スターリン、ヒトラーと日ソ独伊連合構想 (朝日選書 816)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022599162

作品紹介・あらすじ

第二次世界大戦のさなか、スターリン、ヒトラーを惹きつけてやまなかった、一つの構想があった-。ユーラシア大陸を束ねるこの壮大な四国連合構想とはなんだったのか。なぜ潰えてしまったのか。そしてそのとき、日本は…。1939年からの2年間は、20世紀の転換点ともいえる激動の時期である。ソ連への不信をつのらせ逡巡するヒトラー、外相モロトフに詳細な指令を与えるスターリン、翻弄される日本の政治家たち。思惑が絡み合い息詰まるような独ソの攻防と決裂の瞬間を、本邦初の史料を駆使して描く。豊富な資料に綿密な分析を加え、アジアの中のロシア、リーダーのいない日本、現代に通じる隠された世界外交の真実をダイナミックに浮かび上がらせる。

感想・レビュー・書評

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  • 太平洋戦争開始前、アングロサクソン連合に対峙するため、日独伊に加え、ソビエト連邦との同盟を模索した時期があった。これは、ヒトラーの対ソ戦決意により崩壊したが、その過程を、ソビエト未公開資料とあわせ検証するもの。対英仏戦前の独ソ接近にも兆候はあり、さらには、ドイツの対ソ戦開始にも兆候があったことが本書から読み取れるが、これを見落とした関係者(特に後者は松岡外相当時)の責任は重大。このプロセスが丁寧に論じられる。ドイツに振り回された日本の外交・情報収集の失敗を知るのに有益な一書である。購入の方向で。

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著者プロフィール

明治大学名誉教授。
京都大学文学部卒業、京都大学大学院博士課程修了、文学博士、国立国会図書館調査局、神奈川大学を経て、明治大学教授、ウィーン、ハイデルベルク、ロンドンに留学、ベルリン自由大学客員教授、国際歴史学会本部事務局(ローザンヌ・パリ)理事を歴任。
業績:『日独伊三国同盟の研究』南窓社、1975年(単著)、『ヒトラーと第二次世界大戦』清水書院、1984年(単著)、『日独政治外交史研究』河出書房新社、1996年(単著)、『政軍関係研究』芦書房、2001年(単著)、『ユーラシア外交史研究』河出書房新社、2000年(単著)、『昭和史の軍部と政治』第一法規、1983年、全五巻(共編著)、『概説ドイツ史(新版)』有斐閣、1992年(共編著)、Die Idee eines eurasischen Blocks Tokio-Moskau-Berlin-Rom 1939-1941, in: Internationale Dilemmata und europäische Visionen (Berlin:LIT, 2010)(論文)、チブラ『世界経済と世界政治──再建と崩壊 一九二二~一九三一年』みすず書房、1989年(翻訳)、ベルクハーン『軍国主義と政軍関係──国際的論争の歴史』南窓社、1991年(翻訳)ほか。

「2011年 『ドイツ史と戦争 「軍事史」と「戦争史」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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