昭和陸軍の研究 下 (朝日文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (624ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022615015

感想・レビュー・書評

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  • 歴史上最大の権限移譲、知の探索が満州国。その壮大な失敗のメカニズムを描いた大作。
    大失敗の要諦は人事である。権限移譲ー冒険主義の跋扈ー信賞必罰のない仲間意識ー俺ももっと冒険をー破滅。

  • 膨大な資料検証と関係者への取材に基づく精緻な史実の再構築。そこには一貫して一人一人の兵卒・下士官・将官らのまなざしが宿る。その視線の先にある問い、すなわちあの戦争が何故戦われなければならなかったのか、その問いに対する答えは、昭和陸軍という組織の病理、そして個々の指導者に帰すべき責を今一度省みることによってしか見出すことができないというのが著者のいう「自省史観」であろう。左右問わずあらゆる立場の人に読んでもらいたい。日本人が共有すべき歴史認識のひとつの断面を与えてくれる本である。
    蛇足ながら、今日喧しい教育改革論いわく「戦後教育のために日本人は堕落した」「エリート教育こそが今求められる」云々。このような手合いには、陸軍幼年学校・士官学校・陸大と超エリートコースを歩み、幾万という部下を死地に追いやりながら畳の上で安楽に死んでいくような人間を作った帝国日本の「エリート教育」をどうご覧になっているのか、まずご意見を伺いたいものである。

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著者プロフィール

1939(昭和14)年北海道生まれ。現代史研究家、ノンフィクション作家。同志社大学文学部卒。1972年『死なう団事件』で作家デビュー。2004年個人誌『昭和史講座』の刊行により菊池寛賞受賞。2017年『ナショナリズムの昭和』で和辻哲郎文化賞を受賞。近現代史の実証的研究をつづけ、これまで約4000人から証言を得ている。『陸軍省軍務局と日米開戦』『あの戦争は何だったのか』『昭和史の大河を往く』シリーズなど著書多数。

「2018年 『昭和の怪物 七つの謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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