“花見酒”の経済 (朝日文庫)

著者 : 笠信太郎
  • 朝日新聞社 (1987年6月発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022604392

作品紹介

昭和25年「ものの見方について」で敗戦日本の生き方にひとつの指針を示した著者は、12年後、折から高度成長期にあった日本経済の底の浅さを危ぶみ、落語の"花見酒"にたとえて、その破綻を警告した。「日本独自の経済学」の確立を訴えたその主張は、貿易摩擦に苦しむ今日のわが国にとって、いまだに新鮮さを失っていない。

“花見酒”の経済 (朝日文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 報道ステーションの解説者が紹介していて、読んでみた。
    譬えの導入は分かりやすいが、経済って難しいですね。

  • 評者が小学生ぐらいの時、ドリフにいかりや長介と仲本工事のおでんの屋台の親子のコントがあった。
    トークを交えながらいかりや扮する父が子供に100円を払いお酒を飲み、仲本扮する子供が父に受け取った100円を払いおでんのタネを食べる。これが繰り返され、最後に「今日の儲けは?」と聞くと「100円!」というコントである。

    このコントの元ネタと思われるのが落語”花見酒”である。中身はコントと同じである。花見でお金もうけをしようとお酒と10銭玉を持って行ったものの、途中でお酒の匂いに我慢できず、2人がお互いにお金を払いながら酒を飲む。お酒がスッカラカンになって儲けを見ても10銭玉1枚。

    筆者は日本経済が花見酒に似ているとし、誰もが楽観的であった日本経済の信用の膨張に警鐘を鳴らしている。土地取引や金融を通じて地価の高騰等、経済が偏りを見せていくことを予想していた。それはまさにバブル経済である。ところがそれを予言したのは池田勇人の「所得倍増計画」の頃!その後は言うまでもなく、日本列島改造論や地価の高騰、株価の異常な騰貴。「株をしない経営者は無能」とまで言われた時代である。その結果は筆者の警鐘を鳴らした通りである。

    もう一つ、重要なことは経済学の重要性を考えながらも日本独自の経済学を模索している点にある。なるほど、我々の知る経済学はイギリス・オーストリア・アメリカなどの西洋学問である。評者も専攻ではなかったが大学で経済学を学んだが、経済理論は ありえないことを前提 にしているのである。言うまでもないことだが、イギリスやアメリカと日本の社会は違うし、人々の物の考え方も違う。理論を学ぶことは大切であるが、それにもたれると大きな間違いをする。
    何よりもケインズにしても過去の一つの社会を見ているわけで、今の社会を見ているわけではない。
    評者は一つの基軸を持った考えと共に、社会の動きにどのような感覚を働かせるかが問われているのではないかと感じた。

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