沖縄の帝王高等弁務官 (朝日文庫 お 34-1)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022611383

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  • 1996年(底本1984年)刊。◆著者は元琉球大学法文学部教授、沖縄県知事。◆こんな書を読まないと沖縄の米や日本政府への目線が掴めないだろう。それほど本土と沖縄の戦後体験は異質なのだということを痛感させられる一書。◇本書は、中世の王が現代に降臨したとまで言われた沖縄の「高等弁務官」(植民地総督と見紛うばかりの呼称だが)の治世を解説する。27年間の米軍施政の後半15年間、米軍基地の維持拡充に尽力した存在だが、時の米国政府の意向、弁務官の個性や経歴、住民の反米運動等種々の要素に左右された治世とも。
    ◇その各々の高等弁務官の政治運営を、その前史から説き起こし検討していく。印象的なのは、①軍用地収用の苛烈さ(一方、収用された住民の反米感情のレベルは推して知るべしだが、されなかった住民との落差も同様か)、②治世のベクトルを大きく変えたケネディ政権の意義である。また、③公刊史料を元に議論するのでラディカルさには乏しいかも。

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著者プロフィール

1925年、沖縄県久米島に生まれ。1945年、沖縄師範学校在学中に鉄血勤皇師範隊の一員として沖縄守備軍に動員され沖縄戦に参加、九死に一生を得て生還。戦後、早稲田大学を卒業後、米国シラキュース大学大学院でジャーナリズムを学ぶ。修了後、琉球大学社会学部で教授として研究・指導を続ける。1990年、沖縄県知事に就任、2期8年務め、平和・自立・共生をモットーに県政を行う。「平和の礎」や「新沖縄県立平和祈念資料館」「沖縄県公文書館」などをつくった。2001年、参議院議員(1期6年)。知事退任後、大田平和総合研究所をつくり平和研究を続ける。現在は同研究所をもとに設立した特定非営利活動法人・沖縄国際平和研究所理事長。

「2014年 『辺野古に基地はいらない!オール沖縄・覚悟の選択』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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