名文を書かない文章講座 (朝日文庫 む 9-2)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (333ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022615947

感想・レビュー・書評

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  •  芥川賞をはじめとした多くの賞を得た作家・村田喜代子。彼女が、小説とエッセイにおける文章の秘訣を、微に入り細を穿って明かした文章読本である。

     仕事柄、文章読本のたぐいもたくさん読んできたが、これはその中でも五指には入る(※)好著であった。小説家による文章読本といえば、谷崎、三島、井上ひさし、丸谷才一といった有名どころが書いたものがあるが、それらよりも本書のほうが「役に立つ」と思う。

     一つひとつのアドバイスがすこぶるわかりやすいうえに、深い含蓄がある。実用書として上質であると同時に、読んで面白い。文章読本でありながら、文章と創作を通しテーマにした見事なエッセイ集にもなっているのだ。

     評論や実用文はこの本では扱っていないが、小説やエッセイを書きたいと思っている人にはオススメ。

  • 文学

  • ***未処理***

  • ほんと、いい文章ってのはこなれたものでも美しいものでも流麗なものでもなく、誰にも書けないものを誰にでもわかるように書かれたもの、なんだよなあ。賛成。

  • この本自体、名文の数々だったが、どうしてくれよう。

    「脳のネジは手足についている」
    「思考というものは本来ゴツゴツしている」
    「部分こそ命」などなど。
    素人さんのエッセイから、作家の小説まで数多の引用を施し、文章を書くことは簡単なんだよ、楽しみましょうと手を引いてくれる一冊。
    こう書けとか、こうゆうのがいい文章だ、とゆう話は一切ない。

    なにか書きたいなーと思って足踏みしてる人の背中を優しく押してくれる本でした。

  • 新刊の原稿の度に読み返す。効果が出ているのかはわからんけども(・ω・`)

    ラノ研の管理人さんが、文章講座系の本の中でイチオシしてただけはあるかと。

    文章って好みがあるかと思うんですが、私は著者の考え方が好きっす。なので何度も読んでます。

  • いろいろな作家の文章が取り上げられていて、それを本を書くって視点で見ることができるので面白い。語彙や比喩が多い、または凝っていることへの信仰はやめなさい、て指摘はたしかに! 
    椋鳩十さんの初期の小説の一部が取り上げられていて、骨太な文章がかっこよかったー。その小説で文学界から追放されて、のちに児童文学作家として舞い戻ってくるってすごい。
    文章は書かないが、小説を読むときにただ文章を読むだけじゃなくて、文章を味わいつくせるようになれるかもしてないと思った。技巧的なことじゃなく、書き方って大事なんだと思う。

  • 2008.10.5購入

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著者プロフィール

1945(昭和20)年、福岡県北九州市八幡生まれ。1987年「鍋の中」で芥川賞を受賞。1990年『白い山』で女流文学賞、1992年『真夜中の自転車』で平林たい子文学賞、1997年『蟹女』で紫式部文学賞、1998年「望潮」で川端康成文学賞、1999年『龍秘御天歌』で芸術選奨文部大臣賞、2010年『故郷のわが家』で野間文芸賞、2014年『ゆうじょこう』で読売文学賞、2019年『飛族』で谷崎潤一郎賞、2021年『姉の島』で泉鏡花文学賞をそれぞれ受賞。ほかに『蕨野行』『光線』『八幡炎炎記』『屋根屋』『火環』『エリザベスの友達』『偏愛ムラタ美術館 発掘篇』など著書多数。

「2022年 『耳の叔母』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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