ヒトラーの抬頭―ワイマール・デモクラシーの悲劇 (朝日文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (419ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022606525

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  • (1992.07.15読了)(1992.07.01購入)
    ワイマール・デモクラシーの悲劇
    (「BOOK」データベースより)amazon
    ワイマール憲法採択の日、国民議会議長は、「われわれは、ドイツ国民を地球上における最も自由なる国民とした」と演説。しかし、生まれたばかりの共和国では早くも右翼勢力が跳梁。―圧倒的な大衆的支持を得たナチズムの社会背景は何か。ナチ党の浮沈を通してヒトラーの政権掌握過程を描く。

  • 第一次世界大戦で敗戦国となったドイツで、いかにしてヒトラーのナチスが権力を掌握したか、その時代背景・政治情勢を精緻に克明に分析している。
    簡単にいってしまえば、社会主義を標榜することで労働者を取り込み、不況に喘ぐ中間層をも取り込み、他勢力(旧来の保守層や社会主義勢力)がもたもたしている間隙をぬって権力を握ったということか。そして、ひとたび権力を握ると他勢力を徹底的に排除する。
    以下メモ。
    ファシズムの定義は、金融資本の反動的なテロ独裁という考え方や中間層の結集によるという考え方がある。
    ヒトラーは社会主義をスローガンに掲げていたが本気で信奉していなかった。それは当時の下中間層の考え方と共通していた。
    ファシズムは第一次世界大戦以降に起きた労働者運動に対する支配層・中間層を中心とした右翼勢力による暴力的反撃である。
    「狼が羊の群れに入っていくように我々は議会に入って行く」

  •  大衆ファシズムを、フロムのような心理学的分析によるのではなく、社会構成とその各層のヒットラーへの支持を丹念に洗い出した名著。旧来のマルクス主義史観から脱却している。民主主義の限界が、民主主義的な手はずによってナチスが独裁化していく過程が、「社会民主党」の無力觀との拮抗が膨大な資料によって明らかにされていく、その手はずが非常に面白い。
     結局、当時の尤も民主的とされた「ワイマール憲法」の持った民主主義は、その展開性を示すことなく、限界性をたわわに示し、ナチスは旧右派を排除し、共産党など左派を解体していったのである。

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