電力の社会史 何が東京電力を生んだのか (朝日選書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022599988

作品紹介・あらすじ

福島原発事故を起こし実質、国有化された東京電力。戦後60年、9つの電力会社は社会的、産業的に日本の支配者といえる存在だった。1990年代と2000年代、電力業界は「電力の自由化」と「核燃料サイクルの見直し」を迫られたが、2度とも押し切り、変わらなかった。2011年3月の福島原発事故を機に60年間封印されてきた日本の電力制度が変わる兆しが見え、「原発ゼロ」の議論も起きた。しかし12年12月の総選挙で自民党が政権の座に戻ると急速に原発再稼働へと舵を切る気配だ。本書は、70年代石油危機後の電力業界と政治家・官僚・メディアの闘いを電力制度や原子力制度の変遷とともに描き、日本独特のエネルギー政策のあり方と今後の課題を欧米との比較を交えて分析する。

感想・レビュー・書評

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  • 著者:竹内 敬二

    【版元】
    ISBN:9784022599988
    定価:1728円(税込)
    発売日:2013年2月8日
    四六変判並製 352ページ 選書898

    福島原発事故を引き起こし、莫大な損害補償を負い、実質「国有化」された東京電力。戦後60年間、9つの巨大電力会社は地域の経済団体の会長を務めるなど社会的、産業的に日本の支配者といえる存在だった。1990年代と2000年代にわたり、国は「電力の自由化」と「核燃料サイクルの見直し」を電力業界に求めてきたものの、2度とも失敗に終わった。しかし今回の原発事故を契機に、60年間封印されてきた日本の電力制度が変わろうとしている。本書は、70年代オイルショック後の電力業界と政治家・官僚・メディアの闘いを電力制度や原子力制度の変遷とともに描く。日本独特のエネルギー政策のあり方と今後の課題を、欧米の電力業界――自由化された制度、脱原発、自然エネルギー ――との比較を交えて分析する。
    https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=14646


    【簡易目次】
    第1章 福島原発事故――戦後電力政策の敗北 
    第2章 電力9社体制の確立 
    第3章 特殊な日本の原子力推進体制 
    第4章 原子力政策の焦点、核燃料サイクル 
    第5章 海外の電力自由化と自然エネルギー 
    第6章 地球温暖化への対応と自然エネルギー政策 
    第7章 発送電分離が焦点――日本の電力自由化論争 
    第8章 東京電力の問題 
    第9章 原子力政策と電力制度を考える 
    補章 チェルノブイリ事故の日本への教訓 

  • 電力会社が強大な権力を有する事によって生じた「規制の虜」という事態。電力会社に対して批判的スタンスに書かれた本書であるが、おそらく電力会社社員は誰1人として反論できまい。(おそらく感情的な反発はできるだろうが、安寧の上に自己努力を怠り経営上の障害を政治力で排除してきたのが今までの電力会社であった)
    だが、原子力発電の事故が起こり今まで自明とされてきた原子力発電の安全性、低コスト、低負荷環境性全てに疑問符がつけられている。
    もはや原子力発電は民間企業が負うべきものではなく、国策として考えるものである。

    政権交代後批判のトーンが鈍っているが、福島第一原発事故は「基本公共財の毀損」という重大な事故である。しかも回復がこんなものである。そこをよく考えなければならない。

  • イタリア・デンマークで原発ゼロが可能なのは、送電線が発達している欧州ならでは?

  • 震災から3年を前におさらい。

  • 竹内敬二『電力の社会史 何が東京電力を生んだのか』朝日新聞出版、読了。近現代日本の電力史を踏まえ、オイルショック意向の電力業界と制度の変遷をスケッチする一冊。正反横に置いても、欧米業界との対比から浮き上がる日本の歪さがよく分かる。「60年間も変わらないことによる問題が蓄積」。

    竹内敬二『電力の社会史』。11年3月の「計画停電という無計画停電」の挿話が興味深い。藤本副社長「(停電の)広報はやらない」、本社「えーと、何もなしない?」、藤本「やらない、やると却って混乱するからやらない」、本社「需要が落ち込んだから結局やらずにすんだ、という形にするしかない」 v

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