戦争の映画史 恐怖と快楽のフィルム学 (朝日選書 841)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022599414

作品紹介・あらすじ

第一次世界大戦以来、映画は実際の戦争から多くのことを「学んだ」。空爆をおこなう爆撃機からの撮影、従軍カメラマンによる戦場撮影はその典型だ。そして、国家の側も撮影技術を軍事技術に転用し、プロパガンダ=宣伝戦の「武器」として映画を大いに利用してきた。PART1では、このような映画と戦争の「共犯関係」を歴史的に読み解いていく。一方で我々は、誰しも戦争を憎悪しながら、「戦争映画」を見ることの快楽も知ってしまった。PART2では、スティーブン・スピルバーグの『宇宙戦争』をはじめ、数々の「戦争映画」を詳細に分析し、その"面白さ"を再発見していく。映画論と戦争論を大胆にクロスさせたスリリングな試み。

感想・レビュー・書評

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  • 戦争と映画の「共犯関係」、それは戦争プロパガンダ映画といった分かりやすい形だけに限られない。
    たとえば空撮技術の高度化は、映画の発展に貢献する一方、兵器の高度化(ミサイル・空爆技術や偵察・監視技術の飛躍的向上)という形で大量に人を殺すことをより容易にしている。
    また、人は戦争を忌み嫌う一方で、戦争映画に熱狂する。
    そのジレンマをどう考えればよいのか。

    数々の「戦争映画」を俎上に載せることにより、様々な切り口から戦争論と映画論が交錯されていきます。

    個人的には、憎悪すべき戦争も、人間という業の深い生き物の真理を反映したものであり、そうした真理を暴くのが映画の一つの役割だと考えれば、人が戦争に憎悪する一方で戦争映画に熱狂することにもさほど矛盾は感じないのですが、この本で論じられるような「共犯関係」を意識した上で熱狂することは必要なことであるようには思います。

    スピルバーグの「宇宙戦争」のように一般的には「戦争映画」にカテゴライズされにくい映画も含めて、広義の「戦争映画」が数多く紹介されていきます。
    残念ながら未見のものが大半。
    観るべき戦争映画をリストアップする意味でも有用な一冊かとは思います。

  • 思想家や映画評論家の論説を援用して語って
    何が言いたいのか分からない。

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