映画で読むアメリカ (朝日文庫 な 12-1)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (321ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022610904

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  • 1995年(底本1990年)刊。著者は日本貿易振興会アムステルダム事務所長。


     戦後の数多の米国映画を素材に、米国の戦後社会を切り取り、解釈しようと試みる書である。

    ① 良くも悪くも、米国社会の変容が戦後世界の前衛的な役割を果たし、また、一部の映画がその社会変容の予見・羅針盤の役割を果たしてきたことが読み取れる。
     具体的には、ベトナム戦、公民権運動、マイノリティの主流が黒人からヒスパニック系に、フェミニズム、家族観の変化、黒人の中産階級化、若年層の体制対抗の減弱と高齢化社会、アジアへの蔑視とその裏腹の憧憬がテーマ。
    ② ベトナム戦争からの超克が「プラトーン」に如実に反映(そうなのかと驚く視座)。
    ③ オーストラリアに米国のフロンティア、あるいはフロンティア精神の残像を見ることができる。
    ④ フィリピン・アキノ革命(=マルコス政権崩壊)が、ベトナム等で忌み嫌われた米国流民主主義の再生という自己認識。そこまで米国は高く評価しているのか?と。

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著者プロフィール

(一財)国際貿易投資研究所客員研究員、逗子フェアトレードタウンの会(共同代表)。日本フェアトレード・フォーラム認定委員会委員。明治大学卒業後、現日本貿易振興機構(ジェトロ)入構。シドニー、ニューヨーク、アムステルダム駐在。1999年拓殖大学国際学部教授(国際関係論/NGO・NPO論)、2014年退任。映画評論家、蘭日賞受賞(2009年)。
〔主な著書〕『新市民革命入門』(2016年)、『日本のフェアトレード――世界を変える希望の貿易』(編著2008年)、『世界と日本のフェアトレード市場』(編著、2009年)、『NGO発、「市民社会力」――新しい世界モデルへ』(2007年)『NGO・NPOと「企業協働力」――CSR経営論の本質』(2011年)、『映画で読む21世紀』(いずれも明石書店)等多数。

「2023年 『フェアトレードビジネスモデルの新たな展開【第2版】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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