沖縄-戦争と平和 (朝日文庫 お 34-2)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022611628

作品紹介・あらすじ

日本国民は、沖縄のことをどれだけ知っているのだろうか?「沖縄戦の教訓が、沖縄の伝統的な平和思想とともに日本国民の共有財産になってほしいと切実に望む」著者が1982年に書き下ろした、沖縄からのメッセージ。沖縄の過去と現在について知り、日本の未来を考えるために必読の入門書。

感想・レビュー・書評

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  • 初めて沖縄を訪れたのは5歳頃であっただろうか。神秘的な洞窟や、せり出す像岩と青い海、甘いパイナップルの記憶は鮮明に残っている。その後も何度となく訪れたが、最近はガマを始めとする戦跡を訪れる事が増えた。
    今なお多くの基地が県民負担として存在し、所得差も改善されたとは言い難い。若い世代は観光地として異国情緒に溢れたこの地に憧れを持って滞在するに過ぎないが、著書にあるように悲惨な戦争を経験してきた場所。そこに住む人々の心から基地のある限り消え去ることは無いだろう。
    元知事、社会学者である筆者の一視点ではあるが、膨大な研究の上に県政を担う責任感、リアルな状況が強く伝わってくる。
    基地を無くし、平和主義に徹する事で平和が達成出来ると言う意見には、昨今のロシアのウクライナ侵攻や中国の力による台湾牽制をみても賛否両論あると思う。日本の外交力に全て任せられるか不安も残る。
    ただ、唯一正しいのは沖縄県民の平和を愛する気持ち、著者の強い気持ちに間違いないと言う事だ。単なる過去の記憶・記録として受け止めるのではなく、同じ気持ちになって考えていかなければならない。『沖縄のこころ』も薦めたい。

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著者プロフィール

1925年、沖縄県久米島に生まれ。1945年、沖縄師範学校在学中に鉄血勤皇師範隊の一員として沖縄守備軍に動員され沖縄戦に参加、九死に一生を得て生還。戦後、早稲田大学を卒業後、米国シラキュース大学大学院でジャーナリズムを学ぶ。修了後、琉球大学社会学部で教授として研究・指導を続ける。1990年、沖縄県知事に就任、2期8年務め、平和・自立・共生をモットーに県政を行う。「平和の礎」や「新沖縄県立平和祈念資料館」「沖縄県公文書館」などをつくった。2001年、参議院議員(1期6年)。知事退任後、大田平和総合研究所をつくり平和研究を続ける。現在は同研究所をもとに設立した特定非営利活動法人・沖縄国際平和研究所理事長。

「2014年 『辺野古に基地はいらない!オール沖縄・覚悟の選択』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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