スミレのように踏まれて香る (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 72
レビュー : 14
  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022617392

作品紹介・あらすじ

花びらを傷つけられていっそう芳香を放つスミレのように、人も苦しみを乗り越えて強くなれる-。心を癒やす愛の力とは、女性らしさとは、日本人に必要な教育とは何か…やさしくも力強い言葉で語りかける珠玉のエッセイ集。豊かな人間性を育む言葉の数々が、ここにある。

感想・レビュー・書評

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  • 題名に惹かれ図書館でパラパラと・・

    以前、生きていく事について格言的な役に立ちそうな本を沢山読んでいました。
    その頃を想い出すようです。
    礼儀・愛・親孝行・キリスト教・・著者は心を癒す言葉で語り掛けて下さいます。

  • 「人をそだてる」という本を加筆修正したものということわりがきが最初にありますので、昔からのファンの方はご注意を。

  • 2016年3月18日開巻/

  • 雑草魂、人は苦しみを乗り越えて強くなれる。

  • 『置かれた場所で咲きなさい』の著者の初期のエッセー。この時期での警鐘が、色あせてはいない。

  • いずれにしても、人と比べて自分の生活のペースを乱されているようなときに、私どもが心しなければならないのは、人は、自分の、なるべき姿にさえ向かっていれば、劣等感を感じる必要はないということ
    言うべきことは、言うべきように、言うべき態度で言うこと。さらに自分の意見を引っ込めるべきときに、引っ込めるべきことを正しい態度で引っ込めること。
    世界は「自分のため」だけにあると考える人よりも、「二人のため」と考えられる人は幸せである。「みんなのため」と考える余裕を持ち、そのように生きる人は、もっと幸せであろう。
    私は時おり、ひとりになることによって救われるように思う。
    男のような女性の多い中に美しく存在する女らしい女性、知性のひらめきと、豊かな、しかし静かな感情にあわせて、強い意志の力を心の奥に秘めている女性、ユリのように清楚で、礼儀正しく、素直な女性、謙遜であるがゆえに、何事も恐れない積極性と、正しい自我像を持っている女性、人命の軽んじられている世にあって、人の生命の尊さ、美しさを知り、物質的な物の考えかたをしている人の多い世に、真の幸福が心の中にあることを認識し、自己中心の世の中に、喜んで小さな親切を他人のためにする女性ーーこのような女性こそは、今の世の中に「新しい女性」として登場するのではなかろうか。
    誠実を口にする前に、まず人は思いを正すことを忘れてはいけない。自分がなり得る、最善の姿に達する努力を怠りながら、「誠実」をふりかざすべきではない。いつわりの自分の姿を見せるのが誠実ではないのと同様に、あらけずりのままの自分を、むき出しにすることも必ずしも誠実とは言えない。誠実という徳には営々として続ける努力が裏打ちされているはずだ。
    「できる」ことが必ずしも「してもよい」ことにはならない。
    「安易な人生を願うよりも強い人となることを、自分の力にふさわしい仕事を求めるよりも、与えられた仕事を仕遂げる力を願うことを」
    「しつけ」とはご存知のように、和裁でむずかしい、またはたいせつな個所にかけるもので、どこにでもかけるものではありません。キーポイントにかけるものです。しかも縫いあがった後には抜き取られてしまい、結果としてきちんと整った衣服が美しい姿で残ります。このように子どものしつけも、しつけそのものが目的ではなく、将来りっぱな美しい姿としてできあがるように、愛情をこめて忍耐強く、子どもの成長のための手段として見なされるべきもので、見栄や虚栄のために動物に芸を仕込むように、無理に教えこむものではありません。
    ことし一年、私たちの喜び、悲しみ、悩みは、おのが身を他人と比較してのそれではなく、自分が、なるべき最善の姿に近づいているか否かに対しての喜びであり、憂いでありたい。
    人間はめいめい与えられたタレントを後生大事に持っているだけではいけない。それを世のため、人のために活用することの重要さを教えている。私たち人間の価値は、生まれた時にもらったタレントの多寡にあるのではなく、それを何倍にもふやす努力にあることを教えている。神における平等とは、決して人間に等しく同額のタレントを与えることではない。個々の人間が、その理性と自由意志をもって、与えられたタレントをもとでに独自の人生を送る。その機会の平等を言うのである。

  • 【最終レビュー】

    図書館貸出。

    〈ごもっとも!〉その一言でしかないと同時に

    『大人の女性そのものの品格=彼女流の「センス」から、ズバリ、捉える』

    まさに、現代に生きる女性達に伝えようとするメッセージの数々。

    「自身、一歩、立ち止まり、ふと、この時期に、この著書に触れられた」タイミングもちょうど良かった。

    タイトルの〈スミレのように~〉文句ありません。

    女性の方へ。特に、今、読むなら「この一冊」・「この著書を」手にとって、ゆっくりと読んで欲しい。どんな形でもいいので。そう思わずにはいられません。もちろん、女性だけでなく、是非、興味がある方にも今、オススメしたい

    〈私自身の、一押しの一冊として〉

    ネタバレになるので、簡単にネタバレにならない範囲で、特に印象深かった内容を抜粋し、終わりとします。

    *『苦しみを踏み台にし、つつましく、健気に強く=人間も同じ』

    *『人の「心の苦しみ」は、「同じく、心もって」しか癒せない』

    *『子供じみた、子供っぽい「大人」が多すぎる』

    *『毎日の生活の中で、「己に勝つ。人を想う優しさ」を「身につける」ために、「自分と闘う」ことが、忘れられているのではないか』

    *『美しさ=与えるものは【心】造作は関係ない。化け方は教えても、【中身からの美しさ】を【教えない】』

    *『他人と比較をするな。(略)「相手(人)を、物と見ない」【人間だと見る、心】』

    *『【対話】=おしゃべり、井戸端会議、悪口(感情的)の言い合い、片方が勝ち負けじゃない!【真理の前で、頭を垂れる、謙虚な人の集まり】』

    *『自分を大事に=他人を大事にすることの【条件】【待つことの、大切さ】(略)を忘れないこと』

    *『せくことは、まかせないことだ ~すぐに結果を見たがることは、おまかせしていないこと~』

    →禅宗の、あるお坊さんの言葉より

    *『自分がしないでおいて、「努力の結果をけなす」それは、[怠け者のすることでしかない]』

    *『礼儀の第一条件=「自分に対する、正しい、プライド」【礼の本質を守ること】礼儀を通じて、【自他の成長を促す、日々の研鑽のみ】しか、得られるものではない』

    *『日本の女性達に、今、求められているもの。【女らしさ。つつましさ、思いやり、優しさ、清らかさ】』

    *『【内面の美しさの時代・内面から滲み出るもの】=[心ばせの美しさ]+[知性のひらめきからなる、美しさ](略)〈知・情・意〉の〈正しい、方向づけ〉』

    *『心の「苦労・不安・悩み・焦燥の種」は尽きない。〈特効薬はない〉』

    *『しあわせは、「内」にある。【自らの、心の中に生み出すもの】』

    *『他人を「道具としてはいけない」』

    *『良い鏡=[曇りない鏡。うつる、自分の姿から、美しくすることにつとめること]』

    *『自分の欲する「善」を「行い得ない自分」・「嫌う悪へ走りがちな自分」との[戦い]。【わたしたちの、一生涯続くもの】』

    *『聞くは、一時の恥。聞かぬは、末代までの恥』

  • 紫罗兰的花的言叶 ∶小幸福。花言葉:小さな幸せ。導きたがる人:周囲が自然と尊敬し影響を与える人。あなたはどっち?

  • 宗教関係なく、人が人として生きて行く上で当然の事が書かれていると思いました。
    「当然」これがなかなか実行できない事でして再認識させられます。

    特に心に残った一節は…
    「安易な人生を願うより強い人となることを、自分の力にふさわしい仕事を求めるよりよりも、与えられた仕事を仕遂げる力を願う事を」とはケネディ大統領の好んだ祈りの言葉です。

  • 「置かれた場所で咲きなさい」の著者の最新本かと思い、図書館で予約。やっと手元にきたのですが、この本は「人をそだてる」(1970年)を改題、加筆修正したものだそうです。

    色々なことについて書いてありますが、約40年前も今も基本的に変わらない(←悪い意味)、世代交代しているはずなのに前進してないのか(後退している?)と思わせるような内容。

    これを読んでいる時に小津安二郎「東京物語」を観たのですが、感想は同じような感じで驚きました。
    昔も今も問題は変わらない。変わるには40~60年では短いのか、前進しようとしてないだけなのか、今の私にはわかりません。

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