氷点 上 (朝日文芸文庫)

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  • 朝日新聞出版 (1978年1月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784022601513

みんなの感想まとめ

人の内面を深く掘り下げる物語が展開され、登場人物たちの複雑な感情や人間関係が描かれています。特に「汝の敵を愛せ」というテーマが問いかけられ、復讐や許しについて考えさせられる場面が印象的です。昭和21年...

感想・レビュー・書評

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  • もし、自分の子だとしたら、もし自分だったら……というように、いちいち換算しないと、物事を判断することができないのね。人間って物差しがいくつもあるのね。

    このフレーズが妙に刺さる。
    氷点は記憶を消してまた読みたい作品の1つで、特に上下巻は秀逸だと思う。

  • どこまで人の内面を描き尽くすのか。
    やられた仕打ちに対して、そのことには触れずにやり返す。またやられた側も、やり返す。
    「汝の敵を愛せ」とは、本当に可能なのか。

  • 時代背景は昭和21年と言う正に終戦直後。それにしては戦争の影響が感じられない、戦争など無かったかのような物語。
    「もっと生き残った者たちで助け合って生きていたのではないか? 」「夫婦であれば尚更なのではないか?」と勝手に想像してたので当初はそこに違和感を感じていた。よって時代背景はほぼ関係ない現代でもあり得る話で今後の展開が大変に興味深い。

    啓造がちょっと情けないんじゃ無いのかな?と言うのが上巻を読んだ率直な感想。

  • 陽子は、「今までどんなにつらい目に遭っても自分は正しいという思いで胸を張って生きていけた。なぜならつらいことは自分の外のことだから。しかし自分の心にも氷点があった。この罪ある自分である事実に耐えて生きていくことこそ本当の生き方が分かるのだという気もします。」と遺書でいっている。この言葉に多くの学びと反省を感じる。
    素晴らしい本だと思う。

  • テーマは一応人間の「原罪」について。

    陽子に課せられた「殺人犯の娘」という、『本人自身には何の関わりも無い「罪」』を描き出すことによって、キリスト教の「原罪」のイメージを読者に感じさせようとしたのだろう、とは思う。

    しかし私がどうしても「原罪」のイメージが浮かばない原因には『自分に原因が無いのに課せられる』ということ以外に、創世記のアダムとエバが実在したこと自体が信じられないという点もある。(無理かも知れないとは思うが)その点を納得させられるように描かれてはいないため、読んでもやはり原罪のイメージは沸かなかった。

    また彼女のデビュー作のため、この作品ではまだ表現力の点で若干稚拙な部分も散見される。

  • 2/4読了
    半分あたりまでは読み進めるのに時間がかかったが、後半は展開も早く読みやすかった。
    終始夏枝の行動が理解できず腹立たしい気持ちだった。徹の気持ちを思うと胸が痛くなった。陽子も薄々気づいているのではないだろうか、、(作中にはそのような描写はなかったが)

  • うおおっおもろっっ

    続まで読んだ方がいいのかなー長いなー

  • デビュー作とは思えない完成度と内容の濃さ

    「原罪」というテーマは重くても、
    テンポ良く滑らかに展開するストーリーは読みやすいので、面白く読めて意味も感じるような、エンターテイメント性と問題提起のバランスが絶妙だと思います。

    ちなみに所有するなら表紙の島田謹介さんの写真が美しい、朝日文庫がおすすめ。

  • 2022.1.22

  • 人とは身勝手な生き物だなぁ。一瞬一瞬で変わる心の動きが見事。頭の方は号泣、とても読みやすかった。

  • 狐と狸の化かし合い。
    最初に読んだ時の素直な印象です。
    自然豊かな旭川の風景が目に浮かぶようでした。
    表紙も素敵。

  • 人生の成り行きに唖然とする思い。
    罪深いとはどういう事か考える。

  • 何回読んだかわからないくらい、大好きな本です。人間の「黒い部分」を余すところなく描き出し、赦しという難しくも尊い結末に導く。三浦綾子さんの作品は、いつも心に大きな波が押し寄せるような感動があります。北海道の美しい自然の描写も秀逸です。

  • 一昔前の日本の家庭。生きることに真面目。それぞれが疑い、欺き続ける連鎖。
    前半は親世代スポット。

  • 陽子の健気さと強さに衝撃を受けました。
    自分を持っている、というのは強いなぁ、と。

  • 旭川、会津若松などを舞台とした作品です。

  • 何度もドラマ化されだいたいのあらすじは知っていたものの読んでみたことはなかった。
    時代背景が古く私の世代では夫婦の会話、関係があまりに違いすぎる。
    それを差し引いてもいまだに読まれている作品だと言うことは理解できた。

  • 朝日新聞社「氷点 上・下」「続 氷点 上・下」

    一人暮らしを始めた20歳の頃読みました。
    読む前に知っていたことは、新聞社の懸賞企画で応募された作品だったこと・作者はキリスト教信者・ドラマが内藤洋子(といっても随分前でどんな人か知らないが)主演でヒットしたこと。

    キリスト教は「布教」が究極の目的と聞いたことがあったので、かなり構えて読んだ気がします。楽しむというより、何が言いたいのかを知るつもりで。
    複雑な生い立ちながら、前を向いて歩こうとする陽子を支えていたものは何だったのか。自分の内に汚れをみたとき、自問が始まる。

    宗教を持たずとも、「原罪」のいうところは分かる気がした。それが、この本が私にとって存在した意味があると思うし、作者の大きな意図だと思う。

  • この作品をどうしても読み返したい衝動に駆られていた。
    ただ、手元に見当たらなかった為
    先に『続氷点(上)』『続氷点(下)』を先に読んでいた。
    後から見つかったので『氷点』へと続けて
    5日間で上記4冊を読み返すことになった。

    夢中になって、久しぶりにどっぷりと本の世界に入った。
    『氷点(下)』に至っては
    330ページあるのを2時間もかからずに読み終わってしまった。

    小さな本1つの中に、どれほど大きな世界がつまっていることか。
    扉を開けば1冊1冊の中の1つ1つの世界に入っていける。
    久々にこの感覚を思い出した。幸せだ。


    『氷点(上)』より、印象に残った言葉のメモを。
     
    ◆鏡にうつる自分に見ほれることからは、
     人への愛は生まれなかった。
     鏡は目に見えるものしかうつさなかった。
     心をうつすことはできなかった。
    (p.312からメモ)
     
    自分に見惚れる美しい夏枝とは違い
    私は鏡の中も自分には嫌悪感しか抱けない。
    しかし、この箇所を読んだときに、 
    目に見える自分を見つめるだけでは人への愛は生まれない、
    この言葉を忘れてはいけない気がした。


    ◆あの宣教師がみつめて生きてきたものと、
     自分がみつめて生きてきたものとは、
     全くちがっているにちがいなかった。
     (中略)
      海は見えなかった。
     たしかに、そこには、あの巨大な海があるというのに、海は見えなかった。
     たしかにそこにあるはずの海が見えないということ、
     そのようなことが、自分の人生にも、あるように思えて、
     啓造はそれが恐ろしかった。
    (p.343-344からメモ)


    メモをしていて、ふと想ったこと。陽子と自分の姿が重なる。
    真直ぐに懸命に生きる陽子。
    しかし陽子はその純粋さ故に、自分の罪の想いに耐えられず死を選んだ。
     
    私は陽子に対して敬愛する気持ちが大きいし
    陽子と自分が同じであるというほど驕るつもりもない。
    ただ、自分が中学時代から抱えていた「生きづらさ」というのを
    これを読んで思い出した。
     
    真剣に生きることは、すごく大切だ。
    10代で出逢って以来、私自身は
    三浦さんの言葉に育てられてきた面も大きいと思う。

    ただ、まっすぐ故に生きられなくなった陽子に
    「そんなに思い悩まないで」と声をかけてあげたくなる気持ちも
    今の私にはあるのが正直なところだ。
     
    でもそれは、いいことではない。
    しかし、悪いことでもない。
    ただ、これが、「今の私」なのでしょう。
     
    私としては、一つの成長でもあると思う。
    しかしやはり、自分の根本には
    「まっすぐでありたい」という想いがあるのだな、と
    改めて考えさせられた。

    ……さぁ、どう進んで行こうか。

    (2010.05)

    ――――――――――――――――――――――――――――――――――

    (メモ:中等部3年のときに読了。
     その後、購入し、数回読みました。)

  • 昨年、ドラマを見たせいか、かなり読みやすく、すぐに入り込めました。内容は前々から知っていたし、舞台が旭川だし、三浦作品はよいですね、やっぱり。2008.5.29読了

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著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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