街道をゆく 19 (朝日文庫 し 1-20)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022601896

感想・レビュー・書評

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  • ひょんなことから優先順位を入れ替え、日本編からちょいとよりみち、目指すは上海周辺部。

    シバさんの中国論については陳舜臣氏との対談録である「対談 中国を考える」を読んでいたので、そのトーンはなんとなく頭のなかにあった。ただその他の肝心なこと、中国の政権史や地形、地名が頭からすすっと出てこないもんだから、矢継ぎ早に浴びせられるとどうも大海に漕ぎ出すような感がぬぐえない。面積も広ければ時間軸もとてつもなく長くて。

    誰かが本作のレビューに書いていた「情報量多すぎ…」のコメントに全く同感なのだ。読了後に目次を眺めながらキーワードをつぶやいてみると…

     茶、呉服、長江、うだつ、ジャンク、布袋さん、禅僧…

    てな調子になり、読んでない人からするととんでもなく話があちこちにいっているようにしか思えないことだろう。でもそんなことはない。

    どうやら本巻で始まった旅程は次巻に続いていくらしい。その20巻目のあとには一気に25巻の中国みちも攻め落として、前述の対談録に戻ってみたい。自分の理解度がどの程度上がったかを確かめるためにも。

  • ちょっと力感が足りない感じ、血が通っていないと言うと言い過ぎだけれども、全体的に平板。
    思い込み過ぎ的文明史観の吐露があまり感じられなかったからもしれぬ。

  • 新書文庫

  •  中国文化の流入は大きくわけて二度にわたる。朝鮮半島に四世紀から300百年存続した百済国が、七世紀滅亡の時に日本が大量の遺民を受け入れた。その百済国は非漢民族の勢力とは親しまず、漢民族の六朝と接しつづけていた(P72参照)彼らの影響と、二度目は十四、十五世紀鎌倉、室町時代であり、禅宗を媒体として明の文化が入ったことが挙げられる。『空海の風景』にいよいよ手をだそうかな~

  • 来月、蘇州なので読了。
    世界遺産の庭園などではなくて、蘇州の町並みを司馬は歩く。
    生涯、是旅なのである。

  • 長江下流、江蘇省と浙江省の旅。ざっくり言えば上海のそば。遣唐使や遣明使の乗る帆船が風に吹き飛ばされるようにして行き着く先がこのあたりで、古来より日本との交流が深い。日本にとって中華文明吸収の窓口。家屋のカタチも似ているそうな。

  • 司馬氏はこの旅で、蘇州、杭州、紹興、寧波など長江河口の各都市を訪れ、日本の歴史や文化に多大な影響を与えた中国を語っている。この本をガイドブックとして蘇州の町並みをもう一度回ってみたい。

  • 司馬さん、さすが面白い視点持ってるね。

  • 先日、司馬さんのこの本を携え蘇州を訪れた。宋代に再建された盤門界隈は、立派に整備された観光名所となっておりました。司馬さんが蘇州を訪れた1980年代からの時の流れを実感。

  • 蘇州から杭州へ。

    まさに、自分が住んでいるエリアを、司馬遼太郎が旅している。
    旅しながら圧倒的な知識と鋭くまた暖かい考察。
    文化人の住む場所はこれなりと思わずにはいられない。

    杭州へも多くのページを割き、言語や歴史、文化の発展について思いを巡らしている。
    確かに、何十年も前でも、きっと彼の感覚は正しい。
    現代にも通じる道理を導きだして、彼の言葉で語る。贅沢な本だ。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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