アフリカを食べる/アフリカで寝る (朝日文庫 ま 16-5)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 115
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (462ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022616036

感想・レビュー・書評

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  • おもしろかった。おすすめ。内容が濃い。
    学問としての社会や世界史に興味がなかったが、食と異文化のことから入っていけるのですんなり理解できた。
    「人間は草を食べない」というところだけ??となった。
    植民地とか人種差別とか政権の腐敗とか、途中ちょっとしんどいけど読むべき。
    国際援助の好例と失敗例も少し載ってるので、政治家とかなんか支援したい人とかにも読んでほしい。

  • (エチオピアにて)
    宿屋の主人に、食事ができるか尋ねた。せめてスープとパンがあれば、と覚悟していたが、なんとインジェラが一食分あるという。街道筋の町では、よその土地でとれたテフがやみで手に入るらしい。羊肉のワットしかないと主人は恐縮していたが、それがあれば十分だ。腹がくうくう鳴った。
    食事を始めて、だれかに見られているような気がした。顔を上げると、食堂の窓ガラスに無数の子供たちの顔が張りつき、あえぐように口を開けて、私の手元を見つめている。難民の子供たちだった。ワットのにおいにひかれ、宿屋の石垣を乗り越えて入り込んだのだ。
    主人が竹ぼうきを振り回し、大声で追い払った。大好物のインジェラだが、私はそれ以上食事を続ける気にはなれなかった。p100-101

  •  タイトルの通り、著者がアフリカで体験した食べたもの、寝るところに関する短いエピソードのエッセイ(というかノンフィクションなのかな)。
     最初は「なんか一方的な見方」と感じてたんだけど、読み進むうちに、そんなことは無いことに気づく。

     むしろ、偏見があると感じた自分の心に偏見があるのだろうと。偏見を恐れるあまり「わかったような気になってしまう」ところがあるんだろうなぁと気づいた。

     たとえ偏っていようとも、感じたことを書き、体験してみて、それを素直に表現する本書は実に面白かった。
     そして面白いといえぬほど、アフリカは凄いところなんだろうな。(先日読んだ天の方舟に書かれていたODAの汚染についても考えさせられた)

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