- Amazon.co.jp ・本 (992ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022607447
感想・レビュー・書評
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南極で遭難するお話。 戦前wwwww
通信機器ありません!よく帰ってこれたなぁ!というお話です。 氷で挟まれて、船がやられて・・
船に積んだボートを引っ張りながら氷の上歩いて・・
たいした道具もないのに世界でで一番荒れた海を越えて帰ってくる。
考えうる限り最悪の状況を全力で切り抜けた男たちの話。
めちゃめちゃ分厚いのですが、一気に読みきってしまいました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
書名(ほぼ直訳)からインパクト大。しかも、副題が「悲運のスコット南極探検隊」。史実とはいえ、初手から救いのない緊迫感が漂います。
著者チェリー=ガラードは最後のスコット隊に参加した若手隊員で動物学者だったそうで、身をもって知った「悲劇」に、このタイトルは無理もないことだろうと思います。本編と解説を含めて約990ページの大著です。文庫本なのに持ち歩きにくい(笑)。
時代は南極点到達レースが佳境に入った1910年代。イギリスのスコット隊、ノルウェーのアムンゼン隊、日本の白瀬隊がほぼ同時に南極点を目指しています(このあたりの理解には付録の年表が大いに役立ちます)。克明な記録とともに、その困難さがつづられます。事態は日を追って厳しくなり…史実のとおりの結末と、帰還後の著者の結びで幕を閉じます。
ルートの取り方、気候に対する考察、輸送手段などスコット隊の敗因はいくつか挙げられますが、やはり最後に勝敗を分けたのはイギリス人とノルウェー人という民族の違いかも?と思います。極地に近い地で生きるということを知っているノルウェー隊にアドバンテージがあるのは仕方ないかも…と感じました。引用されるスコットの最期の日記と遺書には、「涙腺がゆるむ」といったたぐいのぬるい感想を持ってはいけない!と強く感じました。あまりにも大きなミッションを背負ったこの人の最期を冷静に見つめるべきだと思います。
翻訳は滑らかで読みやすいのですが、いかんせん大著なので、じっくり腰を据えて読まれるといいと思いますし、ショートカットで進みたいかたは目次と解説だけ読む、ということもできます(笑)。波乱万丈でしかもアンハッピーエンド、忍耐力のいる1冊です。