もうひとつの日露戦争 新発見・バルチック艦隊提督の手紙から (朝日選書)

制作 : 鈴木 康雄 
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 27
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022599513

作品紹介・あらすじ

1904年に火ぶたを切った日露戦争。日本海海戦、ロシアでは「ツシマ海戦」と呼ばれる戦いで、通称「バルチック艦隊」は撃沈した。開戦から100年後、艦隊を率いた司令長官ロジェストヴェンスキーが、妻と娘に宛てたプライベートな手紙が発見された。200日を超える大艦隊の航海中、故障や熱帯の地での長期足止め、燃料補給の困難など様々なトラブルに見舞われ、乗組員たちの士気が著しく低下。革命迫る本国との通信が途絶える中、辛抱強く艦隊を支え続けた姿からは、これまで必ずしも芳しい評価をされてこなかったロジェストヴェンスキーの苦悩や諦め、責任あるリーダーとしての一面も見えてくる。そのほか、情報将校の秘密文書など、ロシア側の新史料を豊富に用いて描き出す、新たな日露戦争像。

感想・レビュー・書評

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  • 「坂の上の雲」陰の主役、ロジェストヴェンスキー提督の手紙、公開。妻に宛てた30通に綴られる苦悩と重責。日本海海戦前夜、200日を超える航海中に大艦隊では何が起こっていたのか。(2008年刊)
    ・Ⅰ 日露戦争への道
    ・Ⅱ バルチック艦隊の悲劇
    ・Ⅲ 日露戦争後からロシア革命まで

    これまで、ロジェストヴェンスキー提督は、芳しい評価をされてこなかったが、本書を読むと、その苦悩や諦め、責任あるリーダーとしての一面が見えてくる。
    バルチック艦隊の指揮官とはいえ、現場の監督に過ぎず、自分の思うに任せない苦悩が現れている。艦隊の編成や航海中の行動は、本国の指示を受けねばならず、非効率的な指示に翻弄される様子がうかがえる。
    また、バルチック艦隊は、本式の艦隊ではなく、遠洋航海の設備が整っていない寄せ集めの艦艇の集団で、めぼしい有能なものたちは、旅順艦隊が連れて行ってしまったと提督を嘆かせるような体たらくであったことがわかる。(艦の故障や石炭の補給は、常に提督を悩ませることになる)
    そのような艦隊を、極東まで回航したことは、歴史に残る偉業と呼ぶにふさわしいが、日本海海戦で完敗したところから、結果的に、提督の評価を貶めることとなってしまったと言える。(皇帝の責任を問えない分、提督が泥をかぶることとなった)
    日露戦争を理解する上でも興味深い内容であり、オススメである。

  • 日露戦争にてバルチック艦隊を率いた
    司令長官ロジェストヴェンスキーの
    航海中に家族に宛てた手紙の解説を中心とした一書。
    構成としては前半に日露戦争へ至る経緯を概説し、
    後半にロジェストヴェンスキーの手紙をバルチック艦隊の航路、
    その他ロシアや中国で発生していた事象を含めて解説する。

    構成としては以前読んだ「日露戦争に投資した男」ジェイコブ・シフの
    日記に似たものになっているが、
    後半の解説が丁寧でかなり充実しており、より楽しめる印象を受けた。
    歴史に埋没しがちな一つ一つの出来事も、
    現代と同じように人が考え行動した結果なのだと
    改めて感じさせる良書。

  • (欲しい!) 日露戦争

  • [ 内容 ]
    1904年に火ぶたを切った日露戦争。
    日本海海戦、ロシアでは「ツシマ海戦」と呼ばれる戦いで、通称「バルチック艦隊」は撃沈した。
    開戦から100年後、艦隊を率いた司令長官ロジェストヴェンスキーが、妻と娘に宛てたプライベートな手紙が発見された。
    200日を超える大艦隊の航海中、故障や熱帯の地での長期足止め、燃料補給の困難など様々なトラブルに見舞われ、乗組員たちの士気が著しく低下。
    革命迫る本国との通信が途絶える中、辛抱強く艦隊を支え続けた姿からは、これまで必ずしも芳しい評価をされてこなかったロジェストヴェンスキーの苦悩や諦め、責任あるリーダーとしての一面も見えてくる。
    そのほか、情報将校の秘密文書など、ロシア側の新史料を豊富に用いて描き出す、新たな日露戦争像。

    [ 目次 ]
    1 日露戦争への道(大津事件の影響;列強進出の中での日ロ外交;ロシア極東政策の誤り)
    2 バルチック艦隊の悲劇(「アジア制覇」という野心;ロジェストヴェンスキー提督の私信;講和への道のり)
    3 日露戦争後からロシア革命まで(新たな地政学的領域)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 「日露戦争」についての知識というのは、考えてみたら日本史の授業で軽く知っている程度。
    これはいかんだろうと、本書に手を出してみました。

    以前読んだ『ニコライ遭難』という時代小説に描かれていたものと同様の見方をした大津事件が紹介されていて、なるほど、と。
    この2冊で、随分とこの近辺の日露関係のイメージが変わりました。

    よく歴史に「もし」はないといいますが、それでもかの帝国が存続していたら、2国間の関係がまた違ったものになっていたのだろうか?と考えずに入れません。

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