負けに不思議の負けなし〈完全版〉 上 (朝日文庫 の 1-4)

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022616128

感想・レビュー・書評

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  • ノムさんの本をなにげによく読んでいる。本書は1984年、85年に書かれた本を再編集し、上下巻にした本。タイトル名はノムさんの代表的な言葉だが、もとはどこかの企業経営者がスピーチで使った言葉で、故事にでも由来する言葉らしい。

    1983年のプロ野球シーズン中の動きが鮮明に解説されている。それこそ一場面、一投足に至るまでの細かい描写で一瞬の勝負の裏にある駆け引きや技術が語られており、興味深く読める。

    野村氏は、感覚や根性、職人芸で成り立ってきたプロ野球の世界をデータ化、というより見える化し、感覚を言葉と数値で表現した初めての人なのかもしれない、と本書を読んで感じた。

    興味深いエピソードの数々の中でも特に印象に残った一節。鉄腕・稲尾は長嶋茂雄を封じ込めるためにあれこれと読みに読んで対決してみるが、どの策でも打ち込まれていた。長嶋氏に関しては「深く考えない、感覚で生きている相手にあれこれ考えても仕方ない」という結論に達し、無の心境で勝負するようになってようやく抑え込むことができるようになったという。

    ただ「何も考えない」のではなく、鍛練を積み重ねたもの同士が最後に行き着く無の心境が最強なのだろう。そして本書でも、長嶋氏に関してはやはり思うところ多々あり、で意識せざるを得ない野村氏の心境がよく表れていた。

  • 下巻に続く。

  • ビジネス本。野球を極めた人間が勝負にこだわった際になにを気にしなくてはいけないか?を教えてくれる。

  • 外国人選手が来日して真っ先に覚える言葉が三つある。「バカ」「スケベ」、それに「ガイジン」である。前の二つは万国共通というか、男社会であってみればさもありなんと思う。だが、最後の「ガイジン」には首をかしげる方もあるのではないか。
    彼らが「ワタシ、ガイジン」というときはえてして、心の状態がよろしくない。不快な気分を味わっているときである。表面はおだやかに見えてもどこかで波が騒いでいる。異国で孤立感に襲われたり、差別を感じたり、そこからくる漠然とした不安とか、いろんなものがないまぜになって、その言葉が吐き出される。(pp.160-161)

  • 失敗をどう省みるか
    野球以外でも通ずる部分があると思います

  • どうせ監督時代の自慢と躾の話かと期待せずに手にした本だが、評論家時代の完全に野球にのみ特化した本。
    これは色んなプロ野球選手がこのおっさんに参る訳ですわ、そもそも野球の話そのものが面白いんだから、皆食いつきますわな。
    それにしてもやはり江夏というピッチャーは特別な存在の一人だったんですな、改めて再確認。

  • さすが、ノムさん。野村監督の組織論や人材育成論は勉強になる。仕事において、人生において積極的に活用したい。

  • 野村氏の分析力の高さを感じ取ることが出来る一冊。
    スポーツの監督はここまで緻密でないとやっていけないのかもしれない。
    野村氏が昔連載していた記事を再編集したものなので、若い読者にはわかりにくい部分あり。

  • 野村監督の生き方や考え方が分かる本です。読む前はおもしろい感じの本かと思ったが読んでいるとなかなか難しくて深い内容でした。

  • 野村監督の生き方や考え方がわかるほんです。下巻に続いているので、ますます見たくなりました。

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著者プロフィール

京都府立峰山高校を卒業し、1954年にテスト生として南海ホークスに入団。3年目の1956年からレギュラーに定着すると、現役27年間にわたり球界を代表する捕手として活躍。歴代2位の通算657本塁打、戦後初の三冠王などその強打で数々の記録を打ち立て、 不動の正捕手として南海の黄金時代を支えた。また、70年の南海でのプレイングマネージャー就任以降、延べ4球団で監督を歴任。他球団で挫折した選手を見事に立ち直らせ、チームの中心選手に育て上げる手腕は、「野村再生工場」と呼ばれ、 ヤクルトでは「ID野球」で黄金期を築き、楽天では球団初のクライマックスシリーズ出場を果たすなど輝かしい功績を残した。現在は野球解説者としても活躍。

「2016年 『最強の組織をつくる 野村メソッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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