中国の旅 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 129
レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022608055

感想・レビュー・書評

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  • 中国の旅というタイトルからは、旅行ガイドかななんて
    雰囲気も漂いますが、そうではなく、当時朝日新聞の記者だった
    本多勝一が、日中戦争の間に、中国で日本軍が何をしたのかという
    ことを中国側の視点にて、まとめたルポ。

    旧満州地域での一般人民への虐待、そして、「南京大虐殺」へと
    つながっていく日本軍の討伐の惨禍を、中国側が用意した生存者
    からのインタビューを元につづられている。
    この中で、「南京大虐殺」に関しては、南京への道 (朝日文庫) という
    別の本にもまとめられているんだけど、そっちはなかなか見つからない。
    Amazonにもないみたい。批判の多い本だけに、絶版になったのかな。

    個人的な感想を書く前に、まず事実を。
    「南京大虐殺」とは1937年12月13日、「満州事変」により始まった
    日中戦争の中で、当時の中国国民党政府の首都であった南京が
    日本軍によって陥落落城、その後、日本軍によって多数の人民が
    虐殺されたとされる事件である。

    で、この本ですが・・・。重いです。
    読んでて、何度か吐き気を催したし、読み終えてから胃腸の調子も
    よろしくありません。

    この本だったり、「南京への道」だったりで、本多勝一は色々と
    批判をされていますが、これは、意図的に中国側の視点にて、
    歴史を紐解いていこうとした本です。取材でインタビューを受けた
    人も、中国政府がアレンジして用意した人々です。
    だとすると、中国側の恣意も働く余地も十分あります。

    でも、それがこれらの類の本の中で、これを最初に読んだ
    理由にもなります。
    しばらく、中国に生きていくものとして、日中間の歴史を
    中国側はどのように考えているかということを知るという
    ことが大切だと考えたからです。
    この本の取材が行われたのが俺の生まれる前の1971年。
    その後の1972年に日中国交正常化が行われ、環境も
    どんどん変わりました。とは言うものの、日中戦争の出来事は、
    ことあるごとに中国政府の外交カードとして使われてきています。
    このことは風化しているわけではありません。
    今でも、ローカルのテレビを見ていると、日中戦争時の
    日本軍を悪者にしたドラマが数多く放送されています。
    先日も「南京大虐殺」を題材にしているドラマを見かけました。
    中国側では、これをずっと語り継いでいるわけです。
    そうなると、どんどん話が大きく誇張されていくのは自明のことです。

    我々日本人としては、あんなものはなかった。すべてでっち上げだと
    無関心でいるのではなく、この歴史を踏まえて隣国との付き合い方を
    考えていくべきだと思うのです。
    もちろん、常に謝罪ばかりする外交がいいというつもりはありません。

    「南京大虐殺」に関しては、歴史事実とその評価に諸説があることは
    承知しています。今回のこの本だけでなく、他の本も色々
    買ってあります。読まなきゃって買いこんで読めていないんだけど。

    しばらくしたら、南京の大虐殺記念館も訪れてみたいと思います。
    虐殺の被害者数を30万人という最大の説を採って展示されている
    ということですが、今、中国であの事件をどういう認識をしているかという
    ことを知るためには、ここを訪れることは不可欠でしょう。

    http://teddy.blog.so-net.ne.jp/2007-12-13

  • 今読むと、中国の情報戦略が中共政権ができてから営々と積み重ねられていていたのがわかります。証言者全員が「悪いのは軍国主義者で日本国民ではない」と政府の代弁をしている気持ち悪さ!これに乗せられて本多氏自身、中国の軍備は防備のため当然のものと自分の口で言い出します。その甲斐(?)あってか、南京大虐殺記念館で表彰されている八人の日本人にうちに入っているとか。

  •  著者の1971年6-7月、約40日間の取材の成果。満洲事変から「三光作戦」まで、日本の軍官民によって行われた各種の虐殺・惨殺・強制労働・暴力のサバイバーたちの声を刻んだ貴重な記録。取材地は瀋陽、撫順、鞍山、大石橋、北京、大子務、唐山、潘家峪、済南、上海、南京。このうち、南京での取材がのちの『南京への道』につながっていく。初出は『朝日ジャーナル』『週刊朝日』。

     取材時が文革の真っ只中だったこともあり、聞き取りの最後には必ず「毛主席」を礼賛する定型句が出て来る。また、中共による「解放」によって、自分たちがいかに「豊か」になったかも。1981年に書かれた文庫版の「あとがき」には、1972年から中越戦争・改革開放へと舵を切っていった中国に対する違和が書き留められている。だが、とはいえ、こうしたイデオロギー的なバイアスが証言の内容を毀損するかといえば、それは違うのではないか。
     日本敗戦から25年、まだ記憶も生々しく残る証言者たちは、いくら中国政府側の声がけがあったとはいえ、日本人記者に対してここまで率直に自己の厳しい記憶を語るだろうか? そこまで記憶を開くためには、共通の敵は日本軍国主義であり、日本人民は共に手を取り合うべき友人である、という認識の後押しが必要だったのではないか。言い換えれば、かつての加害者と当時の「日本人民」とを表象の上で切り分けられたからこそ、こうした証言が日本人を前に可能だったのではないか?

     聞き手がどんな問いかけをしたかが見えないこと、通訳の問題など、テクストとしての本書はあらためて議論の対象とすべき問題をはらんでいるだろう。初出本文と比較史ながら、いろいろ考えてみたい。

  • 最近知って知らなくてはと思ったことが多数取り上げられていた。

  •  日本軍が中国でしでかした犯罪の数々を当事者の中国人から聞き取り調査をするという趣向の本である。内容はナチスがユダヤ人に行った無慈悲な大量虐殺に極致している。書かれている犯罪行為の大小が問題なのではく、考えなければいけないのは戦争行為とはこの様な悲惨なものであるということではないだろうか、人間が一番怖いという言葉をおもいだす。

  • ルポルタージュ。取材は、日中戦争における帝国陸軍の凄惨な狼藉を追求すべく、現地の被験者にスポットを当てる。悲惨な光景のオンパレード。さあ、この中身をどう査定しようか。

    まず、あらゆる見地に基づき、証言の検証が必要だ。何故なら、国家利害が絡むし、日本軍は重要書類を隠滅したし、八路軍は、戦時プロパガンダのために、文書や写真を巧みに利用したからだ。また、一方的な立場からの証言なのだから。しかし、このルポルタージュには、一切の検証がない。何とも頼りない書物である。

    例えば。空腹に耐えかね、石を食べた。くそを食べた。日本軍のせいだ。石を食べたせいで、腹が破裂し…?医学的に、破裂する腹のリアリティを確認しなければいけない。理不尽を受け、ショックしした事例なども。証言の最後に八路軍万歳とつけ加える。そんな偏った人の証言で良いのか。しかも、それを手放しで扱うなど。

    本当にあった話なのかもしれない。だとすれば、あらゆる角度から、検証して欲しいものだ。それが無ければ、やはり、信ずるに足らず、である。

  • ここに出てくる中国人は一貫して最後には同じこという。

    日本の帝国主義が悪い
    最近、帝国主義が復活しているので、日本人民と手をとり、立ち向かいたい。

    たぶん、共産党の支持なんだろうな。

    このようなことはあったかもしれない。
    しれないが、事実関係の資料としての信憑性は低いなぁというのが正直なところ。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4022608056
    ── 本多 勝一《中国の旅 1972-198112‥ 朝日新聞社》
     

  • 戦時中、日本人が中国人に対して行った残虐なことの被害者の証言の数々。人を使い捨てのように扱う強制労働、おびただしい数の死体が捨てられた万人抗、南京だけでない大虐殺。。。

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