新潟少女監禁事件 密室の3364日 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022616081

作品紹介・あらすじ

男はなぜ少女を拉致したのか?9年2か月にわたる監禁の全貌とその後の新事実を明かす衝撃のノンフィクション。新潟地裁から最高裁まで取材し続けた著者が、事件の経緯と男の心理を丹念に追い、監禁事件の真実を炙りだす。文庫化にあたり再取材を重ねて、大幅加筆。

感想・レビュー・書評

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  • 発覚当時、大きな衝撃をもって世間の耳目を集めた事件。確かその後、警察の捜査に問題があったことも判明したのではなかったか。

    ニュース等でなんとなくは知っていたが、本書を読み、被害者が受けたあまりに凄惨な仕打ちの数々には涙を禁じえず、無残に奪われた貴重な貴重な9年間を思って心底胸が痛んだ。彼女が耐え続けた地獄のような日々を知ったご両親の心痛がいかばかりだったかと想像し、そしてなお、自分を保ち命をつないでいた被害者の類い稀なる精神力の強さと聡明さに、深く感銘を受けた。
    加害者は、自己愛性人格障害と強迫性障害という診断を受け、出所して2017年に病死しているという話だ。

    現在は40代半ばと思われる彼女が今、幸せな人生を送っていることを心から願ってやまない。

  • 著者も長い間裁判を傍聴し出版したことに敬意を表したい。

    後半以降、裁判記録が長く司法関係外からすると難しく頭に入ってこなかった。



  • 本の大部分を占めるのが裁判の記録で、とても大事なのは分かりますが、もっと加害者の異常性にフォーカスし、作者自身の見解が読みたかったと思いました。

  • 丹念な取材と、細やかな筆致で事件を負ったノンフィクション。犯人の姿、そして警察の姿勢や裁判の状況まで、もやっとしたものが消えない。とことん犯人を守ろうとする弁護士とか。被害者が身内だったらどうするんだろうと、すごく残酷に見えてくる。しかも支払い能力のない犯人の弁護人の報酬まで、税金が使われてたなんて!もう犯人は出てきてる頃でしょう。なんだかなぁ。被害者さんはそっとしておいて、ただ幸せであることを祈るだけです。

  • 書いてる人も多いけど、ルポルタージュというよりは裁判傍聴記。傍聴券にアルバイト100人も雇うんだなあ…とか、ちょっと興味深い記述も無くはなかったけど、筆者が寒くて風邪ひいた、とかは正直特に必要のない情報だったような。犯人のOCDがあそこまで酷いとは知らなかったので、その部分が印象に残った。あと母親は見て見ぬふりをするばかりだったのかと思ってたけど、結構何度も精神科の助力は仰いでいた事もわかり、あのような苛烈な状況で、彼女一人で解決しろというのも難しい問題だと思った。

  • 9年2か月に渡り少女が監禁されていた事件のノンフィクション。ノンフィクションのカテゴリーではあるが、単なる裁判の傍聴記録。裁判外の取材は一切ない。事件に興味があったので、概略・裁判内容を知ることができたのはよかったが、それ以上でもそれ以下でもない。
    犯人の心情・生育環境など周囲への取材を通した著者なりの事件の深堀がない。

    ただ事件について知りたい方が最初に読むのは良い記録本だと思う。

  •  桐野 夏生著 『残虐記』はこの事件を参考にした作品である。犯人の設定、周辺などには違いがあるが、とらわれている少女の精神状態などについては詳しく描写がある。一方、こちらの本については事実を克明に調べ上げることでいっそうの恐怖を読者に見せてくれる。事実は小説よりもむごたらしいのだということである。

  • ノンフィンクションというより、裁判傍聴記という感じ。独自に取材した内容や、報道のまとめなどもないので、物足りないが、事件の概要や裁判の争点などは分かりやすい。

  • ある女流作家が書いたこの事件をモチーフにした小説を読んだので、ドキュメンタリーも読んでみた。犯人が二度目の犯行であったこと、警察の操作の不手際があったことは知らなかった。身の毛もよだつひどい犯罪だ。そういえば最近も小学生の女児が鞄に詰められ監禁されたという事件があった。監視社会はいやだけれど、他人への関心が皆無というのも怖い。

  • 世に衝撃を与えた事件の法廷の様子を淡々と記録したもの。それ以上の情報はない。犯人の異常さには驚くばかりだが、何とも救いのない事件である。二度とこのようなことが起きないことを祈るしかないのか。

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著者プロフィール

料理研究家、日本雑穀協会理事、テーブルコーディネーター、女子美術大学講師。一九五五年東京生まれ、鎌倉育ち。ホルトハウス房子に師事し、各国の家庭料理、日本料理、中国料理など幅広く学ぶ。一九九三年より「松田美智子料理教室」を主宰。季節感を大切にした、美しく作りやすい料理作りを心がける。二〇〇八年、使い手の立場から本当に必要なものを考えて開発した調理道具、食器のプライベートブランド「自在道具」を立ち上げる。『季節の仕事(天然生活の本)』(扶桑社)、『丁寧なのに簡単な季節のごはん 松田美智子料理教室「絶対の定番」』(小学館)など、著書も多数。

「2021年 『おすし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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