タンポポハウスのできるまで (朝日文庫)

  • 朝日新聞社 (2001年7月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (352ページ) / ISBN・EAN: 9784022613479

みんなの感想まとめ

物を作る過程における偶然の出会いや新たなイメージの創出を探求した本書は、建築の理論と実践を結びつける貴重な記録です。著者は、タンポポ・ハウスという実験的な建築を通じて、失敗から得られる学びや素材へのこ...

感想・レビュー・書評

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  • (*01)
    2015年5月に著者の講演を聴講した内容は、1章と2章の大要であった。時系列に従えば、2001年にまとめられた本書のタンポポ・ハウスにいたる導入部が、2015年の講演で話され、以降の章は話されなかった。3章と4章は、タンポポ・ハウスという実験(*02)と反省にあてられている。「できるまで」というタイトルにあるように、本書は、理論と仮説、その証明のための実験、というプロセス(*03)をまとめたものであり、単体の建築に、あるいは神長官守矢史料館も含め一対の建築に、一冊の文庫本があてられたという事例もおそらく稀であり、故にこの文庫も建築の一連として一部をなしているとも考えることができる。

    (*02)
    実験は、結果からすると失敗であると読める。著者は失敗と結論するにいたっていないが、タンポポ・ハウスは普通の建築としては失敗であったと思われる。この失敗を露悪的に暴きつつ、施主である著者の素材へのこだわりを建築に強要し、住み手であるから構わないという無頓着は、路上観察学会や考現学のグループの作法の延長にあると考えられる。
    生体としての植物が建築に寄生するように規制することの難しさをこの実験の失敗は示している。光と大気と水と土としてふるまうこと、植物を建築に寄生させるために必要なこれら四つの環境条件のうち、特に土として建築がどのようにふるまうかが、外壁や屋根への緑化をサイクルさせるポイントとなる。土は土であるだけでなく水の媒体として柔に機能し、植物の身体を支持する構造としても剛に機能しなければならない。また、生長に対して化学的にも整えられる必要もある。土は、建築材料としては、特に壁としてはありふれているが、建材となっている土が、逆に、いかに土の諸機能を規制し成立しているかをも示している。

    (*03)
    本書には、設計のためのスケッチが何点か収録されている。理論と実践、仮説と実験を橋渡しする過程として、この作業と記録は重要である。

  • 家を建てるとき、建築家の知り合いに勧められて読んだ本。
    家作りは楽しんでよいのだ。

  • 藤森さんの自邸、タンポポハウスがどのようにして生まれたのかを、そのきっかけ、スタディ、素材、ディテールの苦悩、竣工時の悩み、実際に住みはじめてからの苦労にいたるまで、とにかく詳細におもしろく描いている。
    自邸をつくる前に手がけていた神長官守矢史料館の話がとても濃密でおもしろい。土壁ふうモルタル、屋根の鉄平石、屋根を貫く柱、手吹きのステンドグラス、手割りの板、、、なぜその素材を選ぶに至ったか、そしてそれらを入手したり自分の手で実験したりした苦労話がとても新鮮で勉強になる。
    建築と大地との関係性の重要さ、建築の自然との関わりにおける”寄生”という考え方などなど、他の本や雑誌でもしばしば書かれている藤森流の建築感を得たときの生々しい描写があるのが魅力的。頭ではなく、実体験に近いような感覚で納得することができた。

  • 藤森氏の代表作ともいえる、タンポポ・ハウスがどのような考えで出来たのか。また実際にどのように作られたのか、詳細まで書かれている。

  • 藤森先生の、縄文人的な活躍によるタンポポハウスのできるまで。信州・長野は縄文の里。

  • 東京にたんぽぽが生える家があります。

  • 「自宅の屋根にタンポポを植えた理由」について書かれてあります。

  • 都市の中の自然を追求したら、タンポポ・ハウスができました。

  • 壁にワラを生やして「もっと毛深く!」とかいうあたりに軽く萌え

  • なぜ自宅の屋根にタンポポを植えようなんて?―話せば一冊の本になるほど長いから、こうやって書いてみたわけで…。近代建築物への審美眼・推理力で並ぶものなき「建築探偵」が自宅を大改築。着想・設計・素材・現場・居住の観点より「タンポポ・ハウス」に至る顛末をすべて語る。図版多数収録。

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著者プロフィール

1946年長野県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。専攻は近代建築、都市計画史。東京大学名誉教授。現在、工学院大学教授。全国各地で近代建築の調査、研究にあたっている。86年、赤瀬川原平や南伸坊らと「路上観察学会」を発足。91年〈神長官守矢史料館〉で建築家としてデビュー。97年には、〈赤瀬川原平邸(ニラ・ハウス)〉で日本芸術大賞、2001年〈熊本県立農業大学校学生寮〉で日本建築学会賞を受賞。著書に『日本の近代建築』(岩波新書)、『建築探偵の冒険・東京篇』『アール・デコの館』(以上、ちくま文庫)、『天下無双の建築入門』『建築史的モンダイ』(以上、ちくま新書)、『人類と建築の歴史』(ちくまプリマー新書)、『藤森照信建築』(TOTO出版)などがある。

「2019年 『増補版 天下無双の建築学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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