閑人生生 平成雑記帳2007~2009 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.71
  • (5)
  • (6)
  • (3)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 91
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022616586

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  •  高村さんの小説は、むかし好きで『レディー・ジョーカー』までは全部読んでました。濃ゆい物が、行間から押し出して来るような感じがしました。警察小説というジャンルも高村さんの小説から意識しだした、と思います。
     それでかなり期待して、この本を読みました。しかし、回りくどくて何を言っているのか、サッパリ分かりません。アエラに連載していたからかも知れませんが、天声人語ぽっさが気持ち悪かったです。

  • 高村薫「閑人生生」も読んだ。http://tinyurl.com/3exyonw 素材は当時の事件や時事問題だけど、今の原発事故や被災地への対応に読み替えできる部分がある。日本、全然懲りてないな…バラードがSFに分類されるのと同じくらい、この人がミステリー作家と言われるのが不思議

  • 今年2011年の四月に読了。

    世界はこの国よりはるかに貧しい国がいくらでもあるが、問題は貧困そのものではなく、それを取り巻く状況の希望の無さである。(略)なぜなら、今日食べる者がない一人の絶望は、私たちの漠とした不安な気分を刺激しながら、深く静かに広がってゆくだろうからである。それなりの努力と困難を経なければならない希望より、不安のほうがはるかに広がりやすい。緩やかな社会構造の転換を果たせないまま行き詰ったこの社会に、そうして衰退の予感と希望のなさが広がっていくとき、何が起こるか。政治家は自らの無能と失敗を糊塗するために、たいていは最後は軍事的緊張の演出へ走るものと相場は決まっている。(2007.10.8)

    お握りを食べたいと言って餓死した生活保護申請の事件が起きた年である。しかし、それとは別に現代の状況をも言っている気がしてならない。

    被災者の方々は多くの人が「頑張ります」と明るく宣言している。そういわなければ心が折れてしまうということももちろんある。それ以上に個人個人は希望を持って頑張っているのだろう。

    しかし、最終的には政治が問題になる。政治が今こそ、希望を語るときだ。

    希望とは何か。働く場所を確保することである。国の消費指数を上げることだ。あらゆる家族が将来の夢を語れる環境を作ることだ。子供に「未来」がある社会である。原発無しのエネルギー政策を準備することだ。決して、大企業だけを優遇してGNPの上げ下げや株価の上げ下げに一喜一憂することではない。

    最初のボタンのかけ間違いを許すべきではない。

    政治家が無能でそのことに気がつかないあほんだらだったとき、この著者の最後の言葉が本当に気になる。

    希望は、「政治が希望を語る」ということなのだ。

  • うーん、表紙のタイトルに反して高村薫らしいといえばらしいんだけれどガッツリ固い本。

    短い評論なんだけれどとにかく読みにくかった。

    たまーに出てくるプライベートな部分がかいま見えるのが、ちょっとなんだか面白い。

    でも、この言い方も失礼かもしれないが、女性がここまで俯瞰的かつ冷静に物事を書いていると思うと感心してしまう。
    私自身が女で、読む本読む本なんというか女性的だからかもしれないが、「かっこいー」とさえ思う。
    読んでて決して楽しくはないけれど、読んだ後に自分の意見はどうだろう、どうだったろう、と次につながる気持ちにさせてくれる一冊。

  • 冷静に深く世界を見つめる目はすごいです。厳しいです。
    同じニュースを見ても、どうしてこれだけ考えることの質が違うもんかな、と思います。
    感受性をみがいて、いつも自分の頭で考える。
    それを怠ると、本当に何も感じなくなってしまうんだろうなぁ。
    それは、もしかしたら楽なことかもしれないけれど、人間として悲しいことなのかな、と思います。

    2010/10/17 読了

  • 現代日本で生きる中、言いづらいことをはっきりと、
    当たり前のことをストレートに語った珠玉のエッセイ集。
    何となくモヤモヤと感じていたことを言葉にしてくれたことで、
    そうそう!と思わず膝を打つ。
    さらに硬派な語り口も魅力的。
    なるべくたくさんの人に読んでもらいたい。

全6件中 1 - 6件を表示

プロフィール

高村 薫(たかむら かおる)
1953年大阪市東住吉区生まれ、現在大阪府吹田市在住。国際基督教大学教養学部人文学科(フランス文学専攻)卒業。外資系商社の勤務を経て、作家活動に入る。
1990年『黄金を抱いて翔べ』で日本推理サスペンス大賞、1993年『マークスの山』で直木三十五賞、1998年『レディ・ジョーカー』で毎日出版文化賞、2016年刊行の『土の記』では大佛次郎賞、野間文芸賞、毎日芸術賞をそれぞれ受賞し、新たな代表作となった。
『レディ・ジョーカー』を境として、重厚な社会派ミステリーから純文学に転向。織田作之助賞選考委員を務める。

高村薫の作品

閑人生生 平成雑記帳2007~2009 (朝日文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする