忘れられない一冊 (朝日文庫)

制作 : 週刊朝日編集部 
  • 朝日新聞出版
3.17
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  • 本棚登録 :97
  • レビュー :12
  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022617583

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学】石川直樹氏が南極で読んだSF、辛酸なめ子氏が性のめざめを覚えた本、北村薫氏が父から受け継いだ一冊、ブックディレクターの幅允孝氏が子どもに読ませている絵本……。各界の読書家たちが披露する、とっておきの一冊とは?

感想・レビュー・書評

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  • シンプルでいて
    なんて素敵な、
    そして本好きの心をくすぐるタイトルなんやろ(笑)


    本が好きであれば
    どんなに沢山の本を読もうとも
    決して忘れることのできない
    特別な本との思い出は
    誰にもあるんじゃないかな。


    自分にとってのそれは
    中学時代に物語の楽しさと
    ミステリーの醍醐味を教えてくれた
    アガサ・クリスティーの
    そして誰もいなくなった』と
    『ナイルに死す』、
    (いやぁ~ベタやなぁ)


    そして高校時代に読んだ
    レイモンド・チャンドラーの
    『長いお別れ』。


    特にチャンドラーの小説は
    幼い頃に両親をなくし、
    強くなるために
    試行錯誤していた自分の蒼い心に
    猛烈に響いてきたのです(笑)


    松田優作や石橋陵や
    当時自分が憧れていたロックスターの殆どが読んでいた
    チャンドラーの小説。

    男を魅了するそのワケは、
    男とはなんぞやの理想型が
    余すことなく描かれていること。
    (つまり日本の侍にも通じる『痩せ我慢の美学』)


    そしてカッコ悪いことこそが
    カッコいいという
    逆説的な美学と

    詩的でストイックな文体に散りばめられた
    宝石のような名言の数々なのです。
    (日本の正当なチャンドラーの後継者は、個人的には大藪春彦でも北方謙三でもなく実は春樹さんだと思う)



    と前置きが長くなったけど(笑)
    この本、
    様々な著名作家たちの
    『忘れられない一冊』にまつわるエピソードが
    1人2ページの簡潔さで
    82人分綴られてます。


    印象に残ったのを挙げると、
    藍川京が官能小説家へと転身するキッカケとなった
    「雪の記憶」、

    冲方丁が人前で泣きながら読んだ
    「鈴の鳴る道」、

    写真家の川内倫子が魅せられた
    佐渡の海の写真集
    「NAMI」、

    タレントの清水ミチコが
    先生から薦められ夜通しハマった
    パール・バックの「大地」、

    辛酸なめ子が
    思春期に性描写に興奮した(笑)
    「王妃マリー・アントワネット」、

    夢破れシスコをさ迷う園子温を
    日本に帰ろうと決意させた
    「J・コクトー詩集」、

    辻村深月のお気に入りの鞄を壊した(笑)
    小野不由美の「屍鬼」、

    東直子が病院の待合室で息をひそめて読んだ
    星新一のショートショート、

    松本隆の作詞家としての原点となった
    ボードレールの「悪の華」、

    三浦しをんが小学生の頃夢中になった
    ウン○を食べる話の作者は誰だ!?(笑)
    など
    バラエティーに富んでます。



    それにしても
    著名人たちの本にまつわる話が読める企画本って
    「また来やがったか~」っと思いながらも
    ついつい手を出しちゃうし(笑)、

    読んでる間中ニヤニヤが止まらなくなるから
    ホンマ危険なんやけど(汗)、

    本好きなら
    抗えないですよね(^_^;)
    ↑まんまと出版社の思うツボ

    • 円軌道の外さん

      アセロラさん、遅くなりましたが、
      コメントありがとうございます!

      そうなんですよ(^o^)
      好きな作家の読書遍歴や本棚って
      その人のプライベートな素の姿が透けて見えてくるので興味津々だし
      こっそり覗いてみたくなりますよね(笑)


      てか、ご紹介いただいた
      「作家の読書道」というサイト最高に面白くて、
      すっかりハマってしまいました(笑)(^ー^)

      好きな作家のインタビューにも
      よだれタラタラやし!


      いい情報ホンマにありがとうございました!
      重ね重ねですが、
      今年もよろしくお願いします♪


      アセロラさんにとって
      今年が良い年になりますように!

      2014/01/12
    • 円軌道の外さん


      shuwachoさん、コメント遅くなり
      申し訳ない!(。>A<。)

      あははは(笑)
      読書好きにとってこの手の本は
      もう条件反射的に惹きつけられますよね(^_^;)


      「読みたい本」リストがたまっていくのも
      読みたい本が見当たらないよりかは
      幸せなことだと思うし、

      ああ~、この本いいなぁ~とか、
      コレは共感するだろうなぁ~とか、
      まだ未知の読みたい本のことを考える時間って 
      何事にも代え難い幸せな時やと思います。


      それにしても
      高橋源一郎さんが
      チャンドラーのハードボイルドと
      春樹さんの作品の共通点を述べていたとは、
      ホンマ驚きました(笑)(^^;)

      確かに「長いお別れ」と「羊をめぐる冒険」は
      僕と鼠の関係性が
      マーロウとテリー・レノックスの関係とダブってきますよね。

      どちらの作品も二人の関係性は同性愛的な匂いもするとの声もあるけど、
      自分は純粋な男同士の友情と絆を描いた
      正統派ハードボイルド小説だと思ってます(^^)

      ではでは、今年もよろしくお願いします!

      shuwachoさんの
      今年一年が良い年になりますように!



      2014/01/12
    • 円軌道の外さん

      ひゃあーっ!(汗)
      kwosaさん、コメント遅くなって、
      すいません!(。>A<。)


      おっ、しをんさんのこの話、
      kwosaさんも御存知やったんですね(笑)(^ー^)
       
      そうなんです!
      作者は芥川龍之介か
      はたまた谷崎潤一郎かで悶々としていたみたいやけど(笑)
      最新の追記が載っていて
      谷崎で落ち着いたみたいです(^^;)

      意外とこういう下ネタって
      いろんな人が書いてたりするから
      記憶がゴッチャになるのもムリはないと思うなぁ~

      確か三島や乱歩でも似たような描写があった気がするし…(笑)


      ブックガイド的なものって
      キリがないのは分かってても
      目次を見て好きな作品が載っていると
      ついつい読んでまうんですよ…(;゜д゜)

      本に関する本っていうだけで
      嬉しくなってまうし(汗)


      ということで
      重ね重ねですが、
      今年もよろしくお願いします!

      あっ、自分の残酷な天使のテーゼのレビューにも
      コメント返してるので、
      また読んでみてくださいね♪

      kwosaさんの今年一年が
      良い年でありますように!



      2014/01/12
  • 大学院同期の方の紹介本。シュールな出会い、切ない出会い、クスリと笑える出会い。本と出会うということが、まるで人との出会いのよう。まるで言霊のように、その人の一部が本に宿るかもしれない…とか色々なことを考えてしまう一冊。買いたい本が山ほどできました。

  • 笑えるエピソードから、人生を決めた一冊まで、様々な物語とともに紹介されている。
    これまでの読書生活の中で、面白い!と思う本の多くは人からの紹介。ということで、次の本のリサーチのため、手に取る。

  • 82編(人)収録。 3

  • ・藍川京「キスへの憎しみ 読むのが早すぎた一冊」 
     『雪の記憶』
    ・青山南「お粗末な書店と大雨 高校生で出会った二人の作家」
     『怒りの葡萄』
    ・阿刀田高「ありがとう ただひたすらおもしろい本」
     『グリーン家殺人事件』
    ・安倍龍太郎「役所をやめる決意を固めた 二十八歳の岐路」
     『全東洋街道』
    ・新井素子「忘れてしまった本 旅行中に読む本がなくなって……」
    ・荒井良二「保育園体験の意外な影響 十代後半、食わず嫌いだった本」
     『お伽草紙』
    ・有栖川有栖「“抗えぬ運命”を想像する 旅の最中のご当地本が……」
     『洞爺丸はなぜ沈んだか』
    ・生島淳「上京するはずだった姉 歴史から学ぶために」
     『三陸海岸大津波』
    ・井上荒野「不気味な気配、不思議な語感 父の書斎から」
     『ちゃお・つうゆえ』
    ・井上章一「古書店の棚におかれた子供の夢 小学生の挫折体験」
     『少年のためのマンガ家入門』
    ・内澤旬子「バイトに来てたんだっけ、私 時間を忘れた読書」
     『一寸法師』
    ・冲方丁「教室に沈黙が降りた 十一歳のとき、日本仁補習校で」
     『鈴の鳴る道』
    ・海野弘「館長室の部厚い本 もの書きの世界へ導かれ」
     『アール・ヌーヴォー』
    ・大竹聡「ノッティンガムの裏切り イギリスのパブで手にした本は……」
     『長距離走者の孤独』
    ・太田治子「ああ、ごめんなさい 中学生でやっと読めた本」
     『脂肪の塊』
    ・大林宣彦「『憂鬱』の不思議な文字並び 国民学校一年生だった」
     『田園の憂鬱』
    ・岡田利規「ナイーブさというのは厄介だ 就職活動からの逃避」
     『森の生活』
    ・奥野修司「アマゾン川の漱石 安宿で出会った一冊」
     『草合』
    ・角幡唯介「清張が描いた新聞記者 同級生にすすめられ」
     『影の地帯』
    ・金原瑞人「妹が略奪していった本 小学校の頃、何度も読み返した」
     『ふくろかつぎの王子』
    ・川内倫子「突き出ている本 本が醸し出す存在感」
     『NAMI』
    ・菊地秀行「病院の待合室の藤沢周平 父の死を目前にして」
     『闇の梯子』
    ・北村薫「父とわたしを繋ぐ一冊 小学校低学年の頃に」
     『道化役者と虫歯』
    ・桐山秀樹「死ぬまで分からない 手許に置いて繰り返し読む本」
     『デミアン』
    ・車谷長吉「まさかの坂を上って 結婚のきっかけとなった本」
     『ナンセンス詩人の肖像』
    ・小林エリカ「ヨーロピアンな食卓 食い意地と読書」
     『シャーロック・ホームズ家の料理読本』
    ・最相葉月「『さんたろう』の謎 二十歳の思い出とともに」
     『三太郎の日記』
    ・島田裕巳「机竜之助と歩く 職を失って……」
     『大菩薩峠』
    ・清水ミチコ「”黄色い大地”からの想像 高校生の頃、先生からすすめられた一冊」
     『大地』
    ・志茂田景樹「戦死した兄の本箱 小学校から帰ると読みふけった本」
     『ベルレーヌの詩』
    ・辛酸なめ子「この位で興奮できていたのか 小学生の頃、この本で」
     『王妃マリー・アントワネット』
    ・鈴木邦男「兆民に叱られ救われた 挫折を感じたときに」
     『一年有半』
    ・園子温「二十世紀が終わった夜 日本に帰ろうと決意させた一冊」
     『J・コクトー詩集』
    ・平安寿子「なかったことにしたい一冊 高三の夏休み」
     『砂の女』
    ・高野秀行「懲役五年を覚悟して 絶体絶命時に読むといい本」
     シドニィ・シェルダン
    ・高橋順子「『すごい本』にはさまれた一筆箋 夫の決意に触れた一冊」
     『私語り樋口一葉』
    ・谷村志穂「先生からもらった本 作家として歩み始めた頃」
     『鴎外全集』
    ・旦敬介「最期まで書斎にあった本 父の人種問題」
     『黒人年鑑』
    ・辻村深月「鞄を壊した子 帰省中に読んだ本で……」
     『屍鬼』
    ・出久根達郎「どこを読んでいたのだろう? 病院のトイレで読んだ本」
     『華麗なるギャッツ・ビー』
    ・戸梶圭太「なんてセンスのいい出版社なんだ! 熱心に集めた文庫シリーズ」
     富士見ロマン文庫
    ・中島京子「おじさんへの報告 通学途中でもらった本」
     『放浪記』
    ・中島誠之助「マグロ漁船のカイコ棚で 二十二歳の夏、インド洋で」
     『人間の条件』
    ・中野京子「天才詩人あらわる? 遭遇したラブレターに」
     『ゲーテ詩集』
    ・長野まゆみ「書棚の空きスペース 高校生の頃、思いきって……」
     『少年愛の美学』
    ・中村文則「得体の知れない恐ろしさ 祖父母の押し入れにあった本」
     『一粒の麦もし死なずば』
    ・なぎら健壱「自分の名前のゴム印が…… 古本屋で巡りあって」
     『ああ無情』
    ・西部邁「私を被告人にした『白痴』 「学生運動」に足を踏み入れるきっかけ」
     『白痴』
    ・芳賀徹「私のマドレーヌ 二人きりの読書会で」
     『ドミニック』
    ・蓮見圭一「バスルームからの明かり 年上の男性がくれた本」
     『グッド・バイ』
    ・秦健日子「宿題 初めてシナリオにおこした本」
     『娘に語る祖国』
    ・幅允孝「子供はわからないもので 息子が好きな本」
     『だるまさんが』
    ・林あまり『天井すれすれにあった名前 背表紙に心魅かれて」
     『緑の部屋』
    ・速水健朗「大藪春彦と言えるようになった 中学時代の愛読書」
     『蘇る金狼』
    ・東直子「薬品の匂い漂うなかで星新一 病気がちだった子どもの頃」
     星新一
    ・久田恵「ラーメンの横でこぼした涙 息子との思い出」
     『ノルウェイの森』
    ・平松洋子「こんな文章、読んだことがない 高校生の頃に出会ったエッセイ」
     『パリから 娘とわたしの時間』
    ・伏見憲明「怠惰な自分を叱咤した日記 青春時代に読んだ本」
     千葉敦子
    ・別役実「嘘の話にまつわる本 埋もれてしまったが……」
     『鼻行類』
    ・星野博美「ドストエフスキーのばか 「別れ」のきっかけになった本」
     『白痴』
    ・穂村弘「眩しさで盗みみた書名 山上での贅沢品」
     『最新ウエイトトレーニング法』
    ・前田司郎「二分間の冒険 小学校の「図書」の授業で」
     『二分間の冒険』
    ・万城目学「車谷長吉を読む医師 本の話題を切り出せず」
     『錢金について』
    ・松浦弥太郎「高村翁に学んだ「美しい」とはなにか 反抗的な中学生だった」
     『高村光太郎詩集』
    ・松田哲夫「人生いろいろ 編集者になったきっかけ」
     『ガロ』
    ・松田美智子「厄年に読んだ唯一の本 「離婚」へと背中を押してくれた」
     『春にして君を離れ』
    ・松本隆「十一歳の「悪の華」 父の書棚でみつけた本」
     『悪の華』
    ・黛まどか「“叫ぶ私”を抱きしめたい OL時代、読みふけった本」
     『叫ぶ私』
    ・三浦しをん「ウン○を食べる話 小学生の頃に感銘を受けた本」
     『好色』『少将滋幹の母』
    ・宮田奈都「夢の牛、夢の庭 好きで好きでたまらないこと」
     『武市の夢の庭』
    ・マイク・モラスキー「聖なる書 日本に来たばかりの頃」
     英和和英辞典
    ・森達也「彼女の短いメッセージ 別れ際に……」
     『一千一秒物語』
    ・森永卓郎「三十年間も読み続けた宗教の本 大学生のときに出会って」
     『転換期の宗教』
    ・森まゆみ「座右にある未読全集 十五歳のマイブーム」
     サン・ジュスト
    ・森山大道「母が小声で伝えた本 遺言がわりの一冊」
     『チボー家の人々』
    ・諸田玲子「最高に輝ける日々 夫が残していった本」
     『ベスト&ブライテスト』
    ・山折哲雄「『春と修羅』初版本の亡霊 大学時代、酒代に消えた本」
     『春と修羅』
    ・山川静夫「いくたびも天井を仰ぎ見た 息子が生まれる直前に読んだ本」
     『海軍主計大尉小泉信吉』
    ・山田太一「花に寄り添った 十代後半の気持ちを思い出す」
     『立原道造詩集』
    ・山本譲治「拘置所で読んだ脱獄の話 図書閲読禁止を解かれて」
     『鬼の跫』
    ・吉田篤弘「思わぬ収穫 夢の中の古本屋で」
    ・吉田豪「サインは自粛した次第 初めて買ったタレント本」
     『紫の履歴書』

  • 様々な人が紹介する様々な本。どれも個人にとっての思い出と分かちがたく結ばれているため、おもしろそうな本を探すための指標というのではなく、ある一人の人を知るための一編という意味では面白い。

  • 他人の物語がここまで退屈に感じる事に、どうしてこうなってしまうのか、自分でも驚く。本そのものの良し悪しではなく、評者の人生に偶然関係した思い出の1冊を紹介しているだけなので、その本に対する想いみたいなものが伝わってこないし、その人とその本の関連性が感じられず、どの本にも興味がわかないというか、どうでもいい話のオンパレードだった。ブックガイド的なものを期待すると外す可能性大(生島氏の話はツライとは思ったが、だからと言って津波の本を読みたいとは思わない)

  • 2ページで綴る思い出の一冊。名文多数。

  • 彼女の短いメッセージ。
    ケンカ、ぐちゃぐちゃ。
    その21歳のストーリーに自分が重なってしまう切なさ。
    もう、30歳なのに。

  • 登録番号10536 分類番号019.9 ア

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