ハングルへの旅 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞社
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本棚登録 : 97
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022605443

感想・レビュー・書評

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  • 自身がハングルを学んでいたこともあり、また茨木のり子著だったので手に取ったが
    とても良かった。良いところばかりでは無く、学ぶ苦悩、そして日本が韓国にしてきた歴史など
    日本人目線で書くと
    どうも日本贔屓になってしまう内容も
    ハングルを学んでいるからこそ、寄り添えている内容になっているのではないかと思う。
    これを機にまた他の詩集も読んでみたいと思う。

  •  隣国との関係は難しい。怨嗟と侮蔑、妬みと憧れ、諦めと反発、ドロドロした感情がないまぜになって普通の隣邦関係になることを拒絶する。言葉一つもそこから自由になれない。韓国が先進国入りをし、韓国ドラマや音楽が世界的に人気を博するようになったいまでは少しは違ってきているが、それでも「韓国語・朝鮮語を勉強しています」というと、何か聞き手を満足させる理由を言わないといけないという、ちょっとした強迫観念が現れる。
     詩人の茨城のり子さんは、そんなヒリヒリした皮膚感覚を一番知っているはずだ。しかし、この本にはそういう痛いほどの歴史のヒダは前面に出てこない。百済の仏像のもつアルカイック・スマイル(古刹の微笑み)や、『朝鮮詩集』の叙情溢れる言葉のたおやかさに魅了されてハングルを学び始めたと、茨城さんは言う。それでも、茨城さんの朝鮮に対するまなざしと語り口から、読者はすべてを理解する 。茨城さんが植民地支配の黒々とした記憶に向き合おうとする静かな決意を。だから、読者は茨城さんのハングル学習を始めた動機のさわやかな説明を、心の底から爽やかなものと受け取ることができる。
     こんなすがすがしい外国語学習への誘いは他にはない。私もハングルを学んでみよう。

  • 茨木さんが韓国の詩を翻訳紹介する仕事もされていたとは知りませんでした。もちろん日本の植民地支配の歴史もよく踏まえてだけど、理念からではなく、言葉からかの国に接近していくというのがいかにも詩人らしい。そういえば、子どもの頃にラジオの雑音に交じって途切れ途切れに届く韓国語はずいぶん怖そうな響きがしたもので、両国の関係によって言葉の響きも変わってくるものです。韓国ならではのユニークだったり、うーんと唸りたくなる言い回しに注目しているのも、茨木さんならでは。

  • ちょっぴり面白い視点で韓国とハングルをとらえています。韓国に関しての知識が無いわたしに韓国を紹介してくれてるかの様です。2013/12/28

  • 著者が隣国の言葉にひかれ学ぶようになった理由、日本語と似ているところ違うところ、韓国を旅行して出会った忘れえぬ人々・・・それらエピソードが、凛と綴られている。
    本の隅々に、隣国(南も北も)への深い愛情を感じ、読んでいる間中、ページを開く度にとても安らかな気持ちになれた。
    隣国に対してこのような気持ちを持てる人が増えれば、両国の間に政治的な問題はあっても、そんなものは軽々と飛び越えられてしまうのかも知れない。
    私も韓国語の勉強、がんばります。

  • 今でこそ韓国は身近な存在で、ハングルを学ぼうとする人も学んでいる人も多い。けれど、30年ほど前に、韓国との関係もまだまだ今のような関係とはいえなかった世の中で、著者はハングルを学ぶことに決め、ただひたすら学んだことにまず頭が下がる思い。
    詩人ならではのハングルと日本語の意外な共通点にはとっても興味がわいた。
    それと同時に、隣国との間で日本が戦時中にしてきたこと、朝鮮戦争で半島が二つに分かれて、哀しい現実が今もなお続いていることは忘れてはならないと感じさせられた。
    ハングルをより身近により一層学びたいと思った。
    著者が今もなお生きていたら……こんな風に日本が韓国ブームで盛り上がることを予想していたのだろうか?きっと今もなお生きていたら喜ばれただろうなぁと感じる一冊。

  • 義兄に借りました。
    どうやら私は石垣りんさんとこの方を混同していた模様。読んでいて何か違う、何か違うと思っていたら別人でした。そりゃあそうだろう。

    母が少し前にNHKハングル講座を視聴していてそのついでに少しカナダラを覚えようとしたことはあるのですがもうすでにすっかり忘却の彼方です。もう一度やってみようかなあ。
    昨今、韓国ドラマのおかげで随分と日本での市民権を得た韓国語です。この方が今の状況をご覧になられたらほほえましく思うのか苦笑いされるのか。どちらにせよ大衆にうけいれられたと言う点では良いことだと思われるのかな。

  • 韓国語への興味がわくと同時にユン・ドンジュ氏の詩集を読んでみたいと思った。

  • 「わたしが一番きれいだったとき」「自分の感受性くらい」などで有名な茨木のり子のハングルを巡るエッセイ。戦前、戦後を詩人として生きた著者が韓国に感じる思いは深い。

  • ハングルへの旅…というタイトルですが、韓国語を通して韓国という国の文化を考察していきながら、吸収して行こう…というようなまっすぐさを所々で感じ、茨木さんの人となりを表しているような気がしました。
    「好きになる」ということの責任と覚悟。
    私も、そうでありたい…と思った本でした。

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