調香師の手帖 香りの世界をさぐる (朝日文庫)

著者 : 中村祥二
  • 朝日新聞出版 (2008年12月5日発売)
3.93
  • (16)
  • (26)
  • (17)
  • (0)
  • (1)
  • 本棚登録 :307
  • レビュー :28
  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022615831

調香師の手帖 香りの世界をさぐる (朝日文庫)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 資生堂の調香師として長らく活躍した氏による実録&エッセイな一冊です。
    ばら情報も豊富。ローズの香りの成分のうち解明されているのは全体の半分にすぎないのだそう。量にしたら95%。ただ、残りの5%こそが問題である、と氏は語ります。
    ミスター・ローズ鈴木省三さんとのエピソードも。
    ほかにも、ふだん香りをあまり感じていない椿やさくらなどの花々からも香りのエピソードがたくさん。氏の文章によって、調香師の感覚をひととき借りることができます。
    冒頭の香りをとおして"話"をする植物や虫たちのお話なども面白いです。

    専門的なのにぐいぐい読ませるあつくて聡明な語り口に惹かれて、他の本をほっぽり出して一気に読めました。
    染織家の志村さんにしてもこの方にしても、感覚を研ぎ澄まされていると
    こんなにも語彙が豊かで、なにを感じるのにしても一般人とかなり違うのかと興味深いです。
    天然香料については歴史や経済地理学、環境学、政治問題と密接に結びついていること、ある種の香料に関してはほぼ枯渇している状況を思うと愕然としますけれど、
    森林できれいな香りを採取しても公害物質なども共に得られてしまうことも書かれていてぞっとしたりします。

    じつは20年以上前に書かれた古い本らしいのですが意識せず読めましたし、改訂もされています。
    ミステリのような装丁もかわいい。手帖とかいてノオトと読むみたいです。

  • 香料の歴史や文化を科学的な視点から描いている本。モダンローズや組香や加齢臭など話は多岐にわたり、どれも面白い。

  • 嗅覚こそ本能である、と常々思う。
    これを読んでさらに納得しました。実に興味深い…。

    においフェチ必読です。

  • 調香師の方が綴る香りや匂いにまつわるエトセトラ。世界を香りの原料でみる地図や、香りを現す"note"の言葉の通り、香りを音階で現す音符など、香りへの興味が増す一冊。他にも体臭についての考察やアロマセラピーの応用など、科学的にも文化的にも色々な視点から香りを考えることが出来て楽しい。五感のうち謎の多い嗅覚に今後もっと焦点が当たっていくと面白そう。

  • 匂いは本能だと思う。

  • 面白い!
    資生堂で調香師をしていた著者の経験と知識とが存分に記されている本。
    現代の香水作りといえば、研究室でやっているようなイメージがあって、淡白な科学の世界だと思っていたけど、香りの歴史や自然界の植物など香りに関するありとあらゆることが語られていて引き込まれる。

  • 面白かったんだけど、やや長く感じた。

  • とても面白かった!

    著者は資生堂の研究所で香りの研究を行ってきた人。
    芳香とされる香りがどのような成分か、天然香料はどうやって採取されているのか、香道やアロマセラピーのこと、歴史的な人物と香りのエピソード、香りに関わる語彙など、香りに関わることが幅広く扱われている。

    やはりプロだけあって、香りを表現する言葉遣いがすごい。
    例えば、ニオイザクラの一種、駿河台匂の香りの描写。
    「アニスアルデヒドとクマリンが桜餅様の粉っぽいフローラル感を強めている。ヒヤシンス様の新鮮さを感じるのも面白い。」
    化学物質名と日常的に親しみのある似たものを結び付けて説明してあるので、化学に明るくない自分でもイメージができる。

    香妃が体から放つ香りとはどのようなものだったかとか、生後間もない筆者のお子さんの枕元を走り回るムカデを見て、筆者自身の体臭が一瞬で変化したエピソードとか、本当に香りの世界は奥が深くて面白い。

  • 資生堂の調香師による「香りの世界」への指南書。エッセイ風の語り口で読みやすい。香りの分析に関しては理解できたとは言い難いけど、香りに魅せられた調香師の飽くなく好奇心やその想いは充分に伝わってきた。企業利益のためといえど、このような調香師を発掘し育てあげた資生堂という会社にも感心した。安価なところから筆者が携わったばら園のハンドクリームを購入。指先からつんと香る薔薇の匂いに調香師の万感の想いを感じてじんとした。

  • 2013.3/31
    資生堂の調香師が書いた、色々な香りにまつわる話。桜の香り、ムスクの香り、性感情など興味深い話盛り沢山だった。

全28件中 1 - 10件を表示

中村祥二の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ウラジーミル ナ...
三島 由紀夫
フランツ・カフカ
デール カーネギ...
有効な右矢印 無効な右矢印

調香師の手帖 香りの世界をさぐる (朝日文庫)はこんな本です

調香師の手帖 香りの世界をさぐる (朝日文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする