街道をゆく 21 (朝日文庫 し 1-22)

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022605184

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  • 今回は三本立、芸備、神戸、横浜と。

    芸備とは広島の旧国名、安芸と備後から文字をとった地域をいうわけだが、このあたりの分水嶺が思ったより南に位置していることは、このたび初めて教えてもらった。つまり広島県は日本海に面していないものの、とある地点から水は日本海側に流れているのだという事実のこと。そのいくつかの川筋が合流する地点にある地名を「三次」とかいて「みよし」と読むのだが、その成り立ちをシバさんが推理する過程が印象に残る。

    今回のペアリング考は意表をついてどちらも本巻に含まれる神戸散歩と横浜散歩。常にこの二都市を比較する形で書かれており、神戸編の最後には「―このあと、横浜へゆく。」という一文にて実際に連続した時系列で訪れられていることもあかされている。

    芸備の道については一部絡むところで「世に棲む日日」か。毛利元就が育った地を訪ねつつ、その近辺に幕末の長州志士の姓が地名として並んでいる場所を通りすぎてゆく。そこを過ぎながらシバさんが「かといって、この旅ではそれをどうこうするというつもりはない。ただその在所を通ってみたかったのである。」というとき、その人の無邪気な部分を垣間見たような気もした。

  • 司馬遼太郎の有名紀行。文章は短いが、横浜と神戸を対比しながらの紀行文が面白い。司馬遼による神戸と横浜の違いを述べた文章に膝を打つ。神戸を歩いてみたくなった。(布引の滝から海岸線までな)

  • 京都・神戸の人は大阪とは違うっていう意識。まぁはたから見ていて良く分かるというか、可愛らしいというか。繰り返しですが、こういうアイデンティティを確認するような見解は重要かもしれない。それを無意識のうちでなく、意識して認識しないといけない現在の世の中は、良いことばかりではないことを暗示しているよう。
    しかし、米食民族は船酔いしやすいって本当ですかね?当方、完全にど真ん中ってことでしょうか。

  • 14/12/7読了 20/6/6再読

  • 横浜は港町。関内がその中心地。それ以外の横浜は、同じ市内とはいえ、港でない。どう違うのか

    神戸と大阪と京都と。

  • 日本の大都市の多くは元城下町だが、神戸と横浜は違う。歴史的視点から2つの港町が持つ独特の風情を考察。芸備は安芸と備後で、現在の広島県。戦国毛利氏が家康によって長州に押し込められる以前の本拠地、吉田町界隈を訪ねる。現在の安芸高田市。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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