近代化と世間 私が見たヨーロッパと日本 (朝日文庫)

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著者 : 阿部謹也
  • 朝日新聞出版 (2014年11月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022618115

作品紹介

かつて日本と同様な「世間」が存在していたヨーロッパが、なぜ個人を重視する社会へと転換したのか。個人の誕生の背景には何が存在していたか。従来の歴史学が語らなかった生活の風景に踏み込み、日本人の生き方を問い続けた著者による総決算。西洋中世史研究と日本社会論とを鮮やかに連結させた、碩学の遺著。

近代化と世間 私が見たヨーロッパと日本 (朝日文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 「世間」の中で生きている日本と、「世間」をもたない欧米人の差はどこから来たのか?社会society、個人Individualが日本語に訳出されて150年らしいが、日本では概念が確立していない!一方、西洋では12世紀から思想分野でのルネッサンスが始まり、900年を経てきたとのこと。漠然とした公共性である「世間」の中で生きている無責任体質の日本人の特徴は思い当たる。「世間」は大学が91年の文科省大綱化により大学が崩壊した!それを許している?!と舌鋒鋭い批判がそれを示している。キリスト教と天皇制の影響が明らかにあったのであろう。西洋では脱神話化とともに動物、自然、性などに関わる聖なる仕事が差別される対象になっていったという紹介がリアルで興味深い。結語に引用される12世紀の哲学者フーゴーの『ディスカリコン』の言葉が面白い。「故郷が甘美だと思うものはいまだ脆弱な者に過ぎない。どこに行っても故郷と同じだと思うものはすでに力強い人である。しかし全世界が流謫の地であると思うものこそ完全な人である」著者は親鸞の中にこの答えを見つけようとしたらしい。この「流謫の地」が「世間」であり、その中で生きるということが結論か。

  • 読み応え強力。歴史を学ぶとはこういうことか。視程の広さと自省の深さ、潔さ。すばらしい。読むのに体力がこちらにも必要。

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