八犬伝〈上〉 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞社
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  • レビュー :19
  • Amazon.co.jp ・本 (382ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022603661

作品紹介・あらすじ

八つの珠に導かれ、正義の剣をかざしてひた走る八犬士たち。波瀾万丈の伝奇ロマン。

感想・レビュー・書評

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  • 最初に読んだのは子供の頃、朝日新聞で連載されていた時(年がバレる・笑)。八犬伝の物語が繰り広げられる「虚の世界」と、それを書いている馬琴の現実を追った「実の世界」が交互に描かれる構成で、当時は実の世界がつまらなく、もっぱら虚の世界のほうだけを読んでいた記憶があります。大人になってから文庫で読み直して、実の世界のほうもなかなか面白いと思えるようになりました。八犬伝の現代語訳の中では、やっぱりこれがダントツだと思う。

    • yamaitsuさん
      コメントありがとうございます。
      山田風太郎の「八犬伝」は馬琴のテイストに一番近く、現代風のアレンジもされていないので、個人的にはとてもお薦めです。
      あ、でも偕成社の山本タカト絵のも捨てがたいですよね!私も山本タカト好きなので、すごくわかります。
      入門編としては、こちらも結構良いかもしれませんね。
      2012/09/12
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「馬琴のテイストに一番近く」
      やっぱり、山田風太郎で読みます!
      朝日文庫版は品切れで、代りに廣済堂版になってるみたい。
      2012/09/18
    • yamaitsuさん
      あわわ、私なんかのアドバイスを参考にしていただいて恐縮です!
      山田風太郎版で読まれるなら、
      最初は「虚」の章だけを、一気に読むほうが面白いかもしれません。
      桜庭一樹の『伏』を読まれる予定がおありでしたら、
      「実」の世界の、作者・馬琴の執筆事情がわかっているとより楽しめるかも。
      2012/09/19
  • 滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」は有名であるが、なにしろ分量が多くて、原本を読むわけにはいかない。
    で、いろいろな人が、その人なりの「八犬伝」を書いているわけだが、この本は異色である。上下二巻。

    「虚の世界(八犬伝の物語の世界)」と「実の世界(滝沢馬琴が物語を書いている世界)」が交錯して描かれる。
    「虚の世界」は、単なるあらすじにとどまらず、しっかり面白いし、「実の世界」には、葛飾北斎が馬琴の友人として登場し、馬琴の実像を浮き彫りにする。

    「実の世界」のラスト、視力を失った馬琴が、「八犬伝」の善と悪の帳尻を合わせるために、漢字を書けない、息子の未亡人(嫁です)に口述筆記で物語を完結させようという執念には、鬼気迫るものがある。

    ラストの一文が胸を打つ。

    「南総里見八犬伝」
    世界伝奇小説の烽火、アレキサンドル・デュマの「三銃士」に先立つこと三年。

  • 虚実入り混じった世界。実の滝沢馬琴に感情移入していました。切ない・・!

  • 物語のうねりに完全に飲み込まれた。
    本書は、馬琴が北斎に創作しつつある「里見八犬伝」を語り聴かせるという体で、里見八犬伝の物語部分の「虚」と馬琴の伝記的部分の「実」が交互に進行する。

    ① 里見八犬伝自体のおもしろさ(つまらないとされる後半を完全にカットし、冒頭~中盤をうまく要約)。
    ② ケチで細かくて押しつけがましい堅物の馬琴が、人が動物を産み、幽霊が子をなす荒唐無稽な大物語を綴ってしまうことの不思議
    ③ そんな馬琴に対する同じ物語作家としての山田風太郎の皮肉な眼差しながらの全面的な共感
    ④ 失明した舅の馬琴からの聞き書きで、文盲に近い息子の嫁が文字・漢字・故事を学びつつ、長大な物語を完成してしまうラストシーンの素晴らしさ

    文句なし(オースティンにしかり、今年は物語に恵まれている気がする・・)

  • 二十八年かけて綴られた日本古典文学東の伝奇名作「南総里見八犬伝」、それを綴った後期読本の代表作家・曲亭馬琴。虚の世界では八犬士達の数奇な運命と冒険譚が描かれ、実の世界では馬琴とその奇妙な友・葛飾北斎との対話が描かれる。

    あらすじを書いてて気付いたのですがこれ私の好きな二つの視点で進む話なんですね。春樹の世界の終わり~とか海辺のカフカとか1Q84とかみたいなやつ。たまたま私が八犬伝好きで八犬伝ものを今手当たり次第読んでるから八犬伝とそれを書いた馬琴さまの話、という風に取れますが、八犬伝について良く知らないとか初めてと言う人にとっては二つの視点でそれぞれ進む物語みたいな風に思うかも。
    上巻だけではまだ何とも言えませんが、馬琴さまのパートがとても好き。私は八犬伝好きでも馬琴さまについてはほとんど何も知らないので、私にとっては馬琴さま入門の書という感じです。彼自身も武士の家であるけれど不遇な運命に翻弄され、辛い時代を耐え忍んできてやっと読本作者という道を見つけ、その職に頑固なまでのプライドをもって読本を書き続けているという……という姿勢を見ると、馬琴さまももう一人の犬士なのかなあなんて思ったりしてちょいホロリと来ました。
    八犬伝パートの方も原典に結構忠実ながら赤岩一角と角太郎が既に番作・信乃親子と会っていたとか、そういうオリジナルな流れもあって楽しめる。というかどんなオリジナリティがあるかが肝ですよね。

  • 集まる集まる。
    個人所有の剣を巡るなど、RPG世界だ。

  • 読了しました。ほぼ10年前に買った本です。
    買った時には読んで直ぐ途中で挫折したのですが、すっと気になっていて
    最近書棚からひっぱり出してきて読み終わりました。
    感想は、

    面白い!

    です。
    何故買った時に読みきらなかったのだろうと後悔するくらい面白かった
    です。
    山田風太郎さんの本は初めてだったのですが、二重構造・対比の世界が
    とても良いです。
    曲亭馬琴の性格の陰と葛飾北斎の性格の陽、虚の世界(勧善懲悪である)の陽と江戸時代・実の世界の陰、等々。
    下巻はどのようになるのでしょう?陰と陽が逆転するので・しょうか。
    更に楽しみです。

  • なじ■「虚」と「実」の世界が交わる山田風太郎流八犬伝。
    元の話も面白いですが、このお話がもうむちゃくちゃ面白くて上巻終わったらさァさっさと下巻を見せろ!!という勢いで読みました。山田風太郎の文章が本当に大好きだ…

  • 子供心を江戸時代に引きずり込んだ思い出の一冊。
    やっぱ面白い。
    そしてやっぱり宮田雅之さんの切り絵が美しい!!

    八犬伝の物語の「虚」の世界と
    作者の馬琴と北斎の回りを描いた「実」の世界。
    二つの世界の対比が物語りをものすごく深いものにしていると思います。

    『あと千回の晩飯』みたいなユーモアもすきだけど、やっぱ山田風太郎の筆が冴え渡るのはケレンミあふれる活劇なんだなぁ。
    うーん、すごい。

  • 滝沢馬琴の生涯と八犬伝の物語がクロスしていく作品。
    自分、山田風太郎氏の本をまともに読んだのはこの作品だけ…
    面白かった!

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