殺される側の論理 (朝日文庫 ほ)

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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022608079

感想・レビュー・書評

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  •  戦争、原子力発電所の爆発のような、巨大な人災が起ったとする。大勢の人が、たとえこれらのことにどれほど反対を表明していようと、巻き込まれて死ぬ。私もあなたも、恐らくその中に入っている。
     ところが、こうした災害自体を引き起こし、責任を負うべき者たち、情報を事前に独占できる立場にある者たちは、決して死なない。
     殺す側、殺される側とは、つまりそういうことだ。 初版は1971年なので、この本で語られる事例は古いのだが、得るものは大きい。特に、著者とアメリカ人宣教師との誌上討論は本書の白眉である。自分の「善意」を頑なに信じて疑わず、その結果、自分が「殺す側」の代弁者となってしまっていることに気づかない宣教師の姿は、悲しく、そして恐ろしい。学生時代、「知らない」ということは如何に危険なことか等、自分のものの見方に反省を迫る大切なことを学んだ本である。このような本を絶版にしてはいけない。

  • 今だから再読。
    この人の美点っていうか、欠点は、読みやすすぎる美文です。今読んでもほれぼれする。文章の切れ味が鋭すぎて、すごく頭がよさそうで、え?って思っても、こっちがバカなのかと思って、ついツッコミそこねてしまう。
    こうなのである、とこの人がきっぱり断じるときは、ソースは?と冷静に考えたい。文章テクニックでごまかされてはいけません。
    文章に無駄がないので思わず信じてしまいますが、基本、結論ありきで、恣意的な文章だと思います。

    たとえば、ソンミ事件についての書簡に対して。
    最初に返した返事は、「まず聞きたいのは、あなたが日本語の手紙に対してどうしてイギリス語で返してきたか」。
    論戦の前に、まず「あなたは白人優位主義である。証拠はあなたがイギリス語で手紙を書いてきたこと」と決めつける。相手がイギリス語で返してきた=白人優位主義であるという証拠とするのです。
    ソンミ事件の真実を探りたいなら、相手の思想ではなく、事件そのものの証拠を示すべきでしょう。相手が真摯に答えても、個人攻撃に話をもっていこうとするので、この手紙のやりとりは、実にイライラします。

    事実よりも言葉で戦っていて、相手(アメリカ、日本政府)を叩きのめすことが勝利と思っているようなところは、左翼の学生に似ているような気もします。
    そういう時代だったのでしょう。

    これを読んだ方は、ぜひ、
    山本七平『私の中の日本軍』も読んでいただきたい。
    ちなみにこの本については、現在の彼はまた掘り下げる本を出しているとか。
    しつこい……もはや「百人切り」があったかどうかなんてどうでもよくて、山本七平に勝ちたいだけなんだろうな、と思ってしまいました。

    事実にはまったく興味がなく、権力者(白人、支配層)を叩いていい気持ちになるためだけに書いているようです。
    山本に「事実」をつきつけられると、「そりゃ百人切りがなかったらなかったでいいことじゃないか」と開きなおっています。
    この人が中国側が出した情報だけをもとに書いた「南京で30万人虐殺説」でどれだけ日本の名誉が毀損されたか。その罪をもっと考えてほしい。

    ちなみに、南京について事実や写真の捏造などをつきつけられると、「中国人からもらった資料をもとに書いたと注釈で書いてある。間違えたのは資料をくれた人であって自分じゃないが、間違えたことはお詫びする」と開き直ってます。まともなジャーナリストなら、両方の立場にたって意見を聞き、資料を集めるものだと思いますが。この人はジャーナリストではなく、中国の広報家。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4022608072
    ── 本多 勝一《殺される側の論理 198201‥ 朝日新聞社》

  • 4022608072 308p 1992・9・10 14刷

  • このひとと議論をするにはものすごいエネルギーが要りそうだ。宣教師をちょっと尊敬。

  • 多分、これも大学時代の課題図書だな。

  • つんでしもた。

  • 無思想なわたしなんでクラーク氏も勝一氏の論理も面白かった

  • 膨大な知識と、深く確かな現実認識に基づいた倫理。そして曖昧さを排した厳しい視点に立ち、徹底して事実にこだわった緻密な論理。それらを駆使し、社会の暗部に圧倒的な力量で迫るルポや論稿の数々は、私のこれまでの考え方、生き方を一変させた。何よりも時代と向き合う、その揺るぎない「姿勢」の凄さに打ちのめされ、時に眩暈さえ覚えたほどである。本書には、本多勝一の思想と行動のエッセンスが凝縮されており、入門編としても相応しい。

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