しがちなこと」が挙げられている(166p)。そうした上で、これを書いた記者は、現状と比べた上で次のように言う。①②はほぼないが、⑥は変わっていない。そして③~⑤は「新聞経営者や記者ら自身の意識や努力次第で変わり得る事柄だ」(167p)。

     つまり、新聞が資本主義的な商品である以上、③~⑤の条件が満たされ、「勇気が欠如し、不勉強で世界観が狭く保身に走りがちで戦争推進論者の新聞人」がいれば、あのときの条件がほぼ揃うわけである。産経新聞のように、もうそうなっちゃってる新聞もあるくらいだし、朝日新聞が再びそうならない保障は、実はどこにもないのだ。

     記事の盗作だの飲酒運転だの、という朝日新聞の最近の不祥事報道を見るたびに、「この会社、本当に大丈夫か?」と思う。ちょっとしたきっかけで、この会社が昔のようなゴリゴリの好戦新聞に右旋回する恐れを、なしとしない。

     そうなれば、この国は終わりだ。

  • [ 内容 ]
    東京裁判から60年を経た終戦記念日、首相が靖国に参拝した。
    いまや「歴史認識」は重大な政治の争点となり、外交のかたちとして表れる。
    歴史は過ぎ去った昔にすぎないのだろうか?
    過去に何があったか、なぜそうだったのかをまず知ること。
    日本に、アジアに、多様な見方や思いがあることを知ること。
    「歴史」をどうとらえるかは、いまを生きる私たちに突きつけられた最新のテーマとなってきた。
    本書は、朝日新聞連載企画「歴史と向き合う」から第1部~第3部を収録。
    「東京裁判」「パル判事」「戦争責任」「靖国問題」をテーマに、国内外の識者へのインタビュー、歴史意識をめぐる世論調査結果、写真資料などを交えた渾身の取材の成果である。

    [ 目次 ]
    第1部 東京裁判(ナショナリズムに揺れる政治;東京裁判を読み解く ほか)
    インタビュー 海外からみる目(リチャード・マイニア氏に聞く―東京裁判とはなんだったのですか;ケント・カルダー氏に聞く―「靖国」を米国はどうみますか ほか)
    第2部 戦争責任(「無罪」を言い渡したパル判事;天皇をめぐる論争 ほか)
    第3部 追悼のかたち(靖国神社と政治;新たな担い手を求めて ほか)

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