街道をゆく 9 (朝日文庫 し 1-10)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022601797

感想・レビュー・書評

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  • 今回も4本立て。新潟県の干拓地をゆく「潟の道」、姫路のちょい西を北行する「播州揖保川・室津みち」、いまさら説明の要らない「高野山みち」、長野東部から碓氷峠にかけての「信州佐久平みち」。

    幸運にもこの行程のうち1本は自分も一部を歩いたことがある場所だった。「高野山みち」がそれで、2009年のことだからもう4年近く前のことになる。こうして同じ道を歩くときのシバさんの頭のなかで起こっていることと自分の頭のなかで起こっている(いた)こととのギャップを直に見るとき、なんとも自分の生き方が空虚な、もしくは俗物的なというかといったものにみえてきて仕方がない。シバさんが佐久平の項で田舎にあるレストランの無粋さに内心憤りを感じ、のち同情へと発想を転換するくだりがあったが、自分のみちの歩き方はまだこの拡声器で喧伝され育った側の人間のやりかたでしかないのではないかと落胆したりする。

    本シリーズ文庫本版の若い巻には牧祥三氏の解説が定番となっているのであるが、この方の解説が短い紙数の中常に中身が濃く、目を開かせられることが多い。今回もまたまさにそれで、彼が指摘するのは本巻の4つの行程に共通して貫かれたものが存在しているということだ。ふたつの言葉で言い表すなら「農村と宗教」ということになる。自分の半生の経験だけでは知り得ないことをこうして分け与えてもらえること、幸せなことである。

    ペアリング考としては意表をついて未読作品「播磨灘物語」と「空海の風景」を選択。これら作品の読後に本巻に戻ってくることも理想の味わい方として気に留めておきたい。

  • ★2.5。ちょっとノリが悪い感じがする、単に当方が忙しいからのような気もするけれど。
    でも上田は六文銭なのね、昔から。そういう地元の誇りみたいな想い、大事かも。グローバリゼーションが席巻する今こそ。

  • 1979年刊行(週刊朝日初出1976年)。

     新潟、播州揖保川・室津、高野山・九度山、信州佐久平・上田。

     たまたまだが、大河ドラマ絶賛放映中の真田氏の縁の地が二つ(紀州九度山と信州上田)があり、真田氏のあれこれも若干言及がある(個人的には、昔のNHK水曜大型時代劇第2弾の「真田太平記」が好きなんだが、今の「真田丸」も久々に楽しく見ている)。

     まあ本書は、高野山・高野聖・真言学僧など真言宗(俗に言う邪教立川流とその研究を含む)の件が興味をそそる分野かなという印象。

  • 今はひっそりとした小さな漁港の室津だが、日本で最も古い船泊でかつては遣唐使船も泊まっていたとみられる。江戸期の賑わいは「室津千軒」と呼ばれ、参勤交代の西国大名の船の寄港地となった。

  • 14/7/27読了 20/4/18再読

  • 龍野市の描写がとても美しくてよかった。行ってみたい。

  • すぐに感想書かなかったから内容をわすれたよー。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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