ルポ・精神病棟 (朝日文庫 お 2-1)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (241ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022602442

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  • 「まとまらない言葉を生きる」荒井裕樹

  • 著者がアルコール依存症と偽って精神病院に入院し、そこで体験したことを書かれている。ノンフィクション。



    昔に書かれたものなので、今は違うと思いたい。と感じる程凄惨。過去だから良いというわけでもないけれど。

    少し嫌な事があったくらいで落ち込んで軽々しく「精神病院に行きたい」なんてことを言う友人に読んで欲しい。

  • 筆者自身が患者として、精神病院に入って
    体験した現実を書くルポルタージュ
    30年以上前の作品だが
    精神病院の閉鎖性は何も変わっていない

  • 学校の精神保健概論の授業の関係で読んだのですが、精神病院てこんなんなのかよ!と、驚くのと、精神病患者を装って自ら入院して体当たりでこの本を書いた著者の方がすごいと思いました。

  • 精神病院に絶対入院したくないと思った。この本が書かれてから30年以上たってるけど今の精神病院はどんな感じなんだろう。

  • 一昔前の話だが、精神科医が患者を「社会に野放しにしては危険」と口にすることに驚き。よく知らない人が偏見を持つのを正すべき立場なのに、一番近くにいて理解してやれてない。

  • 映画や小説ではよく目にする精神病棟。
    良い描写されてるのを殆ど見たことないので実際どうだったのか気になり読みました。
    事実は小説より恐ろしい…
    あまりに衝撃的すぎて中々信じられない内容でした。
    医療という名目の下にそんなおぞましい場所が存在したなんてブルブル…
    今の現場は地獄のような場所ではないと思いたい。

  • ルポの金字塔。
    ふとしたきっかけで知って以来、ずっと読みたかった本。アル中患者のフリをした朝日新聞記者が、精神病棟に潜り込む。
    過酷な生活を強いられる精神病者たち。人権なんてまるでなし。実際の目で見た、描写は生々しい。こんな世界が日本にあったのかと衝撃を受ける。
    後半は、ルポへの病院側の批判と対峙していく。

    ジャーナリズムは中立であるべき、という立場に立つのなら、大熊氏の文章は中立的ではないかもしれない。しかし、病院という権力に虐げられる弱者としての患者という構図は明快だ。ただ医者の言い分も患者の言い分も互いに正しく見える。同じ事柄なのに、こんなにも立場が違うと見え方も違うのかと驚いた。
    今、精神医療の現場はどうなっているのか物凄い気になる。改善しているのか、それとも隠されているだけなのか。

    医療のようなアンタッチャブルな権力。医療以外にもきっとあると思う。たとえば、宗教とか。戒名が100万円。善意の金というが、どうみてもビジネスライク。しかし批判はできない。この構図って、精神医療と似ていると思った。

  • 1970年代の精神病棟に潜入取材したルポ

    これではまるで動物園だ
    打ちさらしのコンクリートの上での睡眠、トイレの水を飲む老人、残飯のような食事
    しかしそれでも慣れてくれば、その一杯の飯の重みが違ってくるようだ
    この筆者は入院から何日目かにgive upしているが、普通の患者は入ったら最後、出られるかどうかは病院側の裁量次第。

    このルポを新聞に載せてからの反響はなかなか凄かったようだ
    中でも、精神病棟関係者からの投稿はおもしろい

  • 昔の精神科が悲惨だったことはわかった。
    だが、これを読んで現在の精神科医療にまで否定的印象を持たれそうで嫌な気持ちになる。

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著者プロフィール

ジャーナリスト、東大(科学史科学哲学)卒、元朝日新聞記者、元大阪大学大学院教授(日本の国立大学初の福祉系講座の初代教授)。1970年に都内の私立精神病院にアルコール依存症を装って入院、『ルポ・精神病棟』を朝日新聞に連載。鉄格子の内側の虐待を白日のもとに。『ルポ・精神病棟』(朝日新聞社)、『精神病院を捨てたイタリア捨てない日本』(岩波書店)など著書多数。2008年フランコ・バザーリア財団からバザーリア賞を授与。


「2016年 『精神病院はいらない!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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