人類大移動 アフリカからイースター島へ (朝日選書)

制作 : 印東 道子 
  • 朝日新聞出版 (2012年2月10日発売)
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  • レビュー :9
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022599865

作品紹介・あらすじ

類人猿からわかれ、700万年前に二足歩行を開始した人類。故郷アフリカを出る旅により進化を重ね、20万年前に誕生したわれわれ現代人の祖先、ホモ・サピエンス(新人)が地球全体に広がった。熱帯雨林を出て陸伝いに氷期のユーラシア大陸、アメリカ大陸、海路でオセアニア、イースター島へと、未知なる環境へ積極的に乗り出した。なぜ移動は可能だったのか?どんな能力を身につけたのか?ネアンデルタール人とクロマニョン人、縄文人と弥生人…異なる集団との出会いは?最新の研究成果でよみがえる大移動のあしあと。

人類大移動 アフリカからイースター島へ (朝日選書)の感想・レビュー・書評

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  •  現在地球上に暮らす全ての人類の祖先は、アフリカで誕生し、700万年かけてオセアニアや南米、イースター島にまで移動した。
     遺跡を発掘し、石器や土器、頭骨や歯の特徴の分類、さらに言語の系譜や、家畜を含めたDNAからも移動した集団や経路が推定できるらしい。
     しかもその移動は一定の速度ではなく、500万年かけて森から草原へ、さらに約200万年かけてアフリカを出てヨーロッパ、アジアの各地に広がり、”ほんの” 最近20万年ほどで、極寒の地や絶海の孤島まで広がったとのこと。
     考古学、言語学、DNA、食生態など10人以上の専門家が、豊富な写真、挿し絵やグラフを交えてこの動きを解き明かす。その雄大なスケール、詳細な考察にただ圧倒されるのである。

  • 素晴らしい。
    アフリカで誕生した人類(ホモ・サピエンス)が、世界中に生活圏広げる過程の謎について、様々なアプローチから解明に挑んでいることを紹介した本。
    しかも、それぞれのアプローチが、いずれも興味深い。

    文系理系の枠を超えた、という意味でも素晴らしい本です。

  • 著者は民博教授。学術的な正確性を期すためと思われるが両論併記が多くやや読みにくい。結果を分かりやすく示すことよりもプロセスや手法の解説に重きを置いている。統計の知識を要するが、最先端の科学者が用いている手法について具体的に知れたのは面白かった。

  • 現在地球上で暮らす私たち人類のすべての祖先は20万年前にアフリカで生きていた新人(ホモ・サピエンス)の女性(ミトコンドリア・イヴ)へとたどれることが近年の遺伝子学の研究で明らかになったようですが、さて故郷アフリカから私たちの祖先はなぜ移動を続け世界各地へ広がっていったのか・・最新の研究成果がこの本ではわかりやすくかかれています。
    「銃・病原菌・鉄」を読んで以来、古代史や考古学・文化人類学などの面白さに目覚めてしまったので、この本もわくわくして読みました。
    ある人類学者は人類を「動くヒト」=ホモ・モビリタスと名付けたといいますが、猿人誕生の700万年から森を出て原人、旧人、新人へと人類は姿を変えて、生きる世界を広げて文字通り歩んでいきます。20万年前に存在しその後絶滅したとされる旧ネアンデルタール人と新人のクロマニヨン人の使った道具箱の比較が図示されています。両者の間に起こった交替劇は中でも非常に興味深く読みました。アウト・オブ・アフリカを果たして、飛躍的に頭蓋骨の形態が変化した新人の脳のはたらきには何があったのか?両者の明暗を分けたものは何だったのか?真相を研究中とのことでしたが興味は尽きないテーマです。その他、日本列島に住んでいる人々のDNA解析から東南アジアや英国人との遺伝的な近縁関係などの解説があり、日本人はどこからやって来たのかを探るのもまた興味が引かれる内容でした。それにしても、気の遠くなるような遥か昔のことなのに、知りたくなるのはなぜなんでしょうか。

  • ミトコンドリアや歯型など様々な面から出アフリカ後の人類移動について論じている
    最近の研究成果のネアンデルタールとの混血についても触れられている
    各論ごとの内容や論拠は、一般向けの性格上とページ数の問題で弱め

  •  本書は、「考古学・古地理学・古生物学・古環境学・人類学・遺伝学」の研究者12人による人類移動のシナリオの研究書であるが、最新の知見に「ここまで分かってきたのか」と興奮する思いを持った。
     「猿人から原人・旧人へ」、そして「新人(ホモ・サピエンス)」への進化の過程には、人類の黎明期が誰の目にもわかる段階へ到達してきていると思えたし、「DNAモデル」による結果の「すべての現代人の祖先は20万年ほど前にいた一つの集団にたどりつく」との結論には、人類みな兄弟との思いを新たにもった。
    人類の「アメリカ大陸への拡散」の知見も興味深かった。シベリアから歩いて現在の北米大陸に渡るには、1万2千年前当時、巨大氷河をどう越えていくかという謎を解かなければ解明できないのだが、本書の「無氷回廊南下モデルの検証」の精密な考察は、謎解きの面白さも感じた。
     また「20万年前に登場した新人」が、なぜ「5万年前になってから大きく分布域を広げた」のかの「移動の決め手は、環境、技術、社会」との結論は、とてもわかりやすい。
     「人はどのようにしてアフリカ大陸を出たのか?」の「サル」の進化の考察は特に興味深い思いを持った。
     「食物と繁殖力」や「道具を使って生き延びるサル」そして「類人猿の社会」などの考察は、サルもヒトも同じ社会を持つサルであり、ヒトの社会はサルの社会から進化してきたものとの思いをもった。
     本書は、ヒトが決して神に選ばれた特別な生き物ではないことをはっきりと教えてくれるように思えた。本書は、現在の人類学の到達点を誰にも教えてくれる良書であると思う。

  • 人類が派生してからの移動史。

    移動史自体も面白いけれど、二点特記。

    精神面が変化して、宗教などが出てきたの、新石器時代になって、農業や牧畜を始めてから。

    類人猿は、サルとは異なり、非母系的…思春期になったら、メスが嫁ぎに出て行く…ため、オスはメスに逃げられないようにする。また、オス同士も味方を作って、協力する。
    ➡オスは自分の社会的地位向上を狙って、食糧を分け与える。サルは決して分け与えない。強い物が食べる。

  •  タイトルの通り、アフリカで発生した新人類がどのようにして南米までたどり着いたのかを記した本。

     先日「なぜ人類は地球を歩いたか」という公開セミナーに参加してきたのだけれど、そこでお話されていたことがきちんとまとまって読めるので嬉しい。
     けれど、やはり生でお話しを聞く方が、先生方の情熱も聞けて楽しい、と思いました。

     そうして、昔「楽園/鈴木光司」という本を読んで人類の移動に興味を持ち、「エイラ─地上の旅人シリーズ」なども旧人類と新人類の入れ替わりがテーマである。フィクションの世界からリアルの研究に興味を持てるんだから、どれだけこのテーマが魅力的か分かろうというものです。
     関係ないですが、エイラ完結したそうですが翻訳中なのかな。

  • 1章 ホモ・モビリタス700万年の歩み2章 アジアへの人類移動
    3章 最初のアメリカ人の探究
    4章 海を越えてオセアニアへ
    5章 DNAに刻まれたヒトの大移動史
    6章 新人に見る移動と現代的行動
    7章 移動と出会い
    8章 ヒトはどのようにしてアフリカ大陸を出たのか?

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