スパイキャッチャー〈上〉 (朝日文庫)

制作 : Peter Wright 
  • 朝日新聞社 (1996年2月発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022611338

スパイキャッチャー〈上〉 (朝日文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  イギリスの諜報機関・MI5に所属していた著者は、技術者としての技能を生かし、無線の分野で頭角を示していく。そしてソ連との攻防の中で、あることに気づく。どうやら、MI5に〈モグラ〉=スパイがいると。
     この上巻では、技官としての活躍からスパイ狩りの様子が描かれています。
     イギリス人らしいウィットに富んだ記述もあり、全体としておもしろく読めました。ただ、無線技術の点に関しては、いまいちわかりませんでした。

  • 1996年(底本及び原著1987年)刊。
    著者はイギリス保安局(MI5)の元局員。

    ある国の情報機関に属しているスパイが、その所属国をスパイするというダブルスパイ。これを内偵・調査・発見する役割を担うのが、本書のタイトルとなっている「スパイ・キャッチャー」である。
    著者は1950年代から20年以上、英国情報機関のうち、国内での情報保全と流入するスパイを発見し対抗措置を講じるMI5に属し、治安と情報保全の職務についており、その内実を赤裸々に語っていくのが本書である。

     勿論、ジェームズ・ボンド(MI6だが)が映画で見せるような派手な捕物・アクションは当然にない。のみならず諜報の雄というべき英国情報機関ですら、成功例の中であっても、現実には冷戦期のソ連に散々出し抜かれてきたのだ。この点、例えるなら「CIA秘録」等では同機関の能力欠如があからさまに語られることと相まってみると、小説「ジョーカーゲーム」の如く、一国だけが出し抜き続けることは非現実的なのだろう。

     あるいはMI6など英国内の他の情報機関との確執。さらに、フーバー率いる米国FBI、あるいは米国CIAなどとの共闘関係を構築しつつ、反面では対立しあうなど、なかなかお目にかかることのない英情報機関の内幕が垣間見れる。

     その中でももっとも驚いたのが、同盟国フランスへの盗聴活動。そして英連邦所属のカナダに対してすら、電話等の盗聴行為により情報収集に努めていた事実である。
     加えて、電話盗聴の技術が冷戦期に向上し、諜報機関における科学畑の人材の重要性が増大してきている事実。これは現代なら益々そうだろう。一方で、スエズ運河国有化宣言における英国の対ソ・対エジプト情報収集の凄まじさが目を引くところ。

     これらは当然の仕儀とは思いつつも、突きつけられる事実に驚いてしまう上巻の叙述である。

  • MI5の防諜要員ピーター・ライトが冷戦下の英ソの諜報戦を暴露した本。亡命したソ連人の証言に基づいてMI5に巣食ったモグラ(KGBの潜入スパイ)を洗い出す。疑いをかけられたのは、MI5の長官だった。上司が、仲間が、敵国の裏切り者なのではないか。防諜機関で捜査に携わる者の中で、こうした思考は常に存在する。私は「背乗り」「マルトク」の中で、防諜捜査に携わる者たちの、こうした世界観を表現しようと試みた。(竹内明)

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