日航ジャンボ機墜落―朝日新聞の24時 (朝日文庫)

制作 : 朝日新聞社会部 
  • 朝日新聞社
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本棚登録 : 152
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (331ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022606068

作品紹介・あらすじ

1985年8月12日、日本航空123便ジャンボ機は524人を乗せて群馬県の山中に墜落した。それは新聞社にとっても、以後数十日間続く苛酷なドラマの始まりであった。単独機では史上最多の520人もの死者、意外な事故原因、そして奇跡的な4人の生存者など、さまざまな意味で歴史に残ることになったこの悲劇を、混乱する情報の中で新聞関係者たちはどのように捉え、報道したのか。緊迫の全記録。

感想・レビュー・書評

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  • 世の中には悲惨なことが山ほどある。
    何の罪もない多くの人々が犠牲になった災害や事件に出会うたび、人は涙を流す。

    あまり書くとネタバレになるので、そっと小声で語りたいのだが、私の好きなミステリー作家、樋口有介の「ピース」文庫本が20万部を超えたという。
    書店のPOPに書いてあった。文庫のコーナーに平積みされていた。
    彼の長年のファンである私としては、デビュー以降それほど注目されなかっただけにうれしい。
    さて、タイトル「ピース」の意味するところとは?

    他の作品も素晴らしいものばかりなので、今回初めて彼の作品に触れた方は、是非他の作品も読んでみてください。私の本棚には彼の殆どの作品が載っていますので。
    このことが、書棚にあったこの本のレビューを書こうと思った動機です。
    これなら「何のこっちゃ?」と思われるだけで、「ピース」のネタバレにはならないでしょう。

    「1985年8月12日、日本航空123便ジャンボ機は524人を乗せて群馬県の山中に墜落した。それは新聞社にとっても、以後数十日間続く苛酷なドラマの始まりであった。」
    と裏表紙には書かれています。
    あの事故からもう27年、四半世紀以上の時を経たのですね。
    Kさんでしたか、救助された女の子は。今、どうしているのでしょう。
    幸せな毎日を送っていることを願ってやみません。

    この本が発行されたのは1985年11月。事故から三ヶ月後。
    そのときにこれを読んだら生々しい記憶が蘇ってきただろう。
    だが私の手元にあるのは、その後文庫化された1990年発行のもの。事故から5年経っている。
    それでも、書店で見つけて読みたいと思ったのは、毎年お盆近くの8月12日になると、まだその事件にニュース性があり「あれから何年経ちました」とテレビで慰霊祭の様子などが報道されていたからに違いない。5年如きで風化するような事故ではなかったのだ。
    同様、昨年3月11日の震災はそれ以上のものなので、おそらくや私が死んでも語り継がれることになるだろう。けして風化させてはいけないのだから。

    この、お盆休みの夜に突然飛び込んできた事故。
    当時、絶対安全と保証されていたジャンボジェット機。
    消えた? 何故に? 何処に? 
    本文にあるように、まず墜落自体が信じられなかったようだ。
    つぎに何処に落ちたのかが分からなかった。
    だが、事故の全容が明らかになるにつれ、皆の背に戦慄が走る。524人絶望。生存可能性なし。
    それでも、僅かの奇跡を信じて懸命に捜索する自衛隊。昨年の震災と似ている。マスコミの人間も含めたこの頑張りのおかげで、奇跡は起こり、四人が救出された。
    この四人を救出する過程、そして、亡くなった方々の思い。
    読んでいて涙が止まらなくなったのを覚えている。
    特に、墜落することを確信した乗客が、自らの死を受け入れざるを得なくなった時、残りの数十分間、無念さと恐怖にさいなまれながら、何を思い、何をしようとしたか。
    皆が、残される家族のことを思った。妻や夫や親や子供に向けて、短い時間の中で遺書を懸命に書き綴ろうとした。
    その光景を頭に浮かべれば、涙があふれ出るのも当然だろう。
    もっとも涙が止まらなかった、二人の方が手帳に書いた遺書をここに綴って終わりとしたい。
    けれど、これを読み終えたとき、ただ悲しみに暮れるのではなく、奢った言い方かもしれないが、「この人たちの分も頑張らなければ」と前向きな思いを抱いたのを20年以上経った今でも、確かに、覚えている。

    :Kさんから──妻慶子さん、長女真理子さん 長男津慶さん 次女知代子さんに向けて
    マリコ 津慶 知代子 どうか仲良く がんばって ママをたすけてください
    パパは本当に残念だ きっと助かるまい 原因は分らない 今五分たった
    もう飛行機には乗りたくない どうか神様 たすけて下さい
    きのうみんなと 食事したのは 最后とは
    何か機内で 爆発したような形で 煙が出て 降下しだした どこえどうなるのか
    津慶しっかり たのんだぞ
    ママ こんな事になるとは残念だ さようなら 子供達の事をよろしくたのむ
    今六時半だ 飛行機は まわりながら 急速に降下中だ
    本当に今迄は 幸せな人生だった と感謝している

    :M圭市さんから──妻知子さん 長男哲也ちゃん(二つ)に向けて
    知子 哲也(両親を)たのむ 圭市
    突然 ドカンといってマスクがおりた
    ドカンといて降下はじめる
    しっかり生きろ
    哲也 立派になれ
    (原文まま)

    書いていたらまた涙が出てきました。

    2才の息子さんに向けて送った最後の言葉。
    「哲也 立派になれ」
    圭市さん、無念だったろうな。息子の成長を見たかっただろうな。
    それを思うと……。

    この事故で亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。

    是非、多くの方々に読んで頂きたい本です。

  • 日航機事故を追った朝日新聞の記録。
    情報が錯綜し、混乱する中取材をする記者達。
    渦中の遺族に取材をする記者の苦しい心根。
    事故に巻き込まれ、死を覚悟した人の遺書・・・。
    まったく関係のない僕なんかが読んでも涙してしまう、悲惨な事故を伝える。

    「私たちは、時に方向を間違う。誤りに気付かぬこともある。しかし、それでもなお、なりふり構わずに汗まみれになって、事実に立ち向かい、挑んでいく努力が、やがては真実を切り開いていくと信じたい」
    その姿勢に胸を打たれる。

  • 航空機史上、最大・最悪の事故を、速報性・正確性を求められる
    新聞社の視点で書かれたもの。

    だけど…自社内の苦労話が多く、まさに「朝日新聞版プロジェクトX」
    である。

    そして、遺族取材の反省点はまったくなし。ないどころか、事故の悲惨さ
    や同じ事故を繰り返さない為にも、遺族の言葉が必要だと書いちゃうとこ
    ろが朝日新聞だね。

    それくらいで人命を奪う事故が防げれば、とっくに大惨事なんてなくなって
    いるはずだ。

    現場の記者たちの動きを綴った本文よりも、各章の冒頭にある日航機
    行方不明からの時間経過の方が参考になった。

    状況は異なるが、阪神淡路大震災で甚大な被害を受けながらも新聞を
    発行し続けた地域ジャーナリズムの戦いを記録した『神戸新聞の100日』
    に遠く及ばない。まぁ、それが朝日新聞社なのだろうけど。

  • 1990年刊行。

     1985年8月12日に発生した日航ジャンボ機墜落事故に関する朝日新聞の取材・報道記録。
     夕刻に発生した事故から、時々刻々判明していく事実が緊迫感を持って描かれる。
     当時の事情を検証するのに意味ある一書。

  • 一瞬にして520名の命が消えた日航123便墜落事故。航空機事故史上最悪の状況下で、新聞記者たちはどう動き、何を思ったのか。123便の事故を新聞社の24時間を通して追ったノンフィクション。

  • 4022606061 331p 1995・3・30 8刷

  •  
    ── 朝日新聞社会部・編《日航ジャンボ機墜落 ~ 朝日新聞の24時 19900820-19901005 朝日文庫》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4022606061
     
    (20091203)
       

  • ジャンボ機が墜落する前の管制等との無線交信記録が載ってたり、その時の写真が載ってたり、それから乗客全員の名前が書かれていました。この本には当時の事が細かく書かれていて、読んでいると時間を忘れてしまうくらい、ハマってしまいます。興味のある人は是非読んでみて下さい。

  • 「読むべき本」

  • 墜落地点が絞り込まれるにつれ、現場付近の地図も詳細になっていく演出。交信記録、現場写真、乗客名簿、生存者の証言、遺書、ボイスレコーダー記録。資料性は高い。

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