クラゲの光に魅せられて ノーベル化学賞の原点 (朝日選書 855)
- 朝日新聞出版 (2009年6月10日発売)
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感想 : 8件
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- Amazon.co.jp ・本 (166ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022599551
感想・レビュー・書評
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ノーベル化学賞を受賞した下村脩氏の実績を称賛する書籍である。ノーベル賞自体が素晴らしいのは言うまでもないが、その研究の実態を伺うことができるのが本書のいいところだ。
発光する生物の仕組みを追究するために徹底的に実験にこだわり、何度失敗してもくじけない態度は見習うべきだ。奥さんの献身的な協力や研究者仲間に恵まれたことも成功の鍵となっているが、それもご本人の人柄のなせるわざと察した。
研究のはじめが長崎の被爆を傍観したことにあったということも印象的だ。ノーベル賞受賞式でもこの間接的被爆体験を述べられたという。戦争で死ななかった分、研究に没頭したというのは戦後の人間の典型的な心性だったのではないだろうか。
博士のように打ち込めるものが無いまま馬齢を重ねた己を恥じるとともに、好きを追究し続ければ何かが得られるかもしれないという希望を与えてくれる内容であった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
とにかく読みやすく取っつきやすい本、下村先生の人柄が偲ばれる。科学的な表現は少ないので、エッセイのように読みすすめるのがお薦めかもしれない。