- Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022617767
作品紹介・あらすじ
【文学/随筆】38歳で乳がんと診断されてから、なぜか心身ともに健やかになっていく……。頑張らない闘病体験を、『世界屠畜紀行』の著者がつづる。働き盛りの女性に贈るオンナのカラダとココロの不思議に迫るエッセイ。講談社エッセイ賞受賞作。島村菜津との対談も収録。
感想・レビュー・書評
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―――なんか癌なのに 元気になっちゃったんだよ―――
講談社エッセイ賞受賞作。
アトピー、腰痛、無排卵性月経など、生まれてからずっと百パーセント元気で健康だと思えたためしのない著者が、乳癌になった。
癌の治療にと、はじめたヨガで、人生は生き生きとよみがえる。
著者のひねくれた物言いが、私には心地よかった。
―――人間なんてどうせ死ぬのに、なぜみんな致死性の病気になると深刻になり、治りたがり、感動したがり、その体験談を読みたがるのか―――
癌になりました、の本の最後が、そして彼女は死にました、ではなく
元気になっちゃいました、だからイイのだ。
癌じゃないけどだるいし、百パーセント健康じゃない。
そんなひとってたくさんいて、ひとって切羽詰らないと動けないんだと思う。
著者は癌になったからこそ、自ら動いて健康へ近づいた。
癌は、そのきっかけだった。
もちろん、癌にもレベルがあって、彼女は運よくとても軽度の癌だったから、という大前提のもとである。
じゃあ、わたしは?
まだ何も発症していないうちから自ら動けるかどうか。
身体のいいなりになるか、意志をつらぬくか。
そこが問題だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分の体との向き合い方を独特な視点で描いている。
私の中にはなかった考え方が、とても新鮮だった。何年かしたら、また読み返したいと思う。 -
すごく良くて大好きな本だったのだけど、どこにやったかわかんない…
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かかった病院の対応が酷過ぎて…患者としては辛い思いをしているのに寄り添う気持ちも感じられず。
著者がいま元気でいられるのはヨガのおかげか。 -
現実ってこういったものだと思った。
アトピーの経験はないけれど、描写がリアルで物凄く辛さを感じた。。
癌についても、結局周りは頼りにならず、、というか人によって頼れるものか、環境によって大きく異なるものだと思った。
たった一人でも、自分の病気を理解してくれる人がいたらとても幸運かもしれない。
それは、家族じゃないかもしれないし、医師やサポートしてくれる方々かもしれないし、解らないこと。
同じ病名でも、ひとりひとり症状が違い、捉え方、乗り越え方も違うもので
これだから正解だということはたぶん無いのだろう。
自分で調べて(学んで)、選択をして、体験していくことなのかなと思った。
癌経験者は、頷くような、、未経験者にとっては体験記として現実的に捉えられる内容だと感じました。 -
乳癌だった母親の蔵書からの1冊です。
この本を通じて、乳房を全摘する事がどういう事なのか、心の葛藤、悲しみや悩みがあったであろう母の気持ちを想像する事が出来ました。
深刻さを感じさせない、笑いありの文章で読んでいて楽しいです。癌になる疑似体験が出来ました。
面白いのは、虚弱体質の筆者が、癌をきっかけにヨガを始めどんどん健康になっていくところ。
ハマっていく様子がとても面白いです。私もヨガを始めて、年中気だるい疲れやすい身体を何とかしようかな。 -
死ぬかもしれないけど死なないかもしれない、そんな状態で生きなきゃいけないことの過酷さを実感しました。治療費もかかる上に病でろくに働けず、サポートしてくれる人もいなかったら?病と貧困。なんて恐ろしい…
だけどそんな状況下でも色々なことに冷静に対処し、生きていく内澤さんはすごい。癌の友人を亡くして落ち込んだエピソードや、傷のある再建した乳房への思いや、苦しくなるような箇所もあるんだけど、それでも一貫して静謐で知的で、夢中で読みました。
癌になってしまった人におすすめしたいし、私が癌になったとしてもまた読み返したい一冊。-
「一貫して静謐で知的で」
著書を読むとバイタリティ溢れる凄い方ですが、講演ではボソボソ独り言を言うように話される。面白い方でした。。。「一貫して静謐で知的で」
著書を読むとバイタリティ溢れる凄い方ですが、講演ではボソボソ独り言を言うように話される。面白い方でした。。。2014/04/03
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腰痛、アトピー、ヨガのこと。そして乳癌。友だちの死、東京事變「告知」
「因果を問われることには徹底的に反発してきた。癌だけでなくあらゆる病気は、いや人間に降りかかるすべての不幸には、理由はないと思っている。ただどう対処するか、どう向き合うか、それだけだ」 -
2.8