21世紀の中国 政治・社会篇: 共産党独裁を揺るがす格差と矛盾の構造 (朝日選書 895)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022599957

作品紹介・あらすじ

本書は中国の政治体制のメカニズムを明らかにするとともに、党内の政策対立や権力闘争、腐敗、党を揺るがすネット世論や市民デモ、社会の多元化、群体性事件、民族問題など、中国が抱える諸問題に鋭く切り込む。

感想・レビュー・書評

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  • 平易ながら基本的な良書。総花的かもしれないが、個別事項を掘り下げたければ専門の文献を読めばいい。党・国家・軍の三位一体体制が安定のメカニズムとしつつも、それに変化を与え得る多くの要素を網羅している。党軍関係、エリート内の路線対立(国家資本主義か市場化か)、民族問題、貧富の格差、都市報やネット民、農民問題や集団デモ、腐敗。「中国は○○だ」などと一言で言うことはできない。また本書の中で一般にあまり報じられない内容として、共産党内での政治改革の議論や試み、「上からの改革」の可能性がある。自分も本書同様慎重に考えているし、あくまで共産党体制が前提だろうが、少なくとも指導者層自体が問題意識を持っていることの証左ではあろう。

  • 90年代半ば以降、インターネットの普及によって民衆が自らの意見を表明することが可能になった現在は情報の流れも上から下へ、だけではなく、したから上へというものも出現したわけで、一方通行から双方向の示談へと変貌したといえる。革命的な変化である。
    当局のネット規制もますます強くなってきている。

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著者プロフィール

1940年、東京都生まれ。早稲田大学名誉教授、第21回福岡アジア文化賞学術研究賞受賞者
東京都立大学人文科学研究科修士号(歴史学)。主な著書:『現代中国 内政と外交』(2021)『現代中国外交』(2018)『中国政治―習近平時代を読み解く』(2016)『現代中国政治―グローバル・パワーの肖像』(2012)『日中関係―戦後から新時代へ』(2006)『現代中国の構造変動(1) 大国中国への視座』(編著、2000)他。

「2021年 『中国はどこへ向かうのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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