硫黄島玉砕 海軍学徒兵慟哭の記録 (朝日文庫 た 54-1)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (379ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022615923

感想・レビュー・書評

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  • 何だろう。「英雄なき島」を読んだ後だからか、うるっさいっていう印象。
    そうあって欲しかったのかしらって言うのが浮き上がってくる。でもきっと現実はもっと過酷、だって書いてらっしゃる方は、かなり早い段階で硫黄島から本土に戻っているのだから。

    資料の一つとしてはいいけれど、行間を読まないとだめな本。こういうのが再び戦争を呼び込む。
    なぜ?
    現実を、自分を理解しないで先を見誤るからさ。

  • 著者は中央大学予科を繰り上げ卒業して海軍に入隊、硫黄島の機銃砲台長として戦闘中に負傷し、横須賀海軍病院に後送されて九死に一生を得た。このような体験と生存者や遺族への綿密な取材に基づき、硫黄島を中心とした陸海軍学徒兵たちの絶望的な死闘を記録したのが本書である。当時の学徒といえば、ほとんどは政官財で指導的立場に立つ将来を約束されていたことだろう。その彼らが戦況の悪化に伴い、ある者は勇躍として、ある者は煩悶しつつ、予備学生や見習士官として志願し死地に赴いた。本書に登場する学徒兵の名前には、兵科・飛行科などの科別、対空・通信などの専修術科別、出身大学高専名、戦死者は出身地、生還者は戦後の肩書や職名が付されている。生還者の中には著名な人物も多い。戦死者に想いを到すとともに、生還者がどのような思いで戦後を生きたのかも知りたいところだ。なお、本書には米軍側の学徒兵も登場し、彼我ともにぎりぎりの死闘を繰り広げていたことを実感させる。

  • 凄まじい本。
    よほど取材をやったんだろうということがわかります。

    外からの目線でなく、あくまで硫黄島にて参加していたからこそ出せるリアリティというものがある気がします。

    目を背けたくなるほどの現実がここにはあります。
    でもだからこそ、絶対に忘れてはならない。

    また一方で、あとがきにも書かれているように、日本人が特に朝鮮半島、中国に行ったことがどれほどのものであったかも知る必要があるでしょう。

    いずれにせよ、戦争とは本当に「誰得」なのでしょうか。

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著者プロフィール

同志社大学政策学部教授

「2022年 『まちづくりの統計学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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