街道をゆく 29 (朝日文庫 し 1-30)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022606297

感想・レビュー・書評

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  • 筆者が秋田を訪れたのが秋田空港が開設された直後の1986年くらい。30年以上経って同じ空港に降り立った。
    かつて松尾芭蕉が旅して「象潟や雨に西施が合歓ねぶの花」と詠んだ象潟は、かつては鳥海山の火山活動で生まれた島々が点在する風景だったが、今は地震で隆起されすべて陸地になったという。(今回の出張では残念ながら象潟まで南下することはなかった。)
    本書は、秋田の寺社仏閣を巡る記述よりも、秋田に縁の深い、狩野亨吉、菅江真澄、内藤湖南らの業績の紹介に重きが置かれている。

  • 前半は16年目で初の東北、秋田紀行。会津(福島県)は小説でずいぶん触れたが「会津は東北じゃない」と井上ひさしが言った。東北は別天地/飛騨高山は岐阜県の北半分(南は美濃)。 万葉集にも「飛騨の匠が打つ墨縄…」の歌があるほど古くから工人を輩出し江戸時代は天領。米収穫高は少ないが、鉱物資源豊富(武田信玄以前は金鉱とは砂金採取。『日本鉱山史』の小葉田淳)、商業でも栄えた。街並みは『小京都』と言われ、民家(明治以降がほとんどだが)の街並みに風情。それは茶人君主金森宗和(1584~1656)の優しさによると司馬は見た

  • 占守島で検索したら出てきたので買った。
    秋田のタクシー運転手さんが占守島にいたって話がちょっとあっただけだけど、他の話も興味深くおもしろかったのでよかった。
    他の巻もまた読みたくなった。

  • この作家特有の思い入れというか、入れ込みが満載。
    でもこの作家が日本の国民作家として受け入れられている理由は、そこに生きる人と土地に対する愛に満ちているからなんでしょうなぁ。飛騨地方には行ったことはない当方ですが、この本を読むとそれこそ桃源郷のように思えますし。
    更にその裏に消え行く、いや消されて行く世界への哀惜と、消そうとする経済・政治志向への作家の骨太な反感があることを多くの読者が直感的に理解し、支持しているんでしょう。

  • 最近ビジネス書を読む割合が多かったので、久しぶりの司馬遼太郎。
    早く旅行に行きたいものである。

  • 14/10/5読了 20/5/14再読

  • ともに古くから独自性の強い文化を築いてきた地域で、とくに飛騨は険しい山並みのせいで長く”下界”から隔絶され、古代において文献記録がとても少ないそうだ。各々輩出した偉人たちに思いを馳せながら独自の風土や人間性を味わう。

  • 街道をゆくを読み直している。

    秋田、飛騨と日本の歴史上華々しい場面はないが、司馬さん特有の視点でその土地で繰り広げられた史実が紹介されている。

    司馬さんの視点で重要な点は、経済合理性の切り口から歴史を紐解くということだ。

    飛騨という日本の歴史上、忘れさられたような地域においても、日本人の営為の歴史がちゃんとあったということが深く掘り下げられている。

    街道をゆくを二度読みする楽しみを味わっているところです(笑)。

  • 司馬遼太郎の歴史散歩。
    秋田、飛騨。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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