美術館は眠らない―過激なニューヨーク (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞
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レビュー : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022610379

感想・レビュー・書評

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  • 古本で購入。

    美術館運営・管理学を専門とする著者がアメリカの美術館事情について紹介する本。
    内容はニューヨークのホイットニー美術館にフェロー(給費研究員)として派遣された頃の体験談と、企業が文化を支えるアメリカの実情の紹介の2部構成になっている。

    読みやすくおもしろいのは、もちろん前者の体験談。
    フェロー出身者たちが形づくる派閥や同期のフェローとして集まった面々、スポンサー集めのための連日連夜のパーティー、現代の「宮廷」としての美術館…
    読み物としておもしろいのだけど、旅行で長期間空けていたアパートに帰ると留守中に部屋の様子を見てもらっていたオシャレでゲイの友人Aの気の利いたメモと贈り物があって嬉しいとか、同期のフェローと初めて顔を合わせたときの「男の子が少なくてつまらないなぁ」という感想とか、ひと昔ふた昔前くらいのレディースコミックのようなエピソードがちょっと気持ち悪いというのが本音。

    「文化にはカネがかかる」
    このあまりに明白な事実を、日本では国も企業も人々も知らない。
    基本的なことだけど、これが本書を読んで感じる日米の圧倒的な違いだと思う。
    今話題の大阪市新市長を筆頭とするような、「コストカットは文化行政から」という発想が官民万民の共通見解のようになってるあたりが、この国の“未成熟さ”を表しているのだ。

    スポンサーが必要な博物館・美術館と、そこに投資することで社会的評価など利益が得られる企業というwin-winの関係、「営利だけが目的でない経済活動の一環としての文化」というものは、この本が書かれて20年以上経った今も理解されていない。
    よく言われることだけど、パトロンや寄附という「文化」は、やっぱり日本の風土に会わないのかもしれない。
    「民間資金の活用」などと叫ばれて久しい中、自分の仕事を顧みても無関係だと言っていられない課題。

    如何せん古い本なので現在どうなのかわからないが、アメリカにおける企業と文化の関係がわかりやすく書いてあって、それほど肩肘張らずに読める。

  • 一章は現在からみると、なんというか鼻持ちならないテイスト。院生の給費制インターンシップが、そんな大層なものなのだろうかとか、ニューヨークのパーティーカルチャーとゲイの関係など、突っ込みどころ満載。二章については古びない内容で参考になった。

  • 081209(n 090103)
    090227(s 090504)

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