「松本」の「遺書」 (朝日文庫)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022611918

作品紹介・あらすじ

「人間、コンプレックスがないとあかん!」と公言し、ストイックな生き方を実践する著者-お笑いに魂を売った男の、人と時代を見据える眼力は鋭く、語りには毒がある。「反論も悪口も大歓迎する、正々堂々と来てみやがれ」と刺激的に言い放った、超ベストセラー『遺書』+『松本』、待望の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • #読了 2022.3.12

    今活躍する芸人さんの多くがダウンタウンを目指して芸人になったと言い、そんな話題の中でよく出てくる「遺書」。いつか読んでみたいと思っていたので手に取った次第。

    1993年当時、私は小学校4年生。テレビではまさにごっつええ感じが大人気になった頃だった。確かにこの頃のダウンタウン松本人志がこんな内容の本を出したら、それはそれは尖った若手芸人が量産されただろうなと頷ける。

    私の中でのエッセイのイメージは「本音の吐露」ってかんじだけど、本書は「主張の演説」といったかんじ。本音は本音だけど、パワー系のパフォーマンス、エンターテインメントを多分に含んだかんじ。笑いに魂を売った松本人志がメディア連載してたんだから、そりゃ目を引くものを発信するよね。ここに書かれてるのは松本人志の頭の中のほんの一部で、照れ屋で書けない本音もたくさんあるだろうなと思った。それでも今より「ダウンタウン愛」「浜田愛」が存分にしたためられてて松本人志ご本人が改めて本書を読んだら充分恥ずかしいんだろうなとは思うけど(笑)

    当時はダウンタウンとしての仕事がメインだし、ダウンタウン松本人志としてのプライドやアイデンティティを力にしてたんだろうなというのが伝わる。今はもう年齢を重ねて、松本人志として充分能力が知れ渡って、人柄を出す余裕や真面目な本音を照れずに言えるかんじもあるから、今とはやっぱり印象が違う。当時はきっと自分の考えを語ることも少なくポツリポツリと話す感じで、大声出すはコントの時だけって感じ(坊主じゃない頃はほんとこんなイメージw)だったろうから、このエッセイはほんとに衝撃だっただろうなと思う。

    口の悪さやおふざけの裏に、真面目で己のロジックや正義があるのは、昔からきっと変わらないのだろうなと思った。

    ◆内容紹介◆
    「人間、コンプレックスがないとあかん!」と公言し、ストイックな生き方を実践する著者―お笑いに魂を売った男の、人と時代を見据える眼力は鋭く、語りには毒がある。「反論も悪口も大歓迎する、正々堂々と来てみやがれ」と刺激的に言い放った、超ベストセラー『遺書』+『松本』、待望の文庫化。

  • なんだろう、まっちゃんの言ってることって、
    当然では?

    これ、1997年で私まだ産まれていないけれど、
    この時代にもきっといっぱいしがらみ(ゴミ)があって、
    それを全部捨てて、人間で生きているのが、
    逆に、まっちゃんしかいなかったの?

    この本が1997年のベストセラーって知って、
    みんな生きられなくて、
    まっちゃんを教祖だと思ったのだろうか?

    全員教祖、しかもまっちゃんのような「我天才、はいどうも」だったら、この本売れてないと思う。

    まっちゃん、売れたこと、嬉しいのかな?
    教祖だって人間だからね。必要でしょ、教祖。
    それが島田紳介さんなら、教祖の教祖が少ないのって、宿命なんだろうね。。そりゃそうか。

    私なら本が売れて、自分が教祖だった!って嬉しいのと、自分の教祖の母数の少なさに、少し悲しいけど。

  • 松本人志さんのベストセラー本という情報を目にし、気になって購入。
    お笑いに関する話はもちろんのこと、ボクシングの話や、現在とは真逆なのではないかと思える結婚観などについて、とにかく伸び伸びと(言いたい放題)描かれている。
    作中で語られている「1万円ライブ」というものが気になるので、早く手に入れたいところだ。

  •  この本を読んだ時点で、ダウンタウンの超大物お笑い芸人である著者の不同意性交犯罪の疑惑が世間を賑わしているのだが、読んでみて、この人の異常なまでの自己顕示欲、攻撃性、自己正当性主張の強さに辟易するほどであった。これを書いた1995年前後における大成功により、謙虚さを全く!失ってしまった姿は現在批判を浴びているところに繋がっていることは間違いない。確かに笑いの世界では一時代を築いたのかもしれず、全て笑いをテーマとして書いている内容の一貫性は素晴らしいが、人間性は感じない。女好きであること、女性との性交渉をした!との記載が度々遠慮なく書かれているということで、この人は通常の感覚がマヒしていっていたことを痛感し、今回の疑惑も起こるべくして起こったと受けとらざるを得ない。

  • クソおもろい。


    遺書と松本の二冊分の内容。
    まっちゃんの思想が詰まってる。
    松本人志が好きなので、考え方を知れるだけでもありがたい。クソ面白い。もう一度読もうかな。
    愛も買ったので読みます。

  • 尖ってるね〜20年以上前の本なので内容は古め

  • 本を読んでいる間、何度か笑った.面白くてもっと読もう,もっと読もうとしていたらいつのまにか読み終わっていた 時間が経って,内容は頭から抜けてしまっているが面白いかったことはずっと残り続けている 彼が笑いにこだわる理由はそこなんだろうか

  • 松本人志が笑いの天才であったとしても
    個人の力なんてたかが知れている
    松ちゃんを超大物に仕立て上げたのは
    あくまでメディアの力なんだ
    90年代の半ばごろまで
    松本人志はそこのギャップに混乱していた
    その混乱をストレートにぶちまけた記録として
    「松本」の「遺書」は貴重である
    メディアの作り上げた虚像に、自らの実像を合わせようと
    イキリ散らかしている
    結果的に本来の芸風から若干離れ
    誤解された…というより
    世間の求めるイメージに自ら近づいていった
    つまり反時代的カリスマである
    師匠を持たずデビューし
    型破りな存在としてメジャーになった松本は
    バブルの余韻に浸る日本で
    メディアを通した他人との距離が測れない人々を叱りつけ
    おのおのに「個」としての自覚を持つよう促しつつ
    一方では、仲間との友情だの
    芸人どうしの上下関係なんぞを説く
    ヒューマニズムというのはそういう矛盾だ
    しかし逆説的には苛烈なパワハラ・モラハラを
    あるいは格差の正当化を招き寄せるものでもあった

    90年代半ばから松本は
    プロデューサー的なキャラクターで
    メディアと一体化し
    サブカル系の評価を高める
    しかし本当の意味で虚像と実像が一致したのは
    内なるマッチョイズムを
    実際の筋肉として外に出すようになってからだ
    筋トレは、逆説としてその人のちっぽけさを内外に知らしめる
    つまり筋肉こそが人間成長そのものなんだ
    僕はこの本を読んでそれに気づいた

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    配置場所:工枚特集④
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  • 尖ってる頃の松本人志。

    確かに、
    ダウンタウンに影響を受けて芸人になった人たちは、
    これを読んで尖ったんだろうなぁ〜と。笑

    色々訳分からなかったりもするけど、
    そこもまた良い。

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