日本人の死生観を読む 明治武士道から「おくりびと」へ (朝日選書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 99
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022599858

作品紹介・あらすじ

幅広く活躍する宗教学者が、柳田国男・折口信夫、吉田満、宮沢賢治などの作品をもとに、日本人の死の受容の変遷を読み解く。

感想・レビュー・書評

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  • 『本書の「日本人の死生観を読む」の意味はもっとすなおなもので、「死生観」を表現した日本人の書物やテクストを読むというものだ。』(p236) 死生観の入門書だと思う。死生観の概要ないしは日本人の思想、仏教、哲学、文学など、様々な観点から、死生学を紹介している。あーしかしこういう本難しーわw

  • 神道や仏教を始めとした日本人の中にある様々な宗教観に基づく死生観や、キリスト教や西洋哲学に軸足を置いたそれなど、様々な切り口で日本的死生観が語られ興味深い。けれど「近代日本絞った」とは言うものの、僕にはそれでも散漫な感じがした。
    多くを語っているが断片の集まりという感が否めず、著者が何を一番伝えたかったのかが掴みきれなかった。
    そんな一冊だったけれど、読んでみて心に浮かんだことは「日本人にとって死生観とは生き様に於いて使う言葉ではなく、死に様に於いて語られるべき言葉である」ということだ。
    「いかに生きるか」が西洋哲学に源流を持つ死生観だとしたら、「いかに死ぬか」が日本人の死生観なのではないだろうか。

  • 創造力なき日本 からのリファレンス。タイトルのとおり、日本人が死というものをどのように定義しようとしてきたかが学べる一冊。

    武士道のように、明治期において定義されたイデオロギーとしての死、志賀直哉の世界観を通じて見る哲学としての死、そして日本に古来より土着する、ご先祖さまの世界へと繋がる死。

    死は門のようなものだとは、映画おくりびとの中のセリフだそうですが、その向こうが見えない、あるいは、それを通じてこそ本当の生が映し出されるという意味で、死は神殿に祀られる鏡のようなものではないかと考えさせられました。

  •  宗教学者の島薗進が様々な文学作品などを通して日本人の死生観を語る。

     「おくりびと」から明治文学や柳田国男までその話題の多さに圧倒され、日本人の死生観を単純にくくれないことが実感できる。この本から多くの日本人の死についての読みたい本が見つかった。
     特に印象に残ったのはいわゆる天国の思想が定着する前に、日本でも死んだら魂は山に行くという死後の世界が身近にあるという思想があったことだ。これはインディアンやアボリジニの考え方に近い。

     日本人の死生観を探るとっかかかりになる一冊。

  • 膨大な文献の引用を的確にまとめ、淡々と論が展開されいて濃密である為、非常に読みごたえがあります。

  • 感想未記入

  • 宗教学界隈では最近「死生学」なるものが流行っており、授業の課題にも取り上げられたので手にとってみた次第。流行っているのには、やはり高齢化が強く関係しているのだろう。先の大震災関連のこともそれに拍車をかけたと思われる。

    さて、普段あまり「死」を意識しない自分にとってはこのように「死」を考えてみるというのはなかなかどうして不思議な体験だった。とくに感傷的になったのは最終章あたりの死についての詩や戦争に赴く者の手記に関するところで、自分は死ぬ前には何を思うのだろうか?

    「死」を意識せよ、とハイデガーが言っていたことを思い出す。死生観を考えることはそのまま、生きるという意味を考えることになり、それはうまくいけば生命を研ぎ澄ませることになる。エポケーしまくって据え置いていくのも一つの手だけども、自分の最後の着地点のことぐらいはちゃんと考えて生きることにしようと思う。

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