これが答えだ!: 新世紀を生きるための108問108答 (朝日文庫 み 16-3)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022613776

感想・レビュー・書評

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  • 1998年に出版した内容に8問を加筆して2002年に出版された本。
    当時の社会問題や宮台真司本人に関する108の質問に一問一答で答えていくという一冊。
    宮台真司入門書として書いたと本人も位置づけており、宮台真司や社会学に興味を持った時の一冊目としてオススメできる内容になっている。

    2023年年始に読んだが、現在の問題としても捉えることができる質問が多いことが印象的だった。
    社会問題は用語が変わり複雑さは増してもその本質はそれほど変わらない。
    イコール人間はそれほど簡単に進歩出来るものでもない。
    そんなことを考えて、本書の趣旨からは外れるでしょうが、テクノロジーの発展による変化が激しい昨今においてももう少しのんびり生きてもいいのかなと心穏やかになれたことが一番の収穫でした。

  • 20020822

  • つい最近出た本ですって言われても納得しそうな内容だった
    いい意味でも悪い意味でも

  • 性愛・家庭・学校・社会・国家・宮台という6つのテーマに渡る、108の質問について、著者が原稿用紙3枚程度で明快な答えを提出している本です。質問は、講演やトーク・イベントでなされたものや、編集にたずさわった中森明夫からの質問から採られたとのこと。

    実存や価値の問題に立ち入らないシステム論的な思考が、非常に強力な理論体系だということがよく分かります。と同時に、そうした思考にどこか飽き足りないものも感じてしまいました。

  •  著者による人生相談、というよりは人生相談をダシにした著者の社会学に関するトピック紹介本か。あとがきにもあるとおり、著者の多岐にわたる活動と言説をフォローするのにはうってつけかもしれない。ちょっとクセはあるが、著者の社会学入門としても十分読めるようになっている。

     ただ、最初の章「性愛」と最後の章「宮台」にかなりの紙数が割かれているのをどう捉えるか。私は「そういやぁこの人、ちょうどオウムなんかが出てきた頃、『朝生』でテレクラだの援交ギャルだの話題にしてジジババ達を敵に回してたっけ。(当時は彼の言説をほとんどフォローしてなかったけど)こんなこと言ってたのかぁ~、へぇ~なるほどねぇ~」とサラッと読んだが、人によっては不快感や反発を感じるかも。また、本書が書かれたのは2000年前後で、今よりも"若手"として論壇を挑発するような書き方がなされているのもあって、そういうのをさっ引いて読まないとイラッと来る人もあるかもしれない。

     そういう多少のクセはあるし、時代性を感じさせる部分もあるが、それでもやはり一読の価値は十分にある。例えば本書では、学校や教育、家庭や社会の問題を多角的に、時には重複しながら取り上げている。そこから見えるのは、これらの問題がが相互に関連し合って影響を与え合っており、どれか一つだけを取り上げて手直しするだけじゃどうにもならない、という指摘である。当たり前と言えば当たり前だが、問題が起こる度に(厳罰化やモラルの向上といった精神主義的なことを吹き上げるだけで)問題の検討・考察もろくになされないのは本書執筆当時も現在もそう変わらないので、やはりこの指摘は重要であろう。
     最近でも、少し前に公立高校体育科の「体罰」問題や女子柔道の「体罰」問題が取り沙汰され、スポーツ界の体質が問題視された。が、あそこで問題とされた「体罰」的なアプローチは何もスポーツ界に限定された話ではない。勉強の世界でも、無意味な筋トレや指導者の嗜虐性が発露しただけとしか思えない「厳しい指導」と似たようなものはゴロゴロしている。個人的には「なぜ?」がちゃんと説明してある良心的な参考書が増える中、相も変わらず上っ面のルールを並べるだけの"昔ながらの参考書"や、自分たちが経験してきた暗記と反復演習をそのままを子供達にする探究心も何の芸もない指導者には絶望すら覚えるところである。
     一つの問題が発生したとき、表層的にそれをダメだと片付けたところで、同じような問題は形を変えて繰り返されるだけである。みんなもっと落ち着いて、ちゃんと考えようぜ…と思ったとき、本書で紹介されている議論はオルタナティブな視点を提供するものとして使えるように思う。

     本書を読んでいて、90年代後半から2000年代にかけて、「朝生」で老人相手に挑発的な物言いをしていた(逆から言えば挑発的な物言いでオジサン連中から集中砲火を浴びていた)頃の著者の姿が思い出された。何だろう、この妙な懐かしさは…

  • さて、偽インテリとして読んでみました。
    付箋だけ貼って読み続けていたので読み終わってからその部分を見てもなにを思っていたのか忘れてしまいました。多分世の中が平和だからいけないんだと思います。

    リベラリズムとムズ日着いた元来の平等主義は「機会の平等」、つまりは金持ちも貧乏人も同じくレースに参加できるようにしましょうという意味。(中略)ところが60年代に入ると、格差を生むレースそのものがいけない、すべては競争せずに均しく配分されるべきだという「結果の平等」を主張する人たちが~


    「自分」がやりたいから革命をする。「自分」の好き勝手で社会運動に夢をはせる。つまり、やりたいのは「自分」である。確かに他人のためになるかも知れないが、それは他人のためになることを「自分」が望むからである。

    入れ替え可能性という問題は、人間関係にも生じます。彼女はカワイイから好き。でもカワイイ女は他にいくらでもいます。彼氏は頭が良くて頼れるから好き。でも頭が良くて頼れる男はいくらでもいます。そういう「述語」にこだわる限り、人間は結局入れ替え可能です。

  • これが答えだ!というほどあっさりわかる内容ではない。あと冒頭部分は電車なんかで読んでると恥ずかしくなります。

  • 個人的には宮台は嫌いだが読む米本田。

  • 一つずつが短いので読みやすいです。

    気持ち悪い回答もたくさんありますけど。。

  • ちょっと期待外れ

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著者プロフィール

宮台真司:1959年宮城県生まれ。社会学者、映画評論家。東京都立大学教授。1993年からブルセラ、援助交際、オウム真理教などを論じる。著書に『まちづくりの哲学』(共著、2016年、ミネルヴァ書房)、『制服少女たちの選択』(1994年、講談社)、『終わりなき日常を生きろ』(1996年、筑摩書房)、『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』(2014年、幻冬舎)など。インターネット放送局ビデオニュース・ドットコムでは、神保哲生とともに「マル激トーク・オン・ディマンド」のホストを務めている。

「2024年 『ルポ 日本異界地図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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