原節子 あるがままに生きて (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022616562

作品紹介・あらすじ

経済的な事情から女学校を中退した原節子は、十四歳で女優の道を歩きはじめた。野心満々とは正反対だったが、やがて映画の魅力に憑かれ、『東京物語』など名匠の作品に出演する大女優になる。膨大な資料から本人の残した数少ない言葉を発見し、「伝説の女優」の素顔を浮かび上がらせたエッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 一昨年9月に亡くなつた原節子。なぜこのタイミングで登場するのかといふと、先達て某ラジオ番組にて、彼女の評伝を書いたノンフィクション作家・石井妙子氏のインタヴューを聞いたからです。
    原節子といへば小津安二郎監督作品に代表される、一歩引いた立ち位置のいかにも日本的な女性を演じてゐましたが、素顔の彼女は大きく異なるとか。石井氏によれば、原は小津作品における自分の役柄に満足してゐなかつたとか。ほほう。

    『原節子 あるがままに生きて』は、映画評論家の貴田庄氏による原節子の評伝(文庫カヴァーには「エッセイ」と書いてありますが)であります。ほぼ時系列で彼女の生涯を追つてゐます。
    原が女学校を中退し映画界に入つたのは、どうやら経済的な理由らしい。義兄の熊谷久虎が日活で映画監督をしてゐた縁で、14歳で女優デビューするのでした。
    当初は鳴かず飛ばずでしたが、たまたま日本に来てゐたドイツ人監督のアーノルド・ファンクの目に留まり、日独合作映画「新しき土」のヒロイン役として抜擢され、一躍注目を浴びるやうになります。

    しかし原節子は当初、演技が拙いといふことで、何かと大根呼ばはりされるのです。まあ確かに巧くはなかつたかも知れませんが、さう取り立てて騒ぐほどの大根だつたか。彼女自身も、演技の未熟さを自覚しながら、反撥心もあつたやうです。
    美男美女といふものは、やつかみも手伝つてか、何かと大根扱ひされるものです。長谷川一夫などは酷い言はれやうでした。
    それが山中貞雄、成瀬巳喜男、黒澤明といつた名匠たちに揉まれてゆくうちに、さういふ誹謗は減少し、そして小津安二郎と組むに当つて大輪の花を咲かせた感じでせうか。

    原節子本人は、「開かれた女性」だつたので、男性の添へ物的な役に飽き足らず、もつと女性が自らの意思で活動する役がしたかつたさうです。本書によれば、細川ガラシャを演じたかつたと語つたとか。
    そして女優といふ職業を実に真面目に捉へてゐました。舞台挨拶を嫌ひ、水着撮影を拒否し、ラブシーンは撮らずと、彼女にとつて、映画女優には邪道と思ふ行為を避けてゐたのです。女優は映画における演技で勝負すべきで、素顔を見せたり私生活を曝したりするのはすべきではないと考へてゐました。
    一見わがままのやうですが、むしろ現代の俳優さんたちに見習つていただきたいものです。人気商売ゆゑ、あまり頑ななのも問題ですが、CMのおちやらけた姿を見慣れた後で、映画やドラマのシリアスな演技を見せられても素直に鑑賞できないのであります。あ、わたくしの場合ですがね。異論もあるでせう。

    そして42歳での引退。山口百恵さんのやうにことさらに引退を表明する訳でもなく、フェイドアウトするやうに消えたさうです。その後ほとんど公の場に姿を見せず、実に潔い身の引き方でした。
    引退の理由については、健康説(目を悪くした)だとか小津監督の死去がきつかけだとか、色色言はれてゐますが、結局本人の真意は分かりません。本書では、実兄の会田吉男カメラマンの不慮の死も引金ではないかと推測してゐます。

    本書の刊行時は当然、原節子さんは存命中でしたが、結局隠遁生活を全うしたまま、95歳の生涯を閉じたといふ訳です。見事な一生と申せませう。
    すでに「伝説の女優」原節子に関する書籍は幾つも出てをりますが、この『原節子 あるがままに生きて』は、わたくしのやうな初心者にはまことに分かりやすく入門書として恰好の一冊と存じます。

    http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-694.html

  • 若い時の戦争がなかったら、もっと良い作品にたくさん出られたのではないかと思うと惜しい...。もう少しつっこんだ内容を期待したけれど、やはりどこかベールに包まれているところは変わらず。読みやすい文章でした。

  • 四方田氏の本を読んだ後では、かなり薄味に感じる。

  • とくべつ、原節子さんのファンというわけではないのですが、古い映画が好きなので手に取りました。わたしのようなよく知らない者には、原節子の軌跡が一覧できて面白かったです。文章が丁寧で読みやすく、一章一章が短いのも良いです。
    昔は芸術家というよりも、職業的俳優が多かった、ご本人方の気持ちの点でも。原節子さんも生活のために女優になり、生活のために続け、もう十分と思ったから辞めたのだろうなと思います。
    お若い時の写真は本当に美しいです。

  • ★2.5
    多少なりとも原節子の生の声を目にすることが出来るかと思ったけれど、著者が原節子に会うことも会った過去すらもなく、他の書物や雑誌等に掲載された原節子に関する内容を纏めただけの作り。さらに、著者との相性が悪かったのか、何とも読みにくい構成で閉口してしまう箇所が多々あった。それでも最後まで読み進められたのは、原節子という女性に魅力があったからこそ。それにしても、小津監督を敬愛する著者が原節子を題材にした理由が、「小津監督と言えば原節子と笠智衆、笠智衆は自分で書いているから自伝を出していない原節子にしよう」みたいな安易なもので、何だかな…という気持ちでいっぱい。

  • せっちゃんて、タバコもビールも好きなのね

  • 2013年最初に読んだ本。

  • 『兄とその妹』・・・DVD,VHS なし
    [1956年日本映画、TV録画鑑賞]

  • 原節子さんが好きなので、どのような人生を送っているのかを
    知りたくて読んでみる。いろいろな記事で垣間見てはいたけれど
    こうやって1冊の本になっていると、とってもわかりやすくて
    すごくよかった。特に原節子さんの交友関係とか面白かった。
    司葉子さんが、原さんのものすごいファンだったってことも初耳で
    それを知ってから映画を見直すとまた、感じ方が違って面白かった。
    今頃どうしていらっしゃるのでしょう。自分を曲げずにまっすぐに
    生きている方だから、幸せな老後を過ごされているのではないでしょうか。

  • 原節子さんはすごく興味があったけど読みづらかった。

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